横須賀中央駅から徒歩10分、はぐくみかん・4階にある横須賀市療育相談センター(以下、療育相談センター)は、横須賀市に住んでいる主に乳幼児期から18歳未満のお子さんに対して療育相談・診療を行っています。
そして、この療育相談センターの通園部門がひまわり園。支援の必要な幼児期(年少~年長)の子どもたちが通い、療育支援を受けています。
子どもだけではなく親も成長|
ひまわり園の療育支援で先生方から学んだ関わり方のヒント
この『療育相談センター・ひまわり園』の保護者会で、わたしたちsukasuka-ippoのメンバーは出会いました。
アンジェルマン症候群、ダウン症、自閉症、重症心身障害…、子どもたちの障害はそれぞれ違いますが、ひまわり園に子どもを通わせる中で、わたしたち保護者も自分の子の障害について理解し、先生方から関わり方のヒントをもらい、障害児の親として大きく成長しました。
でも、ひまわり園を卒園して小学生になると、ひまわり園の先生方と交流する機会はほとんどなくなってしまい、ちょっと寂しい…
そこで実現した今回の企画|
ひまわり園卒園保護者2名と当時の担任・越智先生とのTALK
今回のトーク企画を考えるきっかけになったのは、2008年にできたひまわり園を1期生として卒園したというつかさくんママとの出会い。当時担任をしてくれたのが越智先生だということで、同じく、越智先生にお世話になったsukasuka-ippoメンバー・reikoを加え、療育相談センター・ひまわり園に取材を申し込み、今回の企画が実現しました。
当時の園生活を振り返り、その後の成長報告など、自由にトークしながら、普段なかなか聞くことのできない先生の思いにも触れることができました。
どうぞ楽しみながらご覧ください!
TALK参加者紹介
越智勇介先生
療育相談センター ひまわり園
勤務歴○年
自己紹介コメントが入ります。
つかさくんママ
ひまわり園 1期生
2008.03卒園
つかさくんのお母さん
(愛称・つっくん)
市の3歳半健診をきっかけに療育相談センターに。診断名は知的障害を伴う自閉症。幼稚園と併行してマザーズ(ひまわり園の前身)に通い、卒園後、地域の小・中学校の支援級に進学。現在は養護学校高等部の1年生。2歳上と4歳上のお兄ちゃんがいます。ひまわり園ができた年に年長さんとして入園し、その時のクラス担任が越智先生でした。
reiko
ひまわり園 2016.03卒園
ナツのお母さん
ダウン症で生まれたナツは、現在養護学校小学部3年生。ニコニコ笑顔で繰り出すイタズラの数々に、母reikoは毎日奮闘。2歳下の妹ハナとはいいコンビ。ひまわり園には、年少から通園。1年間の週2回の親子通園を経て、年中・年長は週3回ひまわり園に通園し、残りの2回はこどもひろば風を利用していました。越智先生は年長児の担任で、地域小学校の支援級に行くか養護学校に行くかなど、就学についての悩みも相談させてもらいました。
思い出エピソードが止まらない!
当時の写真を用意してくれていた越智先生
今日のTALKを楽しみにしてくれていたという越智先生。
ひまわり園が開所した初年度に受け持ったという、つかさくんがいたクラスの思い出写真を用意してくれていました。
▲当時、つかさくんは「うみ」クラス。このクラス名は、今もそのまま残っています!
