対談

【支援者TALK】ついに実現!横須賀市内の支援者同士がぶっちゃけトーク!福祉支援の課題に多角的に迫る記念すべき第1弾/2017.07

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目次

主に当事者やその家族の視点で情報をお届けしているsukasuka-ippoですが、今回は横須賀市内の福祉施設の支援者の方たちにお集りいただいて『支援者TALK』を開催!

さすが支援者の集まり!ディープなトークに専門用語のオンパレードで終始頭はフル回転!

難しいと思われる用語やポイントとなる事項にはメモをつけ、どなたにも読みやすい記事になるよう工夫してみましたので、濃厚なトークをぜひ最後までご覧ください!

支援者TALK 参加者 | comments


横須賀ではいろいろな取り組みがされていると思いますが、このような企画は新しくて良いですね!未来に続く会議かなと感じています。


御縁がありまして、こういう形でお声掛けいただいて有難いです。
いろいろな所で有意義に皆さんと関わらせていただいて、この横須賀の福祉のために役に立てればなと思います。


入所施設は福祉でいうと裏方かな?という感じで個人的には思っています。
どちらかというと介護に近く、どう人生を終えていくのかというところが今私たちの施設の課題だと感じています。


株式会社惠心ではお年寄りの方を中心とした高齢福祉、介護支援をやっています。
株式会社いちごでは『いちごいちえ』という放課後等デイサービスを始めて1年半。
また、障害のある方を対象とした相談支援事業『ハッピーサポート恵心』を2017年6月よりスタートしました。
障害・高齢関係なくみんなが過ごしやすい地域作り、共生型サービスというものを目指していきたいです。


もともと介護のほうでケアマネージャーをしていましたが、現在は相談支援専門員としても務めさせてもらっています。

障害支援センター、介護支援センターを両方担える人が今後増えていくように活動していきたいなと考えています。


今年も教育福祉常任委員になりまして、去年に引き続きしっかりやっていきたいと思っています。また、次期障害者福祉計画を策定しているところなので、そのあたりも踏まえて皆さんとお話しできたらと思っています。


まだ市会議員になって間もないですが、新しいことを吸収しながらやっていきたいと思います。福祉に関してはお困りの方に会う機会もたくさんあり、やはり横須賀市としてまずやっていかなければいけないことだろうと感じています。

・・・

TALK参加者の写真を記事の随所に配置しました(写真をクリックすると詳細が開きます)

それでは『支援者TALK』スタート!


▲会場は清光園内にある短期入所施設『Peace Color(ピースカラー)』の会議室を使わせていただきました!

TALK-01 高齢福祉と比べると、障害福祉はサービスに繋がるまでに時間がかかる…その原因は?

小野さん 私ども株式会社恵心では、もともと高齢福祉をずっとやってきていて、ケアプランの作成等のノウハウを障害児者を対象とした相談事業に生かしたいと考えて、この6月に『ハッピーサポート恵心』という相談支援事業をスタートしました。

始して1ヵ月になりますが、ご家族やご本人から相談を受けてから実際にサービス事業者へ繋がっていくまでのスピードが、やはり高齢者の介護相談・ケアプランの作成のケースと比べて若干遅いのかなと感じます。

その原因は何かと考えると、障害福祉課の支給決定の調整がひとつあると思います。市の障害福祉課の方も利用者さんをいっぱい抱えていらっしゃるので、非常に時間がかかっているのかなと…。

佐藤さん 小野と同じく高齢福祉と『ハッピーサポート恵心』の新規相談事業に関わる立場として補足すると、高齢福祉の相談では、例えば、ご高齢の方が3日後に病院を出て家で一人暮らしをしなければいけなくなったという相談がケアマネージャーのところに急に入ってきた場合、「3日間でまず何ができるのか?」を必死に考えます。

具体的には、

  1. 退院に合わせてご自宅へ伺い
  2. 担当者会議をして
  3. サービスをスタートさせる

というようなスピード感で動いていきます。

障害福祉の場合はサービス事業所の数が少ないということもありますし、そのあたりで皆さんも悩まれてたりするのかなと思ったんですが、いかがでしょうか。

利用者さんの情報を集めて把握するまでが大変。だから支給決定に時間がかかる

松田さん 高齢福祉と比べて障害福祉のサービス利用までに時間がかかってしまう要因は、いろんなことが関係しているとは思いますが、根本的に相談員の数や物質的な面が介護とは違うと思うんです。

支給決定の調整はワーカーさんがいろいろとやられていると思いますが、まず利用される方のことをワーカーさん自身が把握できていないというのもあります。

単純に高齢福祉と比べることはできませんが、障害福祉でも以前はお宅を訪問し、ご本人やご家族と実際に接して初めて支援の必要性を感じてそれをサービスに繋げていく、という流れがあったんです。でも今はそうやって家まで伺うことはあまりありませんし、そうなると繋がりも少なくなりますよね。

だから支給を出すために、聞き取りや各方面から情報を集めなければいけないという状況が、サービス開始に時間がかかるひとつの要因かなと感じます。子どものほうは特に時間がかかりますよね。

サービスを使いたくても事業所がない!相談支援専門員としてのジレンマ

佐藤さん 実際に私たちも、相談のインテークの部分では、2時間ぐらい時間をかけて保護者の方やご本人の思いを伺うようにしています。時間はかかりますが、じっくり関われることはすごく良いなと感じています。

Click here!】相談のインテークとは
相談者がどのような相談を抱えているのか、その背景にある問題や事情をソーシャルワーカーなどが聞き、何が出来るか問題の解決に向けて行う最初の面接。

小野さん ただ一方で、支給決定がされて、使える枠があっても、利用できるサービスの事業所さんがないから使いたくても使えないという状況がありますよね。

そこが、相談支援専門員としてはジレンマです。お母さん方も非常に困ってるのはそこかな?と思います。

保護者は行ったり来たり…どんなサービスがあってどれを使えるのかがわかりにくい!

