我が家の小1の末娘・アンジェルマン症候群のうららは、『身体のバランスが悪い』という疾患特有の特徴があります。
1歳のうららがアンジェルマン症候群と診断を受けたときに遺伝子科の主治医から言われたのは
- 発語は一生諦めてください。
- 独歩も難しいかもしれません。
ということ。正直、親としてはかなり凹みました。
でも、少しずつその現実を受け入れて、前向きに、ゆっくりでも良いから『できること』を増やしていきたいという気持ちで、いろんなことを積み重ねてきました。
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そして今、うららは歩いて元気に小学校へ通うことができています。
今回は、そんなうららの『歩行』に関する経緯を当時の写真と一緒に振り返ってみたいと思います。
障害がわかる前。ひとり座りからつかまり立ちまでは順調!
▲うつぶせ遊びから…
▲お座りも上手!
▲ムッチムチな足で、立派につかまり立ち!
生後9~10か月くらいまでは、障害があるなんて思いもせず、少しゆっくりかな?というぐらいで、ほぼ順調でした。
▲ファーストシューズなんて買ったりしてましたね〜
1歳を過ぎて受診、そしてアンジェルマン症候群と診断
1歳前後、つかまり立ちはできていたものの、足の裏をしっかり地につけることができず、1人で歩く気配もまったくなかったうらら。
1歳を過ぎて、さすがにちょっとおかしいなと思ったときに紹介してもらったのがこども医療センター。受診をしたところ、『アンジェルマン症候群』と診断されました。
療育相談センターで出会った理学療法士の先生に教わったこと
その後、横須賀市の療育相談センターでPT(理学療法)を受けることになりました。
うららを担当してくれた理学療法士の先生に、親としてまず聞いたのは、
「歩行ができるようになるために、今の状態でどこがどう足りないのか?」
ということでした。
そして、その回答は
- 体幹が弱い
- 足の裏が過敏
ということ。
先生にいろんなアドバイスをもらいながら、日々の生活の中でできることを意識して取り組んでいきました。
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mission.01
腹筋を鍛えよう!効果的なのは『笑う』こと!
まず、うららが歩けない原因からひも解くと、バランスが悪い=体幹機能が弱いということがまずひとつ。
バランスをとるためにはお腹に力を入れることが大事なのだそうです。となると、必要なのは腹筋…。
だけどまだ1歳~2歳のこどもに腹筋運動なんてできるの?って思いますよね。
そこでPTの先生が提案してくれたのは、運動するよりも、まずどうやったらお腹に力が入るかを考えて、
とにかく”笑わせること”。
それを聞いて、早速、我が家ではとにかくうららを笑わせる遊びをたくさんしました。
中でもうららが大好きだったのは、お腹をくすぐりながら歌をうたうというふれあい遊び。地味ではありますが、これが実は腹筋運動にピッタリだったんです!
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mission.02
足の裏が地につかない原因は過敏にあった!?では、足の裏をマッサージ
▲この左足を見てもらうと指をキュッと縮めてしまっていますよね。そのため、足の裏をしっかり地につけることができていませんでした。
原因は「敏感」というところにあったんですね~。
そこで足の裏の過敏性を緩和するため、ふれあい遊びをしたら足の裏をマッサージ!
▲この足のマッサージは日課としてやるようにしました。
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mission.03
ハイカットの靴で足首を安定させる!
そして、歩行するには足首がしっかり固定されていることが重要なんだそう。そのため…
▲しばらくの間はハイカットでしっかりとした形の靴を履かせていました。
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mission.04
とにかく身体全体で普段から歩くことに慣れる!
あとはもうとにかくたくさん歩く!要するに体で覚えるということですね。
▲PTの訓練には月2回のペースで通いました。
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毎週末、上の兄姉たちのサッカーのお付き合いでグラウンドへ。それが、まさに『体で覚える』につながった!
▲どれだけ汚れても良いようにいつもお砂場着を着せて自由にグラウンドで過ごさせていました。
このグラウンドというのがまたポイントで、舗装されていない凸凹した地面が、体幹・バランス感覚を鍛えるにはよかったのかもしれません。
▲歩きたい!という意欲がとても強かったうらら。
独歩ができるようになるまでの2年、本当に長かった!!初めて歩けた日のことは忘れられません
そして今でも忘れない、2013年6月2日。
実は私の誕生日でもあるんですが、この日、うららがはじめて独歩をみせてくれました。うらら 2歳5ヶ月でした。
もちろん、独歩ができたといっても、不安定には変わりありません。そこからがまた長い!
▲家の中では手押し車を支えにして歩いていましたし、
▲バランス感覚を養うために、外でもできるだけ歩かせるようにしました
▲幼稚園に入園!これをきっかけに、めきめきと歩行が上手になりました。お友だちと同じことがしたい!という気持ちがやる気につながったのかなと親は思いました。
▲難しかった長時間の歩行も、少しずつ少しずつ距離を伸ばしていきました。
▲年中さん。この頃にはほぼベビーカーの利用はなくなりました。
幼稚園の階段も1人で手すりにつかまりながら昇り降りができるようになりました。
▲年長さん。ゆっくりではありますが、運動会の徒競走でしっかりと走る姿に母涙…
▲支えてもらいながら上り棒もがんばりました。
そして、小学校1年生になった今。ランドセルを背負って歩く姿を目に思うこと
そんなうららも、あっという間に1年生。
現在、身体障害者手帳は下肢4級です。先天性の遺伝子疾患なので、今後も手帳が外れることはないかもしれません。
でも、歩き方に多少のバランスの悪さはあるものの、生活に支障がないぐらいには歩けるようになりました。
ジャンプしたり、階段の上り下り、坂道での歩行もできるようになりました。
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これはあくまでも我が家のうららの場合ですが、少しでもこの情報がお役に立てば良いなと思って記録としてまとめさせていただきました。
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▼手記も書いています▼
うららが生まれ、障害を受け入れるまで…>>【手記】うららちゃん、どうしたの?わが子はアンジェルマン症候群[前編]
幼稚園生活や療育を通しての成長記>>【手記】うららちゃん、どうしたの?わが子はアンジェルマン症候群[後編]
2017.06
文/ 五本木愛
構成/ Kaneko Yuka