アルバムには、当時使っていた予定表や療育的な工夫も残されていました
子どもたちが見通しをもてるように、1日の予定を視覚的に並べた予定表は、開所当初は横に並べて掲出していましたが、より時系列を意識しやすくするために、先生たちが工夫して、並べる方向を縦に変えました。登園してすぐの荷物整理や絵カードの使い方なども、開所当時から少しずつ先生たちが工夫して、今のかたちになっているそうです。
動きが多くて大変だった幼少期のつかさくん、健診をきっかけに療育相談センターへ
つかさくんママ つかさは3人兄弟の末っ子だったので、お兄ちゃんたちと一緒に元気に走り回って遊んでいたのを、親としてなかなか多動とは気が付きませんでした。幼稚園に入ってすぐの市の健診で療育相談センターに繋げていただいて、初めは親子で週1回のくじら教室に通うようになりました。
全10回のくじら教室を終えて、ひまわり園の前身であるマザーズに入園。もともと通っていた幼稚園と併行して、年少~年中の夏までは週2回、年中の秋から年長にかけては週4回通いました。
「ひまわり園」になったのはつかさが年長に上がる時で、ひまわり園の卒園児としては1期生になるんですよね。
越智先生 僕はひまわり園の開所と同時に赴任し、今年で9年目になりますが、ひまわり園で初めて担当したのがつかさくんのクラスでした。
開所当時、先生たちは試行錯誤の連続。「とにかく必死でした!」
越智先生 開所した当時の園内は、今のように仕切りや遊具がなかったので、だだっ広くて、子どもたちは四方八方行きたい放題でした。
つっくん(つかさくん)は、当時、走り回るのが大好きだったので、いろんなドアを開けて中に入ってみたり、テラスに出たり、階段を上って別のフロアに行ってしまったこともありましたね(笑)。
追いかけっこの延長で楽しいのはわかるけど、行ったらいけない場所は「×(バツ)です」と教えたりしていました。
座っていることが苦手だったつっくん。そこで思いついたのは…
越智先生 1日の始まりとして、あいさつや歌、今日の予定を話す『朝のあつまり』の時間があるんですが、つっくんは座っていることが苦手でしたね。
なので、『朝のあつまり』を楽しくしちゃおう!と思って、ギターを弾いて、みんなで歌ってみたり、子どもたちの好きな遊びを取り入れてみたり、色々な工夫をしました。
でも、つっくんはつっくんで、『朝のあつまり』の間、自分の好きなことをやっていて、時折、「先生、見て!見て!」とこちらにアピールしてくるんですよね。そんな時、僕は、つっくんのアピールにはあえて無反応を貫いて、『朝の集まり』の活動の楽しさをつっくんに見せるように意識していました。
だから、つっくんが『朝のあつまり』にちょっとでも興味持ってくれて、椅子に座った瞬間、心の中で「よし!」とガッツポーズ。
「座れた!えらい!」とすかさず褒めて、とにかくつっくんとの関係をつくるためにいろんなことを試しました。
当時は、親御さんもお子さんも、そして私たちも、みんな必死でしたよね。
無理だと諦めていた外食。地道に体験を積み重ね、家族みんなで食事ができるように
つかさくんママ そう、あの頃のつかさは本当に長い時間、座っていられなくて、当時は外食も諦めていました。だから、つかさのお兄ちゃん2人には、「なんでつかさとは一緒に行けないの?」と寂しい思いをさせていたんです。
「家族みんなでご飯を食べたい!」というお兄ちゃんたちの声に後押しされて、ファミレスに挑戦
つかさくんママ 最初は、私と主人とつかさの3人でファミレスに行き、とにかく体験を重ねました。
最初はアイスと飲み物だけ頼んで、食べ終わったらすぐ帰る、を繰り返して、少し慣れてきたら、次はうどんにチャレンジ。
そうすると、少し滞在時間が伸びて、食べている間は座っていられるようになった。それが、今度はハンバーグになって、から揚げになって…。「ここは美味しいものを食べられる場所」とつかさ自身が理解するようになると、ファミレスから脱走することはなくなりました。
そんな積み重ねの結果、家族で外食ができるようになって、一番喜んだのはやっぱりお兄ちゃんたちですね。諦めず挑戦してみることの大切さを実感しました。
初めての外出プログラム。先生の一言が、一歩踏み出すきっかけに
つかさくんママ くじら教室の活動の中で、外に散歩に行きましょうというプログラムがあったんですが、それを聞いたとき、つかさみたいにいつも走り回っている子には絶対無理!と私は思いました。
もし、手をふりほどいて道路に飛び出してしまったら…どこかへ行ってしまったら…という不安があったので、ひまわり園に「うちは、行きません」と連絡をしたら、くじら教室の担当の先生が「私たちは絶対に手を離しません!」「お母さんは後ろから歩いてくるだけで大丈夫!」と力強く説得してくだいました。その先生の熱意に心を動かされ、不安はとても大きかったのですが参加してみようと思えたんです。