五本木 保護者の立場でいうと、例えばうちだったら療育相談センターにお世話になっているので、そこでソーシャルワーカーさんに相談したうえで、何かサービスを利用するという時には障害福祉課に話を繋いでもらうという感じ。だけどうまく伝わっていないこともあったり、行ったり来たりするのに時間がかかってしまうんです。

親自身も、この先どこに繋がって、支援がどういうものがあるのかもわからない不安な状態で、なんとなく流れに沿って、言われるがまま児相(児童相談所)に行ったり、障害福祉課に行くしかないので…。

本当は何が必要でどういったものが選択できるということが、きちんと目に見えて届いてくれると安心だし、選択の材料も増えると思うんですが、現状ではやっぱり情報が足りないです。

障害の方は関わると一生の支援。なかなか空きが出ないのが現状

安田さん 私は、知的障害の方を対象とした入所施設『横須賀ヘーメット』で支援をさせてもらっていますが、障害をお持ちの方の支援というのはなかなか終わりがないんです。関わると一生の支援ですから、変な話、亡くならなければ空きが出ない。うちも開所して17年経ちますが、亡くなった方は数えるほどしかいません。

Click here!】横須賀へーメットについて
横須賀市長井にある、知的障害者を対象とした生活介護の入所施設。積極的な生産活動は行わず、ゆったりと暮らせることを目的としている。
関連記事>> 【取材File】ゆったり暮らす、そんな生活もいいじゃない!?作業活動ものんびり!知的障害者を対象とした生活介護の入所施設『横須賀ヘーメット』

秋津さん 18歳から支援に関わったら、そこから平均50年ですからね。もしかしたら相談員のほうが先に引退するかもしれませんよね。

talk-02 似ているようで違う!?介護のケアマネージャーと障害のケースワーカーや相談支援専門員

介護ではケアマネージャーにいろいろな判断や支給決定が任されています

小野さん 介護のほうだと、市の高齢福祉課に利用者さん担当のワーカーさんというのはいなくて、ケアマネージャーにある程度のことは一任されているので、ケアマネージャーが資格や法律に則って、支給決定までできます。そのぶん、行政のチェックは厳しいですが…。

だから例えば、要介護1から5まであって、程度によって使える単位数が決まっているんですが、この人はこの単位数が使えるから、その中で使えるサービスを組み合わせて仮のプランをつくって、認定証が届けば使えますよという状態にしておく。そこでケアマネージャーが判断して確実に使える根拠があれば、認定に先だってサービスを開始することができるんです。反応が良く、すぐサービスが使えるというのは高齢福祉の良いところではあります。

障害の場合は相談員が全部を把握するのは難しい

小野さん 障害の場合は上限管理といって、ひとつの事業所がその人がどれだけサービスを使っているかを把握して国保連に請求している仕組み。だから、相談支援専門員はその人がどのようなサービスをどのくらい使っているかがわからないんですよ。

佐藤さん 障害の相談支援をやってみてわかったのは、放デイ(放課後等デイサービス)は放デイで、利用するお子さんのそこでの部分しか見られないので、支援の全体はわからないままでサービスを提供している。実際にそれを把握する人がいないんです。

小幡議員 ケアマネ的な人がいないってことですね。

小野さん だから、支援の全体のバランスを見て調整したりアドバイスをする役割を相談支援専門員が担っていかなければいけないと思っています。

私たちが始めた相談支援サービスでは、その方が利用している各事業所を回って、どのようなサービスをどのくらい使っているのかを全部把握した上で、必要なサービスの質と量を見極めて、ワーカーさんにお伝えする、というところまでやりたいですね。

talk-03 担当ワーカーがいきなり変わると困る!資料だけの引継ぎではなく施設見学などの研修で事業所との繋がりを作って欲しい

支援者の本音/4月の人事異動は正直困ります!!

秋津さん ケースワーカーさんって4月に突然、人事異動で変わっちゃうことがあるじゃないですか。あれ、正直困ります。

3月の下旬に前のケースワーカーさんに話したことがうまく伝わっていなくて、「聞いてはいますけど、よくわからないんです」というようなことを言われてしまうことがあって…。他の課から来たからわからないとは思うんですが、何とかならないかなと。

松田さん 要は、みんな新人さんなんですよね。ちゃんと後ろで見ている人がいればいいけど…

小幡議員 専門採用してるはずなんですけどね。

秋津さん 専門採用しても、資格を持っているからケースワーカーできるかといったら、実際は難しいですよ。福祉部の中でまわっていたとしても、高齢と障害でもこれだけ違うわけだから、「高齢で経験したから大丈夫です!」ということには多分ならないと思います。

実際に福祉施設に見学に来てほしい!ワーカーさんの研修があってもいいのでは

安田さん そのワーカーの方たちも福祉施設を見学するのがいいんと思うんですけど。

小幡議員 ワーカーの研修みたいなものですね!文字だけの資料じゃ何もわからないですからね。

安田さん 入所施設だと施設の担当も決まってますし、通所だと生活の地区割りが決まってるので、その地区のワーカーさんと一緒に実際に施設をまわったりというような研修があってもいいんじゃないかなと思います。

来てくれるワーカーの方も1対1で話してみると、熱意があって良い方たちが多いんですよ。

小幡議員 自分の目で見て、初めてわかることはいっぱいありますからね。やっぱり仕事の枠だけじゃなくて、それぐらい思いを持ったワーカーがもっと増えるとよいですよね。

相談支援員と事業所との横の繋がりが大事

安田さん 我々としても相談支援員の方と横の繋がりができていれば何かあったときにすぐに連絡がとれるので安心なんですが、なかには支給量のことや移動支援のこともよく理解されていない相談支援員の方もいたりするので、質はやっぱり高めていく必要があると思います。

秋津さん それだけ相談員の配置が足りなくて、誰かをあてがっているとところが実際問題あるわけですよね。

安田さん 短期入所を受けて欲しいといきなり相談支援員の方から電話がきて、「ちょっと待ってください!まずはうちに見学に来てください」というようなこともあります。

というのも、横須賀のいくつかある入所の施設の中でも、それぞれに得意・不得意の部分があります。例えば、強度行動障害だったら『三浦しらとり園』さんに専門のスタッフがいるよねとか、横の繋がりがあれば、そういうこともわかってくるんじゃないかな。

Click here!】『三浦しらとり園』について
診療所スタッフや専門スタッフがチームで支える障害児者の入所支援・短期入所・生活介護・自立訓練施設。県の施設として昭和38年に開設され、現在は指定管理制度により社会福祉法人清和会が運営している。
関連記事>>【取材File】県の施設を指定管理で運営!診療所スタッフや専門スタッフがチームで支える障害児者支援施設『三浦しらとり園』/社会福祉法人 清和会

talk-04 相談支援にかかわる報酬問題。事業として成り立つにはどうしたらいい?

横須賀はセルフプランが多い!?

