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【寄稿・ライフハック】ユウの入学準備/自閉症児の特性に合わせた様々な工夫がいっぱい!?筑波大学附属久里浜特別支援学校

4月から横須賀市にある「筑波大学附属久里浜特別支援学校」の小学部に入学したユウ。

去年まではひまわり園と市内の幼稚園との併行通園をしていました。

ユウは知的な遅れを伴う自閉症で、手帳はB1、発語はありますがコミュニケーションとしてのやり取りは難しいタイプの男の子です。

関連記事>>【取材File】知的障害を伴う自閉症の早期教育を実施・研究する筑波大学附属久里浜特別支援学校

入学準備

ランドセル、買う?買わない?

結論から言うと、筑波大学附属久里浜特別支援学校では、ランドセルでも普通のリュックでも「どちらでもよい」そうです。

ただ在校生のほとんどが普通の慣れたリュックで通っているとのこと。自分で扱えるように少し大きめのリュックがよいそうです。

ランドセルを背負った姿が見られなくてちょっぴり残念な気もしましたが、買わなくてよいなら出費が抑えられていいや~(笑)と使い慣れたリュックで行くことにしました。

体操服はどんなものを用意する?

  • 上は白で基本無地。
  • 下は季節に合わせてハーフパンツや動きやすい長ズボン。

ということでしたので、公立の小学校と同じイメージで用意して大丈夫でした。

そしてここでは毎日、この体操服に着替えます。私服で登校し、学校で過ごす時は体操服です。

体操服とハンカチをセットにして体操服袋へ。

ちょっと違うのが体操服袋。学校おすすめは『風呂敷』!?

  • 風呂敷に包んだ体操服は着る順番がわかりやすい。
  • しまう時もぐちゃぐちゃと突っ込んで終わりにはならず、きちんと畳む練習ができます。
  • そして「結ぶ」練習もできる!

という一石三鳥(?)の代物。「着替え」と「服を畳む」「仕舞う」「結ぶ」の練習が毎日できるというわけです。

もちろん子どもの様子に合わせて巾着型の体操服袋でということもあるそうですが、せっかくのアイデアなので、古風が逆に新鮮な風呂敷包みにチャレンジさせてみよう!と用意しました。


▲入学説明会でもらった資料を参考に端と端がわかるように色を変えてオリジナルの風呂敷を作りました。

履き物

上履き、体育館履き、外での活動用の外履きが必要です。シューズケースは開け閉めしやすいチャックタイプが良さそうとのことでした。

図工用のスモック

汚れてもよいもの。

毎日の登校時に任意で選べる制帽と黄色い帽子

制帽があります。これで学校に行くモードになる子は毎日の登校時にかぶってもよいし、無理してかぶらなくても大丈夫とのこと。ただ遠足などの時にはみんなかぶります。

エプロンから歯ブラシまでしっかり揃える給食セット

筑波大学附属では給食がでます。お隣の国立特別支援教育総合研究所で作っているそうで、先生曰く「日本一おいしい給食」だそうです(笑)

ちなみにランチルームもオーシャンビュー。ちょっと羨ましい(笑)

さて用意する給食セットは、

  • 給食袋
  • エプロン(給食用のハンカチも入れておきます。)
  • コップ
  • 歯ブラシ
  • 乾いたおしぼり
  • 練習中の箸があればそれも入れます。

つまりエプロンに入れる給食用と毎日2枚のハンカチが必要です。これは衛生面を考えてのこと。

エプロンはスモックタイプや普通のエプロンでも。ボタンの練習などができるので子どもに合わせての物が良いそうですが、とりあえずあるもので大丈夫とのこと。

1年生はみんな同じ、2年生から個々に合わせた教科書に

  • 教科書などはすべて学校で用意してくれます。
  • 1年生はみんな同じものですが、2年生からはひとりひとりに合わせた教材になるそうです。
  • 基本的には学校に置いておくので毎日の時間割に合わせて持っていくことはありません。
  • 文具類も特に用意する必要はないようです。

偏食がある自閉症児の特性に合わせて非常食セットも準備!

