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【取材File】陽当たり良好、安全に配慮した広々とした一軒家で療育を目的とした放課後を楽しもう!放課後等デイサービス『きっずはんど』

投稿日:2016-05-02 更新日:

きっずはんど

横浜市金沢区に2016年にできた放課後等デイサービス(以下、放課後デイ)『きっずはんど』に伺ってきました。

一軒家を利用している点や横浜市と横須賀市(追浜地区)等の利用を見込んで設立されたという点など、注目ポイントはありますが、今回の取材では横浜市金沢区の現状についてのお話も衝撃的でした!

横須賀市ではだいぶ浸透している障害児向けの放課後デイについて、金沢区では養護学校のお子さんを除き、保護者の方にも放課後デイとは何ぞやというところから周知が必要なくらい、浸透していないのが現状とのこと。このあたりについてもじっくりお話を伺ってきました!

この取材記事をA4サイズにギュッとまとめたPDF版(印刷も可能)はこちらから!>>取材File.07 放課後等デイサービス『きっずはんど』

もともとは訪問看護、その後、障害児向けの放課後デイの世界に

もともとは訪問看護の仕事に関わっていたんですが、ある時、横浜市青葉区のある障害児向けデイサービスに遊びに行って、初めてその世界を知り、以来、ずっと興味を持っていて、定期的にお手伝いをさせてもらったりしながら関わってきました。

また高齢化社会に向かう現在、高齢者向けの事業所は自然に増加することが見込まれますが、障害児の放課後デイについてはまだまだ数も足りないし、誰かがやらなくちゃいけないなと。それがこの放課後デイを始めるきっかけになりました。

いちばん大事にしているのは『安全!』

放課後デイをやるなら、広々とした一軒家で「おかえり!」と子どもたちを迎えられる温かい放課後デイにしたいと思っていたので、物件探しの段階からかなりこだわりました。実際に色々な物件を見て回った中で、私たちの考える広さや簡単にキッチンにはいれない造りになっているかなど、安全性をクリアする物件を見つけるのは結構大変でした。

アットホームな空間が魅力!きっずはんど

また、高齢者の施設についてはバリアフリーの基準が厳しいんですが、この放課後デイについてはまだまだ甘い。だから安全面については、自分たちで厳しく基準を設けて、むき出しの窓がないようにガードを付ける、男の子も使いやすいように立ち便器もつけるなどしっかり整備しました。

ガラス窓はすべてカバーをつけて安全に!きっずはんど

そのほかにも、住宅地の真ん中の一軒家でこういうことをやろうとするとやっぱり近隣の方の理解がなければ成り立たないということがあるのですが、ここは幸い近隣の方々にご理解いただいて温かく見守ってもらっています。

広々アットホームな一軒家。きっずはんど

陽当たり良好で公園も近い一軒家!ということでアットホームな雰囲気で子どもたちを迎えられるようにこだわりました。

 

学童の利用が多い横浜市。一方、放課後デイについては…

また、横浜市では、小学校ごとに在学児童が誰でも利用できる『はまっ子ふれあいスクール』や『放課後キッズクラブ』などがあって、多くのお子さんがそこを利用しています。放課後デイの周知が進まないという状況の中では、軽い自閉症のお子さんや知的な遅れがあって配慮が必要なお子さんも、みんなそちらを利用することが多いようです。

一方で、受け入れ先でもそうしたお子さんの対応に戸惑うケースがあったり、お子さん自身も居心地が悪かったりすることもあるというお話がときどき耳に入るのですが、そういうお子さんに関してはわたくしどもとしてはやはり療育というきちんとした目的がある空間で過ごしてほしいなという思いがあります。そのためにも放課後デイの利用がもっと進むことを願っていますし、そもそもの話で、やはり放課後デイという選択肢があることをもっと保護者の方に知ってもらえたらいいなと思っています。