秋津さん 「儲からないから厳しい!」という声はどこの事業所さんに行っても聞きます。神奈川県全体として見ても、横須賀は名指しで言われるくらいセルフプランが多いじゃないですか。

Click here!】セルフプランとは?
サービス等利用計画等と同じく、利用者等の希望する生活、総合的な援助方針などか記載された、サービス利用者を支援するための総合的な支援計画。利用者本人や家族、支援者など、指定相談支援事業者以外の者が作成する。

計画相談を立ち上げるにしても、やっぱり国からの収入だけでは成り立たないから事業所が立ち上がらない。
事業所が立ち上がらないからセルフが増えてしまう。

セルフばかり!と指摘するなら、そこの部分に税金を充てて事業所を活性化させるような取り組みをしてほしいですよね。

地域のオリジナルがあってもいい?行政が後ろ盾してくれたら…

秋津さん もし国保連(国民健康保険団体連合会)とか関係なく、相談事業所で決めた一律いくらというものに対して、当事者の親御さんが自分で支払ってでもやってほしい!と言って事業として成り立つのであればいいんでしょうけどね。

例えば、病院でも保険がきかない治療があるみたいに、相談があったら「これは保険外サービスなので実費でお受けします」という形で、かゆいところに手が届くサービスを横須賀で地域のオリジナルとしてやっていくのもアリかなと思います。

松田さん 地域のオリジナルがあればいいなというのはいろいろなところに言えることだと思うんです。横須賀市にお願いしなければいけない部分ではありますが、なんとか連携して実現できないかな!と。

秋津さん 市の単独事業じゃなくても、民間の事業でもいいと思うんです。

行政がそれを後ろ盾してくれたら、ある種、実費の公的なサービスという形になって、親御さんにとっては利用のしやすさ、安心感が違うのかな?と思います。

やっぱり相談員の思いがあって、一生懸命動いたところで、運営している法人の上のほうに「そんなお金にならないことを」と切り捨てられてしまうこともあると思うんです。でも、現場から生まれたニーズに対して、思い切った支援をできるような制度を自分たちの手で作っていくというのが大事だと思います。

それぞれの必要な場面に応じて、誰もが相談支援事業に関われるようなシステムを作りたい

佐藤さん うちの『ハッピーサポート恵心』の困ったところは、お金にならないサービスを法人の代表が率先してやっちゃってるところで…(笑)、実はこれ、経営という観点から見ると大問題なんです。

その方への支援をより良くするためにケース会議というものを行わせていただいてるんですが、事業所なりの困りごとや解決の糸口というのが横の繋がりから見えてきたりするので、相談支援事業というのは、とても重要なポジションだと思っています。

例えば入所、地域移行、または地域で暮らす人達…それぞれの必要な場面に応じて、相談支援事業に関われるような状態、システムができると良いなと思います。

何に困ってて、何が必要なのかっていうところを具体的に市に挙げて、それに対して予算をつけてくれと要望する。
横須賀市もお金を出すからには「何が良くなるの?」というところを明確に示してほしいというところがあると思うので、支援の結果をきちんと市に見せるのが我々の仕事だと思っています。

talk-05 深刻な移動支援問題/保護者の生活にも直結!?

安田さん 『暮らしを支える連絡会』などで今年は短期的に検討する課題が、短期入所と移動支援なんです。

Click here!】移動支援とは?
移動支援とは、障害のある人の地域生活を支えるために一人では移動が困難な障害者(児)に対して、余暇活動や社会生活上必要な外出の際にガイドヘルパーを派遣して移動の介護を提供するサービス。

五本木 どこででも出ますね、移動支援の問題!

松田さん ほんとに課題です、移動支援。

移動支援は、受け皿の絶対数が増えなければどうしようもない?

安田さん サービス等利用計画が入ってきたことで、移動支援も計画に入れちゃってるから使わなきゃいけないかな?と言う親御さんが増えてるんです。だから結局、受け皿となる移動支援の業者の絶対数が増えていかないと答えは出てこないのかなと…。

秋津さん 支給に関しても、本当にどれだけ必要なのかがわからない。受け皿が少ないんだから、受け入れのキャパを見極めて本当に必要な日数を出してかないといけないはずですよね。利用できる日数をもらった側としては「これだけ支給をもらえたのになんで使えないのよ!」と言いたくなってくると思うんですよね。

安田さん 移動支援って横須賀では60時間がマックスですよね。

秋津さん 古くから支給を持ってる人は持っているんですよね。

小幡議員 年齢で区切っていないので、全体的な時間数は減らないわけですよね、だから、次の世代の利用が削られて入っていけない。

佐藤さん 今持っている時間を使わないと減らされちゃうから無理矢理使う!というパターンもありますよね。

松田さん 両方あると思うんです。いっぱい持ってるから使わなきゃっていう方もいるし、逆に本当に困ってるから増やしたいのに増やせなくて学校にも行けないという子もいるし…

安田さん うちの施設は三浦市と横須賀市にまたがってるんですが、横須賀と三浦では移動支援についても全然違うんです。三浦では車での移動支援がダメなので通えないという方が結構多かったりするので、それに比べると横須賀は車も使えるし、恵まれてるのかなと感じます。

佐藤さん 横須賀市は横須賀市でまずはニーズをしっかり把握していってほしいですね。

送迎のためだけに仕事を辞めざるを得ないお母さんもいる

安田さん 私も最近になって知ったんですが、養護学校では中学まではスクールバスが使えて、養護学校の高等部に行った瞬間にバスが使えなくなる。その理由は義務教育じゃないからなのだそうです。

合理的配慮といいますが、その背景に何があるかっていうと、そのご本人が通えないだけじゃなくてお母さんも働けなくなる。送迎のためだけに仕事を辞めなくてはいけなくなるんですよね。

それで結局、生活保護をあてがわなきゃいけなくなるという悪循環を断ち切るには、例えば学校独自でスクールバスを出して、市から補助をもらうということになるだけでも、お母さんはお仕事ができて、市のほうも生活保護も出さなくてすむじゃないですか。

Click here!】合理的配慮とは?
障害のある人が社会参加するために必要な配慮をしたり環境を整えたりすること。障害者差別解消法では、合理的配慮をしないことも差別だとされている。
関連記事>>【学習会レポート】差別ってなんだろう?合理的配慮ってなんだろう?障害者権利条約と障害者差別解消法

学校側や教育委員会の協力があったら変わるかもしれない

小幡議員 福祉で全部やるんじゃなく、学校側がもっとやった方がいいんじゃないかとも思います。実際、通学なんだから教育委員会がやるべきだろうという意見がこの間の会議でも出ていました。

