脳症・寝たきりの息子(6歳)にとってなくてはならない必需品・バギー型車いすを使い始めて早4年。
- 迷いながら今のものに決めた経緯
- 実際に使ってみて分かったこと
- 少しでも息子が快適に乗れるよう工夫していること
などなど、私自身が悩んで試行錯誤してきたことをまとめてみました。
2歳頃までは一般のベビーカーを利用。成長とともに姿勢保持に限界が…
生後8か月の時に突然の心肺停止、脳にダメージを受けて寝たきりになってしまった息子ですが、体が小さいうちは、一般のベビーカーに乗せていました。
▲こちらが2歳頃(身長75cm、体重11kgくらい)まで使っていたベビーカー『greco(グレコ)』
このグレコのいいところ
- 背もたれがリクライニングし、ほぼフラットになる!
- 収納カゴが大きい!吸引器などの大きな荷物も載せられる
ということで2歳頃までは不便なく使っていたこちらのグレコも、成長とともにタオルやクッションを駆使して姿勢を保持するにも限界が…。
バギー型車いすの購入を検討。まずは実物を見てみたい!
1歳から通っていた横須賀市療育相談センターに、2歳以降にも使えるベビーカーがないかと相談してみたところ、リハビリの先生に『バギー型車いす』のことを教えてもらい、購入することになりました。
といっても、この頃の息子は姿勢をうまく整えてあげないとエビ反りになるほど全身に強い筋緊張があり、呼吸も苦しそうでした。だから、乗り心地はとても重要です。でも、どんなものがあるのか全くわからない…
- カタログをいくつか見せてもらったものの、それだけではピンとこない。
- やっぱり実物が見たい!
- できるなら乗り心地も試したい!
まずは療育相談センターの装具外来へ
ここでリハビリの先生やバギーなどの装具を作っている業者の方と打ち合わせをしながら、どんなものがいいのか相談することができました。
▲バギー型車いすに試乗させてもらったところ。
ですが、ここで乗れるのは事前にPTの先生からいくつか絞りこんでもらったうちの数台。
色々な種類のものを一度に乗り比べるのは難しいとのこと。
やっぱりいろいろ比べてみたい!とうことで『子どもの福祉用具展』へ!
毎年4月に開催される『子どもの福祉用具展』というのがあるとリハビリの先生が教えてくれました。時期もぴったり、これは行くしかないと思い、福祉装具展に行く前に「こういう機能があったらいいな」という項目を夫婦で話し合いました。
▼我が家のバギー型車イスに求める条件はだいたいこんな感じ
- リクライニング機能があること(できればフラットになるくらい。)
- 吸引器が置けるスペースがあること(吸引器は大きいため、縦横の長さだけでなく、高さも必要)
- 畳んだ時のサイズ(高さと厚み)(軽自動車の2列目の座席を潰さず、荷台に立てて乗せたい。キチンと荷台のサイズを計測して行きました。)
- 重さ(女性の私が持ち上げられるくらいの重量)
- 通気性がよいこと
- 畳んだ際に自立するもの・畳みやすいもの
など
【memo】思い返せば、常に感染やちょっとした体調の変化に気を遣う日々。退院してからこの2歳ぐらいまでは外出といえば町内一周、病院、療育相談センターなどの近場が中心でした。
この時の『子どもの福祉用具展』の会場は平和島にあるTRC東京流通センターで、横須賀からはなかなかの遠出になりますが、必要に駆られてのお出かけということで、片道約1時間かけて、初めての場所に息子を連れていくというのは、この時が最初だったかも。その後のお出かけにつながる、いいきっかけになりました。
『子どもの福祉用具展』で色々なバギーをじっくり比較しながら検討
さて、広い会場の一角にお目当てのバギーたちが1ヵ所に集められて展示されていたので、比較しながら選ぶことができました。
- 実際に我が子を乗せてみたり
- 畳んでみたり
- 計測したり
- 持ち上げてみたり
- 吸引器を載せてみたり
…思う存分、試させていただきました!
結果、100%希望通りというわけにはいきませんでしたが、納得できるものを選ぶことができました。
▼今年も開催されます!
キッズフェスタ2017
第16回子どもの福祉用具展(4/15・16)
http://www.kidsfesta.jp/
これも重要!車への乗せ方
正式に購入する前に確認しておきたいのが、車に乗せられるかどうかというところ。
▲これは軽ですが、ギリギリいけました!
▲後輪のタイヤは後部座席にはみ出ていますが、まあOK!