散歩当日、つかさの両側に先生がついてくれて、言葉通りしっかりとつかさの手を掴んでいてくれました。それで無事、クラスのみんなと一緒にちゃんとお散歩することができて、遊具でも遊べたんですよね。その時、手のつなぎ方も教わりました。
越智先生 こんな風に手をがっちりロックするように掴むんですよね。(写真参照)
僕もこのやり方を受け継いで、実践しています。
つかさくんママ そうそう、そうでした!あのお散歩がきっかけで、「あ、先生に任せても大丈夫なんだ。つかさもお散歩できるんだ」と、気持ちが軽くなったのを覚えています。
そんなつかさくんも、今では1人で登下校できるように
つかさくんママ ひまわり園にいた頃のつかさは、片時も目が離せないくらい動きが多くて、先生にも本当にいつも走って追いかけてもらったりしていましたが、小学校・中学校と歳を重ねる中で、本当に落ち着きました。それを先生にお伝えしたくて、今回のトークをとても楽しみにしていました。
いつかは1人で学校へ行って欲しいという思いがあったので、つかさが中学校に上がったのを機に、学校に行く練習を始めました。
まずは家から中学校の教室までの道のりを、数十か所に細かく区切って、まずは家からここまで、電車に乗らなきゃいけなかったので次は駅前まで、それからホームまで…というふうに、ひとつのステップを本人が「大丈夫」って言うまで繰り返し、自信がついたら、少し距離を伸ばす。
学校に着いてからも、門から昇降口、次は階段…っていうふうに、とにかく細かく段階を区切って練習しました。
私としては、気長にやろう、と覚悟はしていたんですが、実際やってみたら意外とスムーズで、入学してその前期が終わる頃には「1人で行ってきます」と言えるようになりました。
とは言っても、順調に行けばよいけれど、やっぱりトラブルに遭った時の回避ができないことが心配で、毎日、こっそり学校までついていってたんですけどね(笑)
つかさくんママ 高校生になってからも、しばらくは登下校を見守っていましたが、私が体調不良で送り迎えができなくなった時期があって、思い切って1人で行かせたこともあります。 その時は何事もなくちゃんと行けたんですけど、やっぱりその日その日によって本人の気持ちや環境も変わるので、いろんな状況に対応できるようにステップをつくりチャレンジを続けています。
ここまで来れたのは今までの積み重ねがあったからこそで、親子で頑張って良かったし、その一番最初のステップはひまわり園にあったなと振り返るんです。
携帯電話ではなく、あえて公衆電話を使わせる!その理由は…
つかさくんママ そうやって1人で登下校できるようになったので、学校が終わったら「今から帰ります」ということと、「今○○にいます」という居場所を、近くの公衆電話から電話してもらってます。居場所を伝えられることってとても重要で、習慣にしておけば、何か困ったことがあってパニックになっても、「どこにいますか?」と質問したら自然と答えられるようになるんじゃないかと思うんです。
携帯ではなくて公衆電話を使わせるというのも、やっぱり災害時や何かあった時に公衆電話を使えないと困るなと思うから。携帯電話は、家でいくらでも練習できるので、今はテレホンカードや10円玉を持たせて、あえて公衆電話から電話をかけられるように練習しています。
保護者の気持ち|
体が大きくなるにつれて、気になることがたくさん…
好きの種類、人との距離感が難しい!
つかさくんママ 子どもが高校生になった今、難しいなと思うのは、人との距離感をどう教えるかということ。
小さいころなど、お友だちや家族で手をつないだり、スキンシップをとることが大切な時期はあるけれど、小学校高学年にもなると、周りの子どもたちも距離感を意識しだして、そのまま思春期まっさかりの中学生・高校生になっていく。
では、ちょうどいい距離ってどれくらいだろう?ということを、つかさが小学校の時に、先生やお友だちといろいろ試してみたことがあるんですよね。
越智先生 昨年度、僕が担当したクラスでは、保護者の方から同じような要望があって、いわゆるパーソナルスペースの学習を取り入れました。
越智先生 目安としては、60センチくらいかな。一言で60センチといっても、子どもたちにはわかりづらいと思ったので、その時、クラスの子どもたちが好きでよく遊んでいたレゴブロックを使って、「このくらいだったらお友だちはびっくりしないよ」とか、距離に合わせた声の大きさだとかを教えました。できなきゃだめだよ、というものではなくて、ひとつの理解として…。
好きな相手に対しての「ちゅーちゅー」…どうする?