佐藤さん 養護学校の場合も、バスポイントまでは保護者が連れてくじゃないですか。そこまでの移動の問題もありますよね。

小幡議員 支援級もニーズが多いんですよね。どうにか教育委員会でやってくれないかというのは、すごく福祉のほうからは言われています。

移動の時間をずらせばうまく回るのに…

秋津さん 学校でも施設でも言えることですが、例えば始業時間をずらすだけで、だいぶ違いますよね。

小幡議員 違いますね。結局、同じ時間に集中するからヘルパーさんがいなくなっちゃう。放デイに行く時間も大体、市内の学校は同じなので…。

五本木 例えばですが、学校側がそこをわかって、送迎時間をずらすために「じゃあ、この子は今日は遅いお迎えの日ね」とか、「ちょっと早い日ね」と調整して協力してくれれば、移動支援の車もヘルパーさんも効率よく回るんだろうなと思うんです。

私自身の子どもも含め、今年1年生になった子どもの保護者からは、いざ移動支援を使いますってなったら時間もらえたものの、動けるヘルパーさんがいなくて迎えに来てくれる人がいない。14時半前後のいわゆる学校が終わる時間帯というのは前から使ってる人たちで埋まってしまっているので、新しく入学してきた子たちは全く使えないっていう声が多く聞かれます。

仕事をしようと思っていても、学校が終わる時間に迎えに行って事業所に連れていかなければいけないから、その時間までの仕事しかできない。学校が終わる時間も14時半だったり、早帰りだったり午前授業だったり…。じゃあ、仕事はやっぱり無理だね、とかパートが精一杯というふうになってしまうので、もう本当に困ったなと。

本当に必要なところに届いていない…保護者の切実な思い

五本木 なんか切実に必要なところに届いてないっていうのが…もうほんとに辛いなと思います。

佐藤さん ヘルパーさんを使ってバス・電車に乗らなければ通えない人もいれば、車イスの子もいるじゃないですか。それも一律で使えないってのはちょっと…

小幡議員 そう、だから年齢で区切ることもできないし、障害種別でも区切れないというのが難しいところです。

五本木 ある程度大きくなられた障害者の方の親御さんからしてみると、こっちはこっちで切実だと…。自分が倒れたりしたらそれこそ病院にだって連れていけないし、移動支援の時間数をある程度持っておかないと困るんだという声も聞くので、そうするともうじゃあどうすればいいの?って。

やっぱり市がそういう状況を把握して、移動支援の問題に予算つけるなりしてどうにかしていかないと。

小幡議員 横須賀市も全然、予測がついてなくて、予算額と決算額にものすごい差が生じてて、全然、実態を把握できてないっていうのがよくわかりますね。

ヘルパーさんのオーバーワーク、だから成り手がいなくなる…悪循環!

秋津さん ヘルパーさんのオーバーワークも多分すごいと思うんですよね。

朝早くから送りにきて、夕方にまた迎えにきて、その間の学校とか施設に行ってる時間は使う人がいないわけだからそこは待機。朝4時間と夕方4時間で8時間労働と言っても、拘束されてる時間は自由はないわけですから。そういうことによって成り手が不足していくというのが実際問題としてあります。

そういうところで、例えばヘルパーさんじゃなくても、朝の家からの通学の送りはシルバー人材センターとか地域の町内会の方とかを活用していくとか、旗を持って立ってる人に一緒に歩いてもらうだけでもいいと思うんです。で、お礼で1回飲み物代500円とかね、そういうところまで巻き込んでいかないと人手不足ってのはお金でも解決できないし。

その辺から仕組み作りをしていかないといけないと思います。

五本木 移動支援、送迎だけを事業にしようとするととってもハードルが高いんですが、お母さん同士で順番に車を出すなりして、協力しあえたらいいなと思うんですけどね。

短期入所の不足についても対策が必要

安田さん 短期入所の課題の検討は『みなと舎ゆう』さんが事務局となり鎌倉・逗子・葉山・三浦・横須賀…と、いろんなところから集まって検討をしています。じゃあどう発展していくかってところを考えると、今の段階では難しいと思います。

Click here!】『みなと舎 ライフゆう』について
1997年9月、横須賀市初の重症心身障害(者)・重度重複障害(者)のための施設として開設。現在、相談事業、ヘルパー事業、ケアホーム事業、ショートステイ事業、学齢児デイサービス事業、療養介護事業、医療型障害児施設を展開している。
関連記事>>【取材File】我が家のような施設でありたい!重症心身障害児者が安心して暮らせる入所施設『みなと舎 ライフゆう』/横須賀

talk-06. 福祉事業をするにあたり、どうして株式会社というスタイルを選んだの?その理由と気になるメリット・デメリット

安田さん 株式会社恵心さんにお聞きしたいんですが、私はずっと社会福祉法人の仕事をしてきてるので、なぜ法人ではなく株式会社で事業をやっていこうとお考えになったのかをお聞きできればと思います。

児童の方はだいぶ規制緩和が進み、株式会社も運営できるようになりましたが、高齢とか施設入所のほうは特養(特別養護老人ホーム)と同じで規制があるので、あえて株式会社というスタイルでそこに切り込んでいったのか理由を聞いてみたいです。

あと立ち上げの苦労だったり、正直、どのくらいお金かかったのかなというのも気になります。そういうのが簡単にできれば事業所ももっと増えてくるんじゃないかなと…。

きっかけは、株式会社の参入が認められてきたこと

佐藤さん 介護保険も障害の方もそうですが、株式会社での参入が認められたというのが一番の大きなところですね。

NPO法人、社会福祉法人の参入が増えて、それに対しての補助金・助成金が多く出てしまうというところで、株式会社の参入が認められてきたっていうのはあると思います。

株式会社の魅力、それは…

  • 1人ですぐに立ち上げられるというところ。
    例えばNPO法人であれば役員何年以上…という条件が必要だったり、設立まで最低半年かかります。人も集めないといけないのでやろうと思ったときにすぐにできない!
  • 株式会社は登記だけの問題なので1円からでもできてしまう!そのスピード感が圧倒的に違う。
  • 定款にさえ載せておけば必要だと思うことを自由にできる。これが1番の魅力です!