「放課後等デイサービスってなんですか?」

実際、こちらを利用されている方の中でも、利用のきっかけはスタッフ募集の求人を見て「放課後等デイサービスって何ですか?」と問い合わせをくださったところからだったりするんです。そう、放課後デイっていう言葉自体もご存知ない保護者がとても多いんです。

そのお問い合わせをくださった方には、まずは放課後デイについてのご説明や受給者証の取得などの流れや制度面のお話から始めて、ご事情に合わせて受給日数などの調整のサポートもさせていただきました。実際、お子さんが通うようになって「子どもが明るくなった!」という言葉をいただくと、あぁよかったなと。もっと放課後デイが周知されるようになるといいですよね。

発達障害・知的障害の就学生(小・中・高)が対象。しかし2016.04現在の利用者はなんと1名!?

『きっずはんど』は発達障害や知的障害のある小中高のお子さんを対象としていますが、前述のとおり、横浜市金沢区においては、放課後デイ自体があまり周知されていないこともあって、現時点での利用者は小学5年生の1名のみという状況です。(2016.04現在)

身体のお子様の受け入れについては、現時点ではそのあたりのノウハウがないので、多少なりとも動けるお子さんのお引き受けがやっとというところ。ただ、重心のお子さんの受け入れについて考えると、今は葉山ぐらいにしかない(2016.04現在/編集追記:身体のお子さんについては2016年2月にオープンした大矢部の『いちごいちえ』でも受け入れ可能)ので、将来的には当然、やっていかなくちゃいけないなと思っています。ただ、医療行為が必要となると、それなりの設備が必要になってくるので、やっぱりすぐにというわけにはいかないですよね。

金沢区全域のほか追浜・田浦地区の方も大歓迎!

送迎の範囲はここから車で往復30分以内を想定しているので、金沢養護や追浜も圏内です。

というのも、当初は横須賀での開設も検討したんですが、横須賀は障害児向けのデイサービスがすでに十数箇所あって、結構、充実しているんです。一方、金沢区というのは今増えてきてはいるんですがまだ6ヵ所ぐらい(2016.04現在)で金沢区の人口に対してはまだまだ少ない。そこで金沢区を拠点にして、横須賀でも放課後デイが少ないと聞いていた追浜・田浦地区のお子さんも受け入れられるようにするのが良いのかなという結論に達しました。

実際に、事前リサーチで横須賀市の武山養護学校に伺ったときにも、やっぱり横須賀だと鴨居と追浜の方が利用しやすい場所に放課後デイがないんですというお話でしたよね。

安全面を考慮して、かならず添乗をつけてスタッフ2名で送迎

送迎については、車が3台ありますので、基本的には移動支援を使わなくても対応可能です。

そして、これは安全面を重視する『きっずはんど』のこだわりなんですが、必ず添乗をつけて、スタッフ2名で安全にお子さまを送り迎えできるように体制を整えています。何人かのお子さんを一緒の車で送迎するケースでは、玄関先までお子さまを送る間、他のお子さんを残して車を離れることになりますし、青葉区の障害児向けデイサービスをお手伝いしていた時に、運転中に後部座席でお子さんが不意に動いてしまったり、車のヘッドレストを毎回、かじっちゃうお子さんを目の当たりにしたこともあって、添乗の必要性を強く感じているんです。

キッズハンド送迎車

 

お子さんひとりひとりの個性に寄り添う療育支援を!