バギーが決まったら、装具外来で注文。細かく調整してもらいます
購入する際、補助が出るものついては、最初に見積もりをとって市に提出、許可が下りてから注文という流れになります。
▲装具外来にて。業者の方とPTの先生にシート等を調整していただいています
そして購入!こちらが我が家のバギー型車いす『RV with』
特長(以下パンフレットより)
- ワンタッチで簡単折りたたみ
- 無段階ティルティング機構(後ろのレバーで好きな角度にリクライニングができる。脚台も角度を変えず一緒に動く。)
- 姿勢保持機能付
※調整スリングシートによる背座調整(背面のシートが何本ものベルト状のマジックテープの様なもので出来ているので、乗る人のからだの特性に対応可能)
※トランクサポートベルト、骨盤サポートベルトでホールド
※外転サポートパッド付きの座シートクッション - 広い荷物搭載スペース
- 座面奥行き、フットサポート高さ調整式
- シートユニット
▲背面。この帯状のマジックテープで体に合った背面シートを作ることができます。ちょっと分かりづらいのですが、写真上部の自転車のブレーキのようなレバーを握ると背面シートの角度を変えることができます。
▲背面シートを立てた時と倒した時。倒した時はフラットまではいきませんがかなり倒れます。
購入前にこちらもお忘れなく!オプションと独自のカスタマイズ
オプション01. エクスポールと呼ばれる、注入時のボトルを吊り下げる為のフックがついたポールを取り付け
▲ポールの高さや角度は自由に調整できます。
▲外出時このようにミルクが入った栄養ボトルなどを吊り下げて使用します。
▲このポールは収納するとこんなににコンパクト!邪魔になりません。
オプション02.アンダートレイを装着
載せた吸引器を安定させるために、板状のトレイが下に入ってます。(骨組みのパイプの位置が高いため、高さのある吸引器でも楽にのります。)
▲かなり広いです。トレイのへりが浅いので、載せやすい反面、急な坂などでは吸引器がずり落ちることも…
▲吸引器を載せるとこんな感じです。
オプション03. 背面シートをより体にフィットさせる為に、クッションを追加
▲左右に2ヶ所ずつ入れています。マジックテープになっているので、成長や体型の変化に合わせて位置を自在に変えることもできます。
オプション04.日よけ
息子は起きている時にまぶたを閉じることがほとんどないので、外出時には日よけを使用します。
▲遮光性の高い生地。その分通気性が悪く、風の影響を受けやすい気がします。
また、角度調整が可能。息子は背面シートを倒した状態で使用することが多いのですが、そうすると日よけで日光を遮断するためには息子の目から5cmくらいの所まで日よけを倒さないといけなくて、そうなるとかなり圧迫感があるのが難点。
▲オプションの日よけだけでなく、市販の日よけもダブルで活用。便利なのですが、かなり風の影響を受ける材質のため、度々飛んでいってしまいます…(ー ー;)
何年か使っていく中で、我が家なりに独自にカスタマイズした部分がこちら
[point.01]トレーの装着
▲吸引用の水などを置くためのトレーを取り付けました。カー用品店に売っているヘッドレストの後ろにつけるトレーに穴をあけ、バギー型車いすのハンドルバーにU字型の金具で固定。
▲トレーを閉じた状態。このトレーは便利なのですが、ハンドルバーの大部分を塞いでしまうため、ハンドルバーを掴みにくいという欠点があります。
point.02 いろいろ使えるクリップ
▲息子のバギー型車いすには2種類のクリップを付けてあります。
▲1つは吸引器のホースを留めるために使用。
▲もう1つの花の飾りがついたクリップは、膝掛けが風に飛ばされないように留めておくために使用。
これらのクリップは共に100円ショップにて購入しました。花の飾りのついたクリップはカーテン用のクリップとして売っていたものです(^^)v
[point.03]便利なタオルホルダー
▲旅先のお土産として購入したタオルホルダー。タオルを簡単に付けたり外したりできるので重宝してます!
[point.04]8人乗りの車にもひと工夫
▲3列目の片方のシートを畳んだスペースに載せるのですが、はじめは倒して載せていましたが、場所を取るので現在は上部のアシストグリップに専用ポールをひっかけて、マジックテープで固定しています。
▲こんな感じでポールを取り付け。邪魔な時は簡単にポールを外せます。
・ ・ ・
現在、息子は6歳(身長91cm、体重11.5kg)、これからもお世話になるこのバギー型車いす。
就学目前の現在、日よけを新たに製作中!息子が快適に乗れるよう、成長に合わせてその都度工夫していこうと思います!
2017.03
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