デメリットとしては…

  • 補助金・助成金がほぼ受けられない。
    一般企業と同じなので、一般企業が受けられる助成金しか申し込むことができません。

将来的には、どういった形の法人がベストか見極めたい

株式会社から社会福祉法人にもできるはずなので、どういった形の法人スタイルがいいのかを見極めた上で将来的にはシフトしていこうかなと思っています。

他の支援者からは「自由ってやっぱりうらやましい!」の声

秋津さん 株式会社の自由さって、僕らからしたらうらやましいですよ!社会福祉法人だから受けるしがらみっていうのは、現実問題として結構あります。この通り、僕らのところでもいろんな新しいことに挑戦しているので…。

松田さん やっぱり国からも社会福祉法人がいろんなことしなければいけないという流れになってきてるじゃないですか。だけどすぐにはできないんです。

佐藤さん 国からの指導が事業者さんに合ってないというか、ためにならないんですよね。

松田さん そうなんですよ!地域に向かえば向かうほど、それは感じます。

佐藤さん 私はもともと、みなと舎ゆうに職員としていたので、最初からやらせてもらっているなかで、社会福祉法人のフットワークの悪さをずっと経験してました。

松田さん 鹿児島のほうで、ある社会福祉法人が株式会社に変わって、就労B型(就労継続支援B型)じゃなく事業を立ち上げて、働く人は障害の方だけなんだけれど、ちゃんとお給料として出すっていう。すごくね、楽しそうですよ。

Click here!】就労B型とは?
障害者総合支援法(旧 障害者自立支援法)に基づく就労継続支援のための施設。
現地点で一般企業や事業所への就職が困難な障害のある方に、就労の機会を提供し生産活動を通じてその知識と能力の向上に必要な訓練をする。
また雇用契約を結ばず、利用者が作業分のお金を工賃としてもらい、比較的自由に働ける"非雇用型"である。

talk-07 子どもを支援する上で大切にしていることはなんですか?

安田さん 私はずっと成人の施設でしか仕事したことがありません。自分にも子どもがいますが、子どもの支援をしている人たちがすごく楽しそうに仕事してるなって。職員からも「児童の支援もやりたいです!」という声もあったりするんですが、なかなか人材が集まらない中で事業展開に進んでいかない状況なので…。

お子さんを支援する上で大切にしていることって何なのか聞いてみたいなと思いました。

障害者である前に、子どもは子ども!

松田さん うちも以前は就労B型(就労継続支援B型)だけでしたが、放課後等デイサービス『希望のひかり』や、短期入所の『Peace Color』で子どもを受け入れるようになって、本当にいろんなことが広がりました。やっぱり障害者である前に、子どもなので、まず子どもとして接することを1番大事にしています。

Click here!】『希望のひかり』について

Click here!】『Peace Color(ピースカラー)』について
社会福祉法人清光会が運営する、横須賀初の単独型の短期入所事業所。
施設という感じではなく泊まりたいと思えるような素敵な場所にしたいと、スタッフによって厳選された家具やインテリアでコーディネートされたまるでリゾートホテルのような部屋が並ぶ。ノイズキャンセリングルーム(騒音除去)、車椅子対応の部屋、ベッドが苦手な方には畳の部屋も。
関連記事>> 【取材File】まるでリゾートホテル!あなたはどのお部屋を選ぶ!?単独型短期入所事業所 『Peace Color』/横須賀

「働くお母さんを応援したい」そんな思いから立ち上げた放課後等デイサービス『いちごいちえ』

佐藤さん うちは、もともと高齢者介護の株式会社恵心をやっていて、そこで働いていた方のお子さんに障害がありまして、放課後等デイサービス『いちごいちえ』を設立しました。

他害が少しあったり、指示が通らなかったりという特性のあるお子さんでしたが、「保育園の受け入れ先が見つからないので仕事を辞めようと思う」という相談があって、それがきっかけなんです。働くお母さんを応援したいなという思いから始めたんですね。

Click here!】『いちごいちえ』について
2016年2月にオープンした横須賀市大矢部にある放課後等デイサービス。障害をもつ小学生から高校生が利用でき、平日は放課後14時から18時まで、学校休業日は10時半から16時半まで対応。
子どもたちの生活力の向上、自立支援から集団生活への適応訓練、役割をもった活動等を継続的に行い、社会参加や放課後の居場所の確保・提供を行っている。
関連記事>>【取材File】完全バリアフリー、介護のノウハウを生かし重症心身障害児の受け入れに光!放課後デイサービス いちごいちえ[㈱Ichigo]

デイの時間の中で、お風呂のサービスをしています

佐藤さん もともと働くお母さんのためにというところがスタートにあるので、うちは放課後デイの時間の中でお風呂のサービスをしています。

横須賀市からは「何でそんなリスキーなことをするんですか」と反対されたんですが、ここでお風呂に入っておくことで、お家に帰ってからやることがひとつなくなって、その分、お子さんと過ごせる時間も増えるかなと思いますし、実際に事故もないです。

障害があるからという話ではなくて、やっぱりその子自身をしっかりと見ていれば怪我は回避できることが多いんです。

なので、

  • 子ども自身の場所であること
  • お母さんたちにも支援ができたらいいな

というところを大切にお子さんの支援をやらせてもらっています。実際、とても楽しいですよ。

障害種の分け隔てなく、みんな一緒。それで見えてきたこともあります

佐藤さん 大人になると障害種別に分けられて生活したり、活動したりすることが多いと思いますが、放課後デイは別に分けなきゃいけないという決まりはないので、障害種の分け隔てなくみんなが一緒に!というのをやりたかったんです。

そうしたら、自閉症で他害がある子が、肢体不自由の子に対してはそれをやらなかったんです。その子に対しての関係性ってすごくあって、それは彼らなりにわかっていて人を選んでやっているんだってことが見えてきたんですね。

それから知的障害の子が肢体不自由の子に物を渡してあげたり、優しくしたり…。そんな場面もあったりするので、子ども同士の信頼ができて、成長していくんじゃないかなと思います。

健常の子たちと放課後も一緒に過ごせる場所がもっとあったらいい 

五本木 私たちも自分たちの子どもが障害児なので、そういう子どもたちと接する機会が今すごく多いんですけど、なんでしょうね、あの魅力。

もちろん子どもはみんな可愛いんですけど、普通の子育てでは気付かなかったような成長の発見がいっぱい散らばって見えるというか。そういう子たちが普通に、健常の子たちと一緒にいる時間がもっと増えるべきだなぁって思います。

