取材File

【取材File】完全バリアフリー、介護のノウハウを生かし重症心身障害児の受け入れに光!放課後デイサービス いちごいちえ[㈱Ichigo]

投稿日:2016-04-25 更新日:

いちごいちえのフロア

2016年2月にオープンしたばかりの『いちごいちえ』は、横須賀市内の児童デイサービスの中でもかなり特化したデイサービス。

sukasuka-ippo(すかすかいっぽ)では、事業所を取材する際に毎回かならず重症心身障害(重心)のお子さんの受け入れについて質問するようにしているのですが、元々、老人の介護デイサービスをしていた建物とノウハウを児童デイサービスに生かしているこちらでは、既にそのようなお子さんの利用があるというお話を聞いて心底驚きました。設備もじっくり見学してきましたのでご紹介します。

こちらの記事をギュギュっと凝縮したPDF版はこちら(印刷もできます)>>>【取材File.06】放課後等デイサービス いちごいちえ

 

現在はどんな方が利用しているの?

小1から高1までの20名ほどの契約があり、その9割が養護学校(武山、岩戸、市立、筑波)に通う子供たちです。

その中で重症心身障害(重心)の子が7~8名、あとは自閉症のお子さんが多いです。

重心にしては軽いし、知的にしては重いというお子さんも何人か利用していますが、実はこういうお子さんは他になかなか行き場がなくて、最終的にこちらにご相談に来られることが多いです。

取材メモ

・契約については、基本は曜日固定での契約になりますが、長期休暇のみの利用など利用者の希望にも相談にのってくれます。
・2016年4月現在の利用は、平均して6,7割程度。火曜日と土曜日に若干の空きがあるとのこと。
・現時点ではだいたい6、7名のお子さんに対して、4名のスタッフで対応していますが、今後はお子さん10名に対し5、6人のスタッフで対応したいと考えているそうです。

浴室にはリフトも完備。他にはない入浴サービス

浴室にリフトも完備、入浴サービスも提供

他の児童デイサービスにはない独自のサービスとして、こちらでは入浴サービスを提供しています。

実際、入浴というのは提供する必要のない部分ではありますが、ここがもともと介護施設だったためリフトだってあるし、リフトを必要とするお子さんはご家庭での入浴も大変だろうという困りごとに対して、自分たちがやれることをさせていただこうという思いでサービスに加えました。

実際に利用しない方でも、「いざとなったらお願いします」とおっしゃっているので、ご家族の方の安心感にもつながっているかなとサービス提供の意義を感じています。

そして、そのほかにも子供が入浴を済ませて自宅に帰ることで家族の負担がひとつ減り余裕が生まれたらいいなという思いも込められています。

その他、知的障害や自閉症のお子さんついては水遊び感覚でお風呂の時間を楽しんだり、肢体不自由のお子さんも浮力が生まれるので、足をゆらゆらして楽しんだりする様子が見られます。

取材メモ

・この入浴サービスは1回100円でご利用いただけます。
・広い脱衣場にはスロープがありバキーのままでも移動可能。
・上から吊るされたカーテンで周りから見えないようにする工夫もされていました。
・お風呂上がりには清潔なタオル、ベッドがあり、着替えができるようになっています。

ベッドやカーテンも設置

医療的なケアや送迎については課題も…

医療的なケアが必要な重心のお子さんの受け入れについては、ナースの手を借りて実現できるよう準備を進めています。

ただ、同一空間に色々なお子さんがいる中での重心の子の引き受けはやはりリスクが高くなってしまうので、このあたりは次の課題。

医療ケアが必要な子の一時預かり(レスパイトケア)についても、ナースを入れることで痰の吸引が必要なお子さんを短時間でも受け入れられるよう、真剣に考えていきたいと思います。

現時点では養護学校の送迎が中心、支援級は応相談

また、送迎についてもまだ100%ではなく、現時点では養護学校への送迎は行っていますが、支援級については終業時間が養護学校と大きく違うことが多いため、要相談という形をとらせてもらっています。また所有する車の関係で座位保持ができる子に限定。それができない子は移動支援等を利用してもらっています。

 

利用者の希望とスタッフの熱い思いがこれからの『いちごいちえ』をつくる!

