2016.10.13に開催した今回のsukasuka-actは、映画『みんなの学校』の感想&横須賀の支援教育についてみんなで話し合う特別編。
支援教育について不安や相談がある保護者の方はもちろん、現に支援級や養護学校にお子さんを通わせている保護者の方、学童の運営に関わる方、支援級の教員として長年勤めてこられた方、そして市議の方にも参加いただき、今の横須賀の支援級について多方面から議論でき、やはり支援教育の問題は、まさに今、活発な対話が求められているテーマなのだなと実感しました。
盛り上がりすぎて写真撮るの忘れてしまいましたが、前半は映画の感想を中心に、後半は横須賀の支援教育についての生の声がぎっしり!
ご自身が参加したつもりになって最後までご覧いただくけるとうれしいのですが、いかんせん長いので、発言内容につけてある見出しの中でご興味のあるトピックを拾い読みしていただいてもよいかと思います!
実際の学区や学校名は伏せ、発言者の意向に沿って編集してあります。
当事者・支援者・市議、それぞれの視点で見るから面白い!映画『みんなの学校』の感想
横須賀の小学校は優しい場所、でも満足できる場所ではない
サオリさん 私たちのような障害に関わってる当事者が見ることももちろん大事ですが、やっぱり普段あまり関わってない人たちにも見てもらって、周りも一緒にどんどん変わって、あの映画の中のような状況が当たり前になってくれたらと思います。
小学校は優しい場所ですけれども、満足できる場所ではないので…。そして、自分でも何か少しでもできることがあったらやりたいなという思いにさせてくれました。
養護か支援級か、リアルタイムで迷っていたから希望が持てた
ゆかねこ ちょうど息子が年長で就学を考える時期。養護学校と支援級のどちらにするかを本当にリアルタイムで迷っていた時だったので、映画を観て希望を持つきっかけになりました。きっと特別な場所で特別なことをしているわけじゃなくて、普通の学校が意識ひとつでああいう風に変わっているんだろうなって思いました。
難しい支援級選び、学校に求める一方で保護者にも変える力がある!?
pototon 自分の息子は来年小学校に上がる自閉症児。支援級を3校見学しましたが、まあなかなか悩ましくて…。
それこそ学校ごとに特色があって、専門性の高い先生がいらっしゃって安心できるところと、こじんまりとしてコミュニケーションが密にとれそうな所というようにそれこそ三者三様で…。
学校って先生や年度によって変わってしまう部分もあるだろうし、支援級選びって難しいなって思っていた矢先の今回の上映会。映画のように先生の熱意に引っ張られて変わる場合もあると思うけど、一方で親にも変えていく力ってあるのかなって。そう考えると、学校に手厚さを求めるだけではなく、学校と保護者が一緒に頑張って居心地のいい場所にしていくのもいいのかな、そういうふうに試行錯誤の可能性を広げてくれた映画でした。
「実際は難しい…」現場の声に納得しつつ、それでも願う
鈴木さん うちの子も来年度、小学生になるので通常級か支援級かで悩んでるんいるんですけど、映画見てああいう学校があったらいいなとは思う一方で、小学校の教員をしている友人に映画の話をしたら、「実際は難しいのよね~。簡単にできたらみんなそうなってるよ」って言われて(笑)。
教育現場のリアルな声を聞いて、実際そうなんだろうな~と思いつつ、それでもちょっとずつこういう学校が増えていったらいいなと思いました。
問題とされている子に焦点、そうじゃない周りの子は?/学童クラブ運営
瀧川さん 私は仲間と一緒に学童クラブの運営・指導員をしています。
この映画は、先に本を読んでいて、今回の上映会でようやく映画を観られたんですけど、正直、まだ本の映像とのギャップが埋められていません。
学校というのはあくまでも、指導という側面が強いので、校長先生はすごくハートが熱いけれども、言葉かけが結構、指導的だなっと思ったのがまずひとつです。あとは、その熱いハートが相手に直接届くことで変われるんだということを確認することができました。
それから、気になったのは問題とされている子には焦点があたっていたけど、そうじゃない周りの子はどういう風に思っているのかが映画ではよくわかりませんでした。
本のほうには、あの学校はいわゆる学力テストは高いと書いてあって、あんなにいろんなレベルの子がいる中で学力向上も成功している、どうやったら学校でそんな魔法みたいなことができるのかな?ということろがまだ疑問として残っています。
うちの学童では、ほかの学童で受け入れられなかった発達障害の子を1年生の時から受け入れをして、今年も養護に通いながら放課後は地域で過ごしたいっていう親御さんの思いを受けてダウン症の1年生の子が入っています。
混合のところで預かっているとその子自身はどんどん育つように見えます。周りの子を見て真似をしたいという子どもの吸収力というのはすごくて、そう考えると、今、放課後デイが増えていますが、実際はどうなのかなと疑問に感じる部分もあります。
というのも、やっぱり健常の子も障害のある子も一緒に過ごすがいいなと思う反面、同じ保育園から上がってきた子はすんなりと受け入れているけれどなかなか自然に受け入れられない子もいたりするので…。
映画のような学校はどうしているのか、もっと知りたいと思います。今日は皆さんといろいろお話ができたらいいなと思います。
集団の中で勉強面のフォローはどうしているのかな?