reiko うちのナツは、今、養護学校の小学部の3年生ですが、ちゅーちゅーがすごいんです!私にはもちろん、学校の女の子にもやっちゃう。先生も、「握手にしよう」とか、色々な伝え方や方法を考えてくれていますが、なかなか治らないですね~。でも、今はまだかわいいけど、大きくなったら困りますよね。
越智先生 やっぱり「身内には良くても他の人はだめだよ」とか、相手によって関わり方や距離感が変わることを伝える必要もあるけれど、実際、どう伝えるか、どうすれば伝わるかを考えると、とても難しいですよね。
つかさくんママ 中・高生になると、お付き合いが始まるお子さんもいると聞いています。好きな子に対しては近くに行きたいという思いを抱くのは当然のことですが、相手のほうは、クラスメイトのひとりとして仲良くしてくれていたりすると、それが異性としての「好き」なのか友だちとしての「好き」なのか、本人には違いがなかなか理解できなくて、適切な距離感をとれないこともあるようです。
越智先生 たぶん、マルなことはしっかり褒めて、バツなことはちゃんとだめだって言えるけれども、△なことはどう伝えていくかっていうのが、成長の段階で、これからどんどん出てきますよね。あいまいなことって、形で見えないですからね。
体の変化に戸惑うのは、親も子もおんなじ
reiko うちはまだナツの大人になった姿っていうのは、なかなか想像できないんですけど、中身は子どものままでも、体や見た目はどんどん大人になっていくじゃないですか。例えば、髭が生えてきたり、毛が生えてきたりとか…。そういう変化に対して、子ども自身はどう思うのかなって想像してしまいます。たぶんビックリしますよね。
つかさくんママ 親もそうですけど、本人もやっぱり違和感があるんだと思います。例えば、自分で毛を剃ってしまうような場合、「これは体を守ってくれる大事なものだよ」と教えてあげたり…。
越智先生 体の変化に本人たちも葛藤しながら、「こういうものなのか…。でも不安…」っていう気持ちですよね。
つかさくんママ 体の変化は気付いた時にはもう始まっていて、心が追い付かないことが多いですよね。だから、大きくなった時のことを考えて、例えば、トイレで全部は脱がないんだよ、というようなことを習慣にしておくって、実は大事ですよね。
reiko トイレのマナーもそうですが、男の子の育て方って、母親にはわからないところがたくさんありますよね。男の担任の先生がついてくれることで、自然とマナーみたいなものが身に付いたらいいな。
卒園してから3年、ナツはあんまり成長していない気がするのだけど…
reiko こうしていろいろお話を聞いていると、子どももいろんなこと感じたり考えたり、周りから聞いてくるようになるんだってびっくりしました。うちのナツは、卒園してからまだ3年、何も変わってないような気がしちゃう。
つかさくんママ 今のように落ちついたつかさの姿は、以前は全く想像できなかったですよ。久しぶりに会うヘルパーさんとか、小さい頃のつかさの様子を知ってる方とかは、「信じられない!」って言っています。私自身、この子は、大人になってもずっと走り回ってるんだろうな、と思ってたし。
reiko うちは、小学生になって、数字とかひらがなを読めるようになったとか、自分の名前を書けるようになったとか、そういう成長は感じるけど、イタズラするところは全然変わってない!(笑)
越智先生 ナツくんは、卒園前と比べると、伝えることが上手になったなと思いますよ。こちらのアクションをちゃんとわかってくれるようになったし、反応を返してくれる。でもキャラクターとしては変わってないから、そうやってイタズラが好きだったりっていうのはあるんでしょうけど。卒園して3年、きちんとお兄さんの顔になってるなと思いました。
ナツをひとりで留守番させていた時、成長を感じさせる出来事が!
reiko そう言われてみると確かにナツも変わったかもしれません!この間、妹を幼稚園に迎えにいくときに、ちょっとの間ナツを家で留守番させてたんです。
その間に電話が鳴ったみたいで、私が帰宅すると、ナツが「でんわ。○○せんせい!」っていうから、「本当かなぁ?」と思って学校の先生にかけてみたら、「電話しましたー」って。ちゃんと伝えてくれたんですよね!些細なことなんだけど、すごいなと思いました。
一同 成長ですね!
つかさくんママ うちは玄関のチャイムが鳴って、出ちゃったときがありました。電話もそうだけど、本人が出たい!と思う時期があるんですよね。「もしもし」って言いたい、でも、実際は出なくていいものもあるから親としては嬉しいのが半分、ちょっと困るなというのが半分。
越智先生 そういう生活スキルに対する好奇心も、成長の中では大事ですよね。
子どもの一番の理解者はお母さんたち。療育のヒント、たくさんもらっています
reiko ひまわり園に通って、私たち保護者も先生たちといろんなお話をする中で、障害のある子どもへの声掛けの仕方・関わり方など子育てのヒントをたくさんもらいました。
ひまわり園のおかげで、障害児の親としてすごく成長できたなって自分でも振り返るんですが、越智先生から見て、年少で入ってきたお母さんたちと、年長で卒園していくお母さんたちで、何か変化を感じますか?