「当事者や保護者のニーズを聞きながら、ゆくゆくは今の子どもたちが大人になっても安心して就労し、生活ができる場を作りたいという夢があります。」と語る取締役の佐藤貴幸さん。

某通所更生施設の立ち上がりから10年間務めたのち、老人介護の道へ。その後、会社を立ち上げ、この場所でお年寄りのデイサービスを始めた佐藤さん。そのデイサービスが事業拡張のため移転、跡地となったこの場所で仲間と一緒に考えたのは、「原点に戻り、障害児のために何かできないか」ということ。そして、この2016年2月にオープンしたのが『いちごいちえ』です。

あえて目標を描かず白紙からのスタート。「環境が許すなら、どんなことでもやっていきたい!」という言葉が熱く響きます。

いちごいちえの広々トイレ

▲車いすでも楽々、広々としたトイレ

絵カードでコミュニケーション

▲視覚的にもわかりやすい絵カードでコミュニケーション

・。1日の流れ[放課後デイ]・。

14:00 事業所到着……始まりのあいさつ
健康確認(体温・血圧・脈拍等測)
14:15 準備体操・運動のプログラム
15:00 おやつ……入浴(希望者のみ)
15:20 遊びの時間、創作活動
16:30 歌と音楽のプログラム
17:00 個別課題や宿題への取り組み
17:45 帰宅準備……終わりのあいさつ
18:00 帰宅開始

取材メモ

・学校の終業時間に合わせて、お迎えや開始時間は前後に変動します。例えば、午前授業のときはその時間に学校までお迎えに行きます。
・ 帰りの時間もご希望に応じて配慮してもらえるそうです。
・学校休業日は開始時間は10:30となり、午前中にレクリエーションを入れたり、日によってはお買いもの体験などを計画しています。
・土日祝日など、昼食が必要な日は給食(お弁当1食350円)の提供もあります。近くのお弁当やさんに朝注文し、お昼に配達してもらっているそうです。みんなで同じ食事を楽しくすること、また栄養をきちんと取れるように配慮したサービス。もちろん、持参しても大丈夫。
・またおやつの提供もあり、こちらは1日150円とのこと。

いちごいちえで提供されるミキサー食

▲ミキサー食が必要な子供のためには食べれるようにスタッフが処理をしてくれます。

いちごいちえの基本情報

放課後等デイサービス いちごいちえ
株式会社Ichigo

いちごいちえの外観

〒238-0024 横須賀市大矢部2-7-10
TEL / 046-876-8621
mail/ info@hokago-ichigoichie.net
詳しくはホームページで(外部リンク)>>> www.hokago-ichigoichie.net

定員 / 1日最大10名
利用対象/横須賀市在住の障害を持つ小学生~高校生
営業日/月曜日から土曜日(祝日営業)
お休み/日曜日・お盆(8/13~16)・正月(12/29~1/4)
利用時間/放課後14:00~18:00 学校休業日10:30~18:00

sukasuka-ippo隊長・五本木愛の視点

もともとお年寄りのデイサービスとして利用していた建物を改修しているため、車椅子でも安心のバリアフリー。他にはない入浴サービスもリフトが完備され、まだ課題はあるものの重症心身障害(重心)の子の受け入れが十分にできる環境であったことは、かなり衝撃的でした。

今後、ナースを入れて、医療行為のあるお子さんの受け入れもできるように頑張りたいというお話を聞き、それもかなり現実性が高いのでは?と期待が持てました。このような特化したサービスの背景にはスタッフのこれまでの経験が大きく生かされています。

ここから重症心身障害(重心)の子のデイサービスの利用が、そしてゆくゆくは医療ケアが必要な子の一時預かり(レスパイトケア)がもっと気軽に利用できる環境づくりが大きく前進することを願って!

 

sukappo取材ファイルvol.06
取材日/ 2016.04.19
取材/ 五本木愛・misa・reiko
編集/ pototon

-取材File
-,

Copyright© sukasuka-ippo , 2018 All Rights Reserved.