misa 私はみなさんからいただいたアンケートの集計もさせてもらったんですが、やっぱり多くの方が、先生方に見てもらいたいと思っているようです。
うちも来年度、小学校の支援級に行くことが決まったんですが、小学校の在り方を考えると、映画のような学校があればいいなとは思いますが、先ほど、瀧川さんがおっしゃっていたように、当事者だけじゃなくて周りの子たちはどういう風に思ってるんだろう、というところが気になったりもしました。
実際、みんなで過ごしている中で、勉強面のフォローはどうなのかなとか映画には描かれていない具体的なところが気になりました。
でも、あの環境の中で過ごすことで、当事者としては学ぶことも多いと思うし、今、うちの子もひまわり園と幼稚園の併行なんですけど、ひまわり園では学べない集団生活などは幼稚園で学べているので、集団の中で学ぶということはすごくいいなと思いました。
映画の中の子どもたち、その後の成長が知りたい
山田さん 映画を観て、いろんな子どもたちがいる中で、暴力をふるったりしていた子たちが、校長先生の愛情を受けて、どんどん自分で気が付いて、反省していく姿に特に感動しました。
今はみんな高校生くらいになってると思うんですが、どういう風に成長したのかを見てみたいなと思いました。とても、良かったです。
専門知識がなくても実践で深められた見識がすばらしい!/元支援級教職員
Nさん 私は横浜市の小学校で39年教員をやっていまして、特別支援が専門です。映画は今回の上映会で5回目です。映画館で2回、無料で3回観ました。校長先生にも実際にお会いしました。
やっぱり校長の木村先生は特別支援の専門の方ではないですが、そこで出会った子どもたち、保護者の方たちを通して先生自身がどんどん見識を深められたというのがすごいなと思います。校長先生の素晴らしいところは周りのスタッフの人たちの力を集められるところにあるんだなと思います。
今、横浜市に住んでいますが、私もああいう関わり方ができればいいなと思って、退職後に金沢八景駅前に「すまいるカフェ」という小さなお部屋を作って、地域の方みなさんどうぞ、と開放しています。色々なお子さんや保護者の方に出会って欲しいと思っているのですが、まだ知名度が低いのですが、マイペースにやっています。
集団で伸びる子、個別で伸びる子、見極めが大事/市議会議員
小幡さん 映画は去年観させてもらって、その時は校長先生の講演会とセットになっていたので、あの映画のまんまの話を先生から聞けて、それはとっても良かったです。
私自身は、おととし1年間、小学校の支援級のボランティアをしていました。その時の感じと、映画で見た学校の感じが、すごくかけ離れていたので、映画のようなことが「本当にできるんだ!?」っていう衝撃と、あれを公立でやっているっていうのが個人的にはすごいなと感じました。
公立でできるということは、校長先生次第というのが大きくて、やろうと思えばこういう形でもできるんだというのを感じながら見てました。
私は、支援教育についてよく理解していない人たちが、なんでもかんでも、ただ同じ教室にいさせる、というのは全然求めてなくて、集団で伸びる子はそれでいいんですが、個別で伸ばせる部分は個別で伸ばした方がいいと思うし、どちらも必要かなと思います。
だから、支援級が要らないかというと、そうは全く思わないし、養護学校が要らないとも思わない。そこはうまくみんなが伸びるような住み分けの形でやっていければベストだと思います。ただ、現実は「ああして欲しい!こうして欲しい!」という声があると思うので、そういう声を拾っていけたらと思います。
学校の個性とか、地域のカラーはどうしても出ると思いますが、学校によってあまりに違うのはどうなんだろう…と思う部分もあって、何もやってくれない学校と、それこそ一生懸命先生たちがやってる学校と、差が出てしまっているのは事実かなあ…
当事者以外にも多数参加、ありがとうございました。