学校にももちろん備蓄はあるそうですが、偏食があるのも自閉っ子の特徴なので…

  • 確実に食べられる非常用の食糧を保護者が1日分用意します。
  • 非常用のリュックに3食分をそれぞれ袋に分けて入れ、学校の防災倉庫内に保管します。

入学式から毎日の学校生活へ

あいにくの雨でしたが視覚支援でスムーズな入学式

小学部新入生は6人。少人数での花道でしたが、在校生や先生方の温かい拍手の中、親子一緒に入場しました。

初めての場所や雰囲気、どうなるかドキドキしましたが、さすが自閉症に特化した支援学校。スクリーンでの視覚支援もあり、とても落ち着いて過ごすことができました。ユウも映し出された「にゅうがくおめでとう!」の文字を見つめ、「お・め・で・と・う」とつぶやいていました。

そして先生による学校紹介の映像は、やはり耳からの情報より視覚からのほうが理解しやすいユウにとって、これからどんな場所に通うのかな、なんだか楽しそうだなというイメージが持てるものだったように思いました。

半年は親が送り迎え、その後はスクールバスの利用が可能

新入生の毎朝の送り迎えを半年間続け、その後はスクールバスが利用できるようになります。この最初の半年が一番大変かもしれないと思っていましたが、毎日担任の先生方と顔を合わせ、情報を交換できるこの半年間はやはり大事なのかなと今は思っています。

校長先生や副校長先生はじめ、担任の先生やたくさんの職員の先生方が毎朝笑顔で玄関にいてくれるので、親としてもとても安心して子どもを送り出せています。

気になるユウ自身の気持ちは…

そしてユウ自身はどうかというと、学校へ行くことは好きなようです。振り向きもせずさっさと自分から行ってしまいます。未就学児だった去年までは親子分離の時間になると、手を離さなかったり、泣いていたのに…。この成長に嬉しいような、ちょっぴり寂しいような(笑)

入学後はアセスメント週間

新入生は入学してさっそくアセスメント週間を迎えます。ユウ個人の今の得意な所、苦手な所、もう少しでできそうな所を担任の先生と一緒に親は別室でモニター越しに見ることができました。(注:アセスメントとは、支援に必要な情報を集めたりニーズを把握すること by すかすかいっぽ)

今では手帳の更新の時くらいでしか見ることのない発達検査でも、意外とできることや、「そこが分かってなかったのか…」という所を垣間見ることができて、親としても参考になりました。先生はこれをもとに、ひとりひとりの学校生活での支援や学習に役立てていくそうです。

ひとりひとり違う自閉症児の特性に合わせた柔軟な対応に期待大!

入学準備をするにあたって、まず最初に思ったのが「ランドセルって要るんだっけ?」でした。年々早くなるランドセル商戦ですが、支援の必要な子どもたちは進路が決まるのも秋ごろになってやっとということが多く、ユウの場合も11月に就学先が決まり、そこからが準備のスタートでした。

2月の入学前説明会で資料をもらい、その時からこの学校はとにかく「ひとりひとりに合わせたもの」に柔軟に対応してくれる印象でした。

「これじゃなければいけない」というものはなく、逆に学校のほうから「この練習をさせたいからこういう形のものを使いましょう」などの提案もそのときどきであるそうです。

自閉症の子はひとりひとり本当に違います。そのひとりひとりの特性に合わせた「オーダーメイド」型な学校で、ユウにとってのたくさんの「できた!」や「楽しい!」の経験ができることを祈って、これから6年間過ごしてもらいたいと思っています。

2017.04
寄稿者/ chihiro

sukasuka-ippoのメンバーとは子ども同士が同時期にひまわり園に在籍。2016年度ひまわり園保護者役員会のイベント担当として初の夏の園内イベント『ひまわりサマー』の企画・開催に関わりました。今回はユウ君の就学先である筑波大学附属久里浜特別支援学校の入学準備についての記事を書いてくれました。ありがとうございました!

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