放デイが増えるのはありがたいんですが、本当は放課後も障害の有無で線を引かないで、一緒に過ごせる場所があったらいいなと思います。

「危ないからやらない」はナンセンス。怪我して学ぶのは健常児も障害児も一緒

秋津さん お母さんたちに聞きたいんですが、子どもって怪我をして学ぶじゃないですか。それって障害児も一緒じゃないですか。

怪我したらしたで「ごめんなさい。こういう状況で…」という部分をしっかり伝えれば、もちろん怪我させた責任はありますが、でも、それで子どもはこうすると痛いんだなと学ぶ部分も大きいと思うので、危ないからダメって言ってやらないのはナンセンスだなと自分は思うんです。ただ、行政はそういうリスクを恐れるんですよ、「何かあったらどうするんですか?」って。

五本木 まだ子どもが小さい頃に、ひまわり園の先輩お母さんに聞いた話で当時衝撃的だったのが、

「障害児にだってちゃんと失敗させてあげて!守るばかりじゃないのよ、親は」

と言われたこと。すごく衝撃的でしたが、その通りだなってやっぱり思います。

秋津さん だから自分の責任で自由に遊ぶというのはまさにそういうことですよね。子どもって、そういうところから自然と吸収していくものだから、周りの人間が勝手に守ってしまうと無限の可能性もなくなっちゃう。

小幡議員 今のお母さんたちは、確かに公園とかでも「危ないからやめなさい」って言いますよね。私も子どもを連れて公園行くんですが、子どもたちが砂場とかで交流しようとしてるのにお母さんが入ってきちゃう。

なかなか見守るって難しい。失敗させてあげるってなかなかできないよなぁって。

五本木 難しいことではありますよね。だって明らかに「あっ、やるな!失敗するな!」と思っているのを見なきゃいけないっていう(笑)でもさせてあげないと学ばない。

・・・

安田さん ひとつ、やってほしいことがあります!子どもの小学校で流行ってるんですが、ベイブレード大会!

松田さん いいですね、面白そう!ぜひやりましょう!(笑)

talk-08 みなさんに聞きたい!入所施設のイメージってどうですか?

安田さん 7月26日で、昨年の痛ましい事件から1年を迎えようとしています。

新聞にも載ってると思いますが、現状の施設に戻るのかグループホームに入るのかと盛んに議論されています。

入所施設はいらないという声も結構あって、働いている立場としては入所施設自体を否定されたような気持ちになって悲しくなります。

当事者の声がどれくらい届いているかわかりませんが、お子さんだったら親御さんが声をあげるでしょうけど、入居されてる方って保護者が親から兄弟に変わっていく世代なので、なかなか声をあげられないのが現状だと思います。

客観的に見て、みなさんは入所のイメージってどうお考えですか。

入所施設には入所施設の役割があるはず

松田さん 私は入所施設は必要だと思います、もちろん。やっぱり色々な方がいるしいろんなニーズがありますので、今は地域でグループホームに入るべきと言われてますが、一概にそれが良いということではないし、入所施設の役割ってすごく大きいものがあると思います。

小野さん 地域ってそんなに万能なんですか?と思っちゃうところもあります。素人の意見になっちゃうんですけど。

秋津さん でも、それってまさにそうだと思うんです。県の施設というと横須賀地区だと三浦しらとり園さんがありますが、指定管理で民間になってからもそのまま事務局を受けてくれてる。やっぱり、そういう基幹的な中心的な役割や入所施設にしかできない役割というのがあると思います。

Click here!】指定管理者制度とは?
それまで地方公共団体や外郭団体に限定していた公の施設の管理・運営を、株式会社を始めとした営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど、その他の団体に包括的に代行させることができる制度のこと。

働く人が突然いなくなったら?そこはやっぱり行政が責任を持って欲しい

秋津さん ただ、三浦しらとり園が指定管理となって、県の職員が運営から抜かれたことによって、その機関としての役割を担わない可能性もあるんですよね。

人が足りなくて受けられないという状況で、そこである程度、半分でもいいから県が民間と共同運営をして、最低職員の数を公務員で確保する、そうしないと安心安全は保障できないじゃないですか。

いくら指定管理でも民間でやってる以上、いつ職員がボイコットしていなくなっちゃうかもわからない、福祉業界で働く人がいなくなったら利用者さんたちはどうするのって。

今は病院だって指定管理になって、市立という看板は掲げているけど、人がいなくなっても行政は何もしないと思うんですよね。委託料を払って任せてるからって。

そういうのって、すごく他人事だと思う!やっぱり福祉や医療というのは、国やら県、行政がある程度責任持たなきゃいけない。消防や警察を指定管理にしないのと同じですよ。

必ずしも「グループホーム=地域」ではない!

小野さん 私、もともと施設で働いていたのでわかるんですが、働いてる時はマイナスのイメージが強くて、施設に入ったら親が見ないで…と思っていました。

でも、実際に施設をやめて外の世界に出て行った時に、施設に入っている人は幸せなんだなって感じたんですよ、率直に。

何でかと言うと、生活が担保されているから。

在宅の人とか高齢の人とかを見てきたなかで、今の1日をどうやって生きよう…という人もたくさんいます。そう考えると施設は絶対に必要で、その枠を広げていくのにはすごく賛成。

グループホームと施設は、何が違うのかと考えると、ただ単にものが違うだけで、やってることは一緒だと思うんです。グループホームは地域というように、勝手に線引きしちゃってるのは私たちで、本来は平等にあるべきなのかなと感じます。

佐藤さん 私も施設にいたので、そこで働いているときにもっと周りに入所施設とか通所施設が何で必要なのかをちゃんとしたアピールするべきだったと思います。世間のみなさんに説明できていないというのは自分たちの課題だったのかなって。

中の職員は、「自分たち頑張ってるよね!頑張ろう!頑張ろう!」と言ってるんですけど、外に上手に発信できてなかったんじゃないかなと。

一般的なイメージでは、入所施設は近寄りがたいところかもしれない。でも入所施設だって地域になるわけだから、地域の方と何か取り組みができていればいいのかなって。

秋津さん うちの町内にある施設なんかは、町内の人がよく出入りしていて利用者さんとオセロやったりカラオケやったり、一緒に餅つきやったりしてます。グループホームよりよっぽど地域と関わりがあるかなって思います。

安田さん 障害者福祉計画ではグループホームは3つずつ増えてくことになってますが、人材難の中で3つのグループホームを作って定員4人だったら合わせて12人じゃないですか。

そこに夜勤も3人配置しなきゃいけないから、それだったら入所施設をひとつ作っちゃえば済んじゃうでしょという考え方もあるのかなと。

【Click here!】障害者福祉計画とは?
横須賀市では計画の基本理念として
「ひとりひとりの個性と命を大切にする」とあり、さらに目標として
「障害の有無にかかわらず、誰もが安心して暮らせるまちの実現」とある。
障害者が地域社会の一員として当たり前に地域社会に溶け込み、参加・参画することが重要であるという考え方に重点をおき考えられたもの。

参考/横須賀障害者福祉計画

安田さん 入所施設がひとつできると短期の問題も少し解決するのかなと思うんです、併設型の短期入所できるので。

でも今は作れないですよね。

松田さん 認可が下りないと思います、入所は。

秋津さん 行政が頑張って許可を出すかどうか…ですよね。

障害者施設の波が来るのは10年後!?