保護者の方の思いやお子さんのために何をして欲しいかをリサーチして個別支援計画書も作っています。

特に平日は時間が短いんですけど、利用時間の30分だけでもたとえばひらがなを読んでほしいとかそういう希望に応じて個別に対応しています。その後の自由遊びでも、知的のお子さんだと自分の思いを言葉にするのがなかなか難しいというところがあると思うんですが、そういうお子さんに対しては言葉で伝えることを必要とする活動(連想ゲームやなぞなぞなど)を盛り込んで自分で考えて言葉にするようなことにつなげていけるようにするなど、お子さんの特性や個性に合わせた目的を盛り込んだ活動ができるよう、常に意識しています。

横浜市では、前述の通り、誰でも利用できる放課後クラブ(学童)があって、そちらを利用されている障害をお持ちのお子さんも多いのですが、わたしたちはひとりひとりの個性に合わせた療育支援を行い、安心してお子さまを預けていただける放課後デイでありたいと思っています。

きっずはんど療育風景1

きっずはんど療育風景2

きっずはんど療育風景3

絵カードで流れを表示。きっずはんど

 

1日の流れ[放課後デイ/平日の場合]

14:00 到着…トイレ・手洗い・連絡帳を出す

14:30 集まりの会…みんなで元気にあいさつ

15:00 おやつ…みんなで仲良くおやつを食べる

15:30 お勉強…宿題・ドリル・ぬり絵・読書

16:00 集団活動…リズム遊び・創作活動・お散歩など

17:00 帰りの時間…トイレ・帰りの支度、送迎車でご自宅へ

▼ 土曜日は、10時ごろに到着。お弁当持参。
▼なるべく体を動かして、遊びながら学べるように活動を工夫しています。
▼みんなで材料を買いにいくところから、おやつや昼食を作るプログラムも企画。
きっずはんどお料理プログラム
▼現在準備中ですが、庭にフェンスを設置して夏はプールをしたり、ミニ菜園を作って、土いじりもしていく予定です。
ミニ菜園をしたりプールをしたり!きっずはんど

 

きっずはんどの基本情報

株式会社レスパイト
〒236-0033 横浜市金沢区東朝比奈3-12-27
TEL / 045-352-7560
FAX / 045-352-7565
mail/ kidhand@kb3.so-net.ne.jp
詳しくはHPで!>> http://kidshand.luftd.com

利用定員 / 1日最大10名
利用対象/発達障害・知的障害の就学児童(小・中・高)
営 業 日/月曜日から土曜日
お 休 み/日曜日・祝日・お盆・年末年始(12/29~1/3)
利用時間/放課後13:00~17:00 学校休業日10:00~15:00
利用料金/最大1割自己負担(1回700円~1,000円程度)

※厚生労働大臣が定める基準によるものとなり、利用料金の1割の負担となります。 (負担上限があります。)
※市区役所で発行される「児童通所受給者証」が利用にあたって必要となります。 詳しくは、お住まいの市区役所担当課にお問い合わせください。
※ おやつ代 200円 X 日数分がかかります。

sukasuka-ippo隊長・五本木愛の視点

今回、横浜市の金沢区にある放課後デイの取材をさせていただきました。

環境はとても良く、近くに公園もあり、一軒家ということもあって、子どもたちがのびのびと過ごせそう!というのが第一印象でした。放課後デイの少ない、追浜、田浦、船越近辺の支援級のお子さんには、通いやすい近隣に放課後デイができたのは朗報です。
それとは別に、残念ながら横浜市金沢区では、小学校支援級のお子さんの放課後デイ利用が全く浸透しておらず、せっかく良い環境でお子さんたちが放課後を過ごせる場所があるのに、なかなか利用に結びつかないという現実にかなりの衝撃を受けました。横須賀市内では、小学校に放課後デイのお迎えが来ているというのは当たり前によく見られる光景。子どもの様子やそれぞれのデイサービスが掲げる理念などでどこを利用するか悩むというのがありますが、横浜市では、まさかそれ以前の問題があるとは思いもしませんでした。
ということは、金沢区の小学校支援級へ通っているお子さんは放課後をどのように過ごされているんだろう?お母さんはどうやって対応しているのだろう?親子でストレスを抱えているのではないだろうか?そんな想いが巡ってしまいました。この問題は何らかの形でわたしたちからも訴えていかなければならない!と強く思いました。

 

取材日:2016.04.20
取材:五本木愛・misa
編集:pototon

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