越智先生 ひまわり園では、年少さんは親子通園をしてもらうほか、途中入園される方もお子さんが慣れるまでは親子通園をしてもらっています。やっぱり、親子でひまわり園に通ってもらう中で、最初は「とにかく大変!」と悩んでいらっしゃるお母さんも多いと思います。
なので、僕としては、お母さんの日頃の困りごとを聞いたり、お子さんの様子を保護者の方と一緒に見ながら、どんな関わり方がいいかをたくさん話すようにしています。
それによって、単独通園という次のステップになったときに、お母さんたちが「ああ!やっと単独通園だ!」と、お子さんに付きっきりの生活からひと時、開放されたような気持ちになれたり、同時に、初めてお子さんと離れる時間だったり、ひまわり園にお子さんがいる見えない時間が不安で手放しには喜べない気持ちも、保護者の方にはあるんだと思います。
だから、参観日や季節の行事でひまわり園に来てもらい、お子さんがお母さんから離れてどんなふうに過ごしているかを見てもらう機会をつくりながら、お子さんの成長や、新しい発見を共有して、「この子にはこういうことができるんだ!」と思ってもらえたり、逆に「先生、これはこうしたらどう?」というアイデアをもらうこともあります。
僕たちが子どもたちとの関わり方を勉強している以上に、お母さんたちはもっと深く考えているし、勉強しているので、僕らは、常に追いかけていかなきゃなと思っています。
ママたちの率直な質問|
「子どもたちとの関わりの中で、いやになっちゃうことはない?」
reiko こんなこと聞くのもあれなんですけど…、子どもたちがあまりにも言うことを聞かないと、「もうやだ!」ってならないんですか?私は、ものすごくあるので…
越智先生 自分の子どもには思いますよ。イライラもするし、「何やってんのよ」って怒ることもあります。
でも、ここで預かるお子さんに同じようにしないのは、自分は親ではないからだと思います。どうしてこういう行動なんだろう、何か理由があるんだろうな、というのを常に考えるように心がけてますね。
もちろん、全くイラッとしないかって言われたらゼロではないんですけど。「あれ?」と思った時に、こちらの関わり方とか工夫が足りなかったのかなと思って、自分の在り方を見直すきっかけにしています。
reiko 親なら怒っちゃうところを、先生たちは全く怒らずに、子どもたちにダメを伝えていて、それが入園したばかりの時はとても不思議でした。でも、先生方の子どもとの関わり方を見て、大きな声で怒るだけじゃ伝わらない、原因を探してそこにアプローチする関わり方などを親として学べたなと思うし、色々なことを質問して、それについて一緒に考えてくださって、ありがたいなぁと思います。
越智先生 親だから親の関わり方でいいんじゃないかなと思います。感情的にもなるだろうし、理不尽でも、そこに愛があればいいんじゃないかと僕は思います。とにかく子どもたちはみんな、それぞれかわいいです!
reiko 確かに子どもたち、かわいいですよね。障害児の親になって、大変なこともあるけど、楽しいこともいっぱいあるし、できなかったことをできたときの感動は大きいなと思います。
越智先生 お母さんたちを見てると、育児を楽しんでいたり、お子さんと積極的に関わろうとするそのスタンスが素敵なんですよ。そこは保護者としての先輩だと思ってます!
最後に一言ずつ、お願いします!
つかさくんママ 卒園式や卒業式など節目を迎えると、やり切った感もあるけれど、次のステップに移ることを考えると不安感でいっぱい。新しい場所や環境は、子どもにとってはもちろん、親である私にとっても苦手なこと。でも、こうして昔を振り返りながら、成長についてお話できる機会があって、「親子で頑張ろう!」と初心に戻れました。
reiko 今日、お話を聞いていて思ったのは、先生は子どものこと、親のこともすごく覚えていてくれているんだなって。毎年、入れ替わりでいろんなお子さんが来るのに、こんなに覚えてくれてるって嬉しい!ひまわり園の近くに来たら、ナツと一緒に顔を出して、成長を報告したいと思います!
越智先生 お母さんたちがたまに来て近況報告をしてくれるのは、僕たちもとても嬉しいです。自分が関わっていた頃のお子さんの様子とまた違ったところが出てきたり、今回は公衆電話でテレホンカードを使うという話を聞いて、そういう生活スキルって必要だよなという発見もあったので、これをまた療育に生かせるんじゃないかと思います。勉強になりました!
▲対談後、ナツくんと妹のハナちゃんが対談中に遊んでいたおもちゃを片付けながら越智先生とひとときの交流。
▲左からreiko、ナツ、ハナ、越智先生、つかさくんママ、五本木愛
越智先生、楽しい時間をありがとうございました!
・・・
2018.06
参加|五本木愛・reiko・takeshima satoko・ゆかねこ
撮影|takeshima satoko
写真加工|ゆっぴー
文・構成|YukaKaneko
編集|takeshima satoko
sukasuka-ippo
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