秋津さん 今は特別養護老人ホームがすごく求められていて、障害のほうは遅れてニーズがやってくるところを見ると、もしかしたら10年後くらいに障害者施設を!という波が来るのかな。

安田さん 特養を障害へ…ということも考えられるし、事業をやっていく側としては危機感があります。

佐藤さん 寝たきりの障害者とお年寄りの寝たきりの人と、何が違うの?というのは言われてます。

秋津さん 知的障害の方と認知症のご老人、さほど変わらないというかね。

安田さん 総合支援法を一回外さないといけない、それに時間が掛かるんですよね。

介護保険を取らないといけない…
1回在宅に戻さないといけない

という手続きがあるので、それを2本立てできちゃえばいいんですけど。

【Click here!】障害者総合支援法とは?
2013年に公布された、障害のある方もない方も住み慣れた地域で生活するために、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした法律。障害のある子どもから大人を対象に、必要と認められた福祉サービスや福祉用具の給付や支援を受けることができ、実施主体は主に市区町村、都道府県などの地方公共団体である。なお、3年を経過した時点で内容を見直すことになっており、2016年に法改正がされたため2018年4月より新たな障害者総合支援法が施行されることになっている。

当事者の親として、見学させてもらってすごく安心した!福祉の良さをもっと発信していけたら

五本木 私たちは、みなさんの施設に見学に行って、取材をさせてもらってすごく安心したんです。

他のいろんな事業所さんを見せていただいた時に「うちの子、ここまでできるようになるのかな」って正直、不安だった気持ちが、ヘーメットさんを見て、そっか何か生み出さなくてもいいんだ…って。こうやってのんびり1日過ごせるところがあると肩の力が抜けて、安心したので、私はなければ困るところだなとすごく思いました。

私たちの世代の保護者がこのことを知らないのはもったいない!と思うので、そういう部分を私たちが保護者目線で発信することで、マイナスなイメージを少しでも払拭できたらなとは思います。

松田さん 福祉って、全体的にすごく真面目な良い方が多いんですが、発信するのは苦手、下手なんですよね。だから、うちも本当にそうですが、横須賀もまだまだ福祉の良さというのを出せてないなぁと思うので、私たちはそういった所も勉強しながらやっていかないといけないですね。

talk-09 この際だから言わせて!行政に伝えたいこと

母子家庭や貧困、虐待…切実な現状をわかってほしい

安田さん 今、横須賀も母子家庭が多く、貧困率が高いと言われています。

短期入所を利用したいという方に理由を聞いたときも

「月曜日から日曜日までずっと一緒で、私がまいっちゃうから短期入所利用したい」

という親御さんもいて、結構切実なんですね。

うちも「どうぞ」って言いたいけど、定員の関係でなかなかそうもいかない。

虐待を受けている子も増えていて、今日はうち、明日は清光さんというように事業所を転々としているケースもあります。結局、落ち着くものも落ち着かないんですよね。

そんな現状を行政のほうでも、ちょっと気に留めておいていただけるとありがたいです。

子育てと障害の相談窓口が違う!どう連携していくかが課題

小幡議員 子ども育成部では、ひとり親の支援というのもやっていますが、障害福祉のほうは福祉部でやってるから、ひとり親の相談を受けるところと障害の相談を受けるところと違うというのが現状です。

それぞれは把握しているんですが、そこがクロスしてその課題を共通して持っているかといったら、多分そうではなくて、要は行政の枠組みでしかない。

この間、見学させていただいた逗子療育センターでは、福祉と教育と子どもを一緒にするという、本人を基準とした関わり方をしていてすごくいいなと思いました。

【Click here!】逗子市療育教育総合センターについて
逗子市の療育・教育事業の中心となっている施設。2016年12月に新しくスタートした『こども発達支援センター』では0歳から18歳までの療育相談のほか、児童発達支援・放課後等デイサービスも行っている。
また、『教育研究相談センター』では教育相談や適応指導教室『なぎさ』の設置、市民講座や教育研修を行っている。
関連記事>>【取材file】逗子市の療育事業とこどもセクションを教育委員会に一元化した構造改革に注目!0歳から18歳まで切れ目なくサポートする『こども発達支援センター』が新スタート!/逗子市療育教育総合センター

小幡議員 本人にとって、それから家族にとっても、本当に必要な支援ってやっぱり行政の枠組みをとっぱらっていかないと、うまくいかないのかなと

横須賀では今の現状、機構改革は近々にはできないので、今すぐにできる具体案としては職員たちの連携を進めるということしかないかもしれませんが、いずれはやっぱり垣根をなくして、いわゆる行政の縦割りなんていうのも、なくしていかなくちゃなと本当に思います。

サービスを受けるために、あちこちで同じ話を何度も…それじゃあ大変!

小幡議員 サービスを受けるための窓口もバラバラで、お母さんたちはあっちへ行ったりこっちへ行ったりしないといけないんですよね。

療育相談センターで話したことを児童相談所、教育委員会でまた話して、障害福祉課でも…って。市民からしたら同じ横須賀市なんだからなんで一緒にできないのというご意見がありますが、本当にその通りなんです。

加藤議員 ただ、何かをきっかけに他の分野のニーズが見えてくる職員は絶対いると思います。そのためにローテーションやっているわけですし。

だから、まずは市役所が一歩踏み出してみることに対して応援できる組織であってほしいなという思いがあります。

それが子どもに関わることだったら何でも!というところを出発点にして、障害を持っている方の気持ちがわかるようになったり、障害についてももっと踏み出してみるという熱意を持った職員がもっと育っていけるように。

その上で、利用者さんに負担がないように、何回も同じ話をするというような部分はなくしていきたいですよね。

土日に行政に電話が繋がらないのは不便!なんとかなりませんか?

秋津さん あと最後にひとつだけ。行政に対して思うことなんですが、障害福祉課って土日だと電話しても誰も出ないじゃないですか。でも、実際は福祉施設は動いている。

『Peace Color』でも、金曜日に緊急で利用希望の電話がかかってくることがあるんですが、「土日誰が看るの?何かあったらどうするの?」というやり取りになって、もし受け入れるとしたら、何かあってもわたしたちに丸投げ状態なんですよね。

病院だったらオンコール体制ってあると思うんです。

例えば、土日は緊急オペに備えてお酒飲まないとか、いつでも連絡を受けられるようにしておくとか。

行政でも、そういう事業所だけにでもいいから緊急用の携帯を回すとか、土日臨番で電話番をするとか…。自宅待機でもいいから何かあった時に動く体制を整えておいて、多少その職員に手当て上乗せするとか代休を与えるとか…。

小幡議員 たしかに今の時代、携帯がありますからね。児相ができてて、障害福祉課にできないはずはないんですよね。

秋津さん 医療は救急車があるけれども、福祉にはないじゃないですか。どうにもならない場合に、救急車まではいかなくてもそういう体制はあった方がいいかなと思います。

あっという間の2時間!みなさん、どうでしたか?

五本木 ありがとうございます。本当にあっという間にお時間がきてしまいました。でもすごくいろいろなお話が出て、私はものすごく楽しかったです。

松田さん もっと話したかったですね!

秋津さん いろんな行事の会議などで他の事業所の人に会う機会はありますが、こういう深いところまでの話はなかなかできないし、これだったら1日中、話題が尽きない!(笑)

松田さん 会議じゃねやっぱり繋がりは作れないですよ。やっぱ飲みですよ(笑)

一同 今度は飲みでやりたいですね!

後日、みなさんから感想をいただきました!


今日のような場が福祉の発展と人のしあわせをつくっていくのだと思います。
行政はじめ、ご家庭、社会福祉法人、株式会社などの私たちが団結しなければ横須賀の地域福祉は実現しないと思うのです!
私たちの横須賀、子どもたちの横須賀、動きだしましたね!この繋がりを広げていきましょう!

・・・


普段一緒に仕事をしている松田とも考えてみるとこのような話をする機会はあまりありませんでした。
他の事業所の方や議員の方を交えてお話できるというのは日常的には考えられません!このような場を提供して頂きとても感謝しております。
こういった企画が次に繋がるのかなと感じます。時間の関係で不完全燃焼ですので、次の開催楽しみにしております(笑)

・・・

楽しかったの一言につきます。
盛りだくさんの内容で、勉強になることもあり、1時間30分がアッという間に過ぎました。参加させて頂きありがとうございました。

・・・


在宅、施設それぞれに悩みや課題があることがわかりました。またご家族が福祉サービスを利用しづらい現状もあらためて伺うことができました。
専門職としての意見も伺うことができ、大変参考となりました。
相談支援事業に関して疑問視する声も挙がりましたが、それは大きな問題点として感じると共に大きな課題であるとも感じました。
実際の声を聞くことで初めて分かることも多くあります。そう言った意味でも大変有意義な時間であったと思います。
ハッピーサポート恵心では、計画相談の必要性や重要性を机上で訴えるだけでなく、実際にご利用頂く方々やサービス事業所様に、その良さや重要性を実感して頂けるよう尽力していきたいと思いました。営利法人としての機動力、俊敏性をフルに活かし今後も躍進致します。そしてこのような出会いが繋がりとなり横須賀の福祉の向上につながるといいなと思いました。

・・・


ご家族が考えている行政に対しての思い、相談窓口をはしごしなければならないこと、積極的に動ける人でなければ福祉の支援を受けることができにくくなっている環境など改めて感じることができました。
長年福祉サービスを受けている方々がいる中で、支援する事業所が増えないことで若い世代の方々に対して適切な支援が実施できていない現状も参加したメンバーが共有できた事は大きな収穫でもあり、今後自分たちが担わなければならないことを再認識できる機会になりました。地域で活躍されている施設の方々貴重な意見を聞く事ができ、大切な社会資源として活用できる機会がまだまだあるのではないのかとワクワク感も感じることができました。次回の開催に期待しています!

・・・


現場の方々の意見は当たり前ながら、リアルさが違います。私たちが制度等、知識でしかないものを日々運用している立場からの困り感、課題などを知ることができました。市がやるべきこと、やってほしいこと、民間でできること…。それぞれがちぐはぐにならないようにしていきたい、と思いました。市や国が理想をイメージし、制度をつくったところで、それが現場や本人らの想いとはちぐはぐになっていては意味が薄れてきてしまうな、と感じました。まだ課題が整理しきれていませんが、是非今後もこうした会を開催していただき、支援者の皆様の意見を聴く機会を得られたら幸いです。

・・・


横須賀市内の障害者福祉の第一線でご活躍される方々が、真剣かつ楽しそうに闊達な意見交換をされる姿が印象的でした。私は、皆様の意見に学び、部署の垣根を越えた連携をもっと生み出して、障害をお持ちのかたとその家族が暮らしやすい横須賀市をつくらねばと気が引き締まりました。

・・・

sukasuka-ippo代表・五本木愛の視点

今回は初の試みで、横須賀の福祉業界で支援のお仕事をされている同世代の方々にご協力いただき、このようなトークの場が実現しました。

得意としている分野は違えど、それぞれに志を持ち、皆さん熱い思いで福祉に携わっている方々。普段の会議などではここまでは話せない!そんな、想いをも共有できる企画になったのではないかと思います。

私自身の率直な感想を言えば、皆さん本当にお話が深く、私はうなずくばかり…頭もフル回転。もっと自分自身も勉強しなければならないと痛感しました。

そして、確かに色々な課題も見えましたが、

この先、どうやって繋いでいけば良いか?
どんな方法があるのか?

ということを参加者のみなさんがそれぞれの視点で前向きに意見を交わす姿が印象的でした。
色々な垣根を越えて議論できるこの企画。ぜひ、シリーズ化していきたいと思います!

2017.07

取材/五本木愛・misa・ゆかねこ
写真・加工/ゆかねこ・ゆっぴー
テープ起こし/misa・がらっぱち・kayoko・ハタ坊
文・構成/Kaneko Yuka
編集/takeshima satoko

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