五本木 今回の上映会後にアンケートを回収・集計させていただいて、300人弱の来場者に対し、228枚のアンケートをご提出いただきました。
その中で、配布したチラシを見てこられた方が圧倒的に多かったので、おそらく小学校とか中学校、幼稚園から持ち帰ったチラシを見て、参加された方が多かったのかなと思います。
申込をされたのは、もちろん当事者の親御さんが多かったは確かですが、障害児の親じゃないけれど近所にそういう子がいるからちょっと見てみたい、勉強してみたいとか、そういったお仕事に携わっている人が学びたいということでお申込みいただいたケースもありました。
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当事者は語る!支援者も語る!横須賀の支援教育についての生の声!
五本木 今日は、今現在、支援級や養護学校に通われているお子さんの親御さんとこれから就学をする方、そして支援する側の方にお集まりいただきました。
まず始めは、今現在、支援級に在籍しているお子さんの状況だったり、不安に思うところなんかをお話していただければと思います。
1年生と2年生で周囲の空気感が変わった!?/支援級在籍の2年生
サオリさん 支援級に通っていますが、1年生の時は、周りの子たちもまだ子どもっぽさが残ってるので、ノリでなんとかやり切れる場面もあったなと思うんですけれども、2年生になるとだんだん周りの子たちも、「この子違うな」っていうのを察知してくるので、うちの子が話しかけても、無視されたり、「この子はきっと何かして面倒くさいことになる」という空気感が自然とできてきてしまっています。
支援級の先生に相談してみたんですが、「子ども同士なので必ず問題はあるから、全てに向き合う必要があるのかどうか」というところもあるようで、学校だけで100%集中してやってもらうのはなかなか大変なのかなと思いました。つまり、結局はいかに本人が自分で対処する力を養えるかというところも大切になってくるのかなと。
これからどんどん大きくなっていくと、もっともっと差が広がっていくんじゃないかなという不安もあります。例えば、そこに高学年の子が混ざっても少しは面倒を見てくれてもずっとは付き合ってくれるわけではなくて、結局、気づくと1人だったりします。
周りの子からすると「どう関わればいいのかわからない」というところがメインだと思うんですけど。私がその場にいれば、悲しい場面を目の当たりにする辛さに耐えながらではありますが、「ここはこうしてね!」というように周りの子に関わり方を伝えるようにしています。
そして、支援級に入ってよかったことももちろんたくさんあって、例えば全くできなかったひらがなも1年かけて登校後に書く1日の予定を全部1人で書けるようになりましたし、好きな電車の路線を使ってそこから漢字への興味を引き出してくださったり…。その他、公園にたくさん連れて行ってくれたり校外学習や教室の外にある畑で野菜を育て、それを使ってお菓子やケーキを作ったりという活動にもどんどん挑戦させてくれているのもありがたいです。
個人の小さい世界を変えていくのも大切だと思うんですけど、このsukasuka-ippoのような団体の力を借りて、学校全体とか市が変わっていけばいいなと期待します。
学習面での期待はしていなかったけど支援級での成長に驚き!/支援級在籍の1年生・ダウン症
Yさん うちの子はダウン症で地域の小学校の1年生に入って、頑張って通っています。学習面での期待はあまりしていなかったんですが、ひらがなを書けるようになったのはとても良かったです。ひまわり園とか幼稚園では全くやらなかったんですが、支援級の先生方の頑張りには本当に感謝しています。
また、数字も本当に苦手で、どうしても数の概念が入らなくて、それが前期のうちに数えることもできるようになりました。
環境としても幸いなことに、同じ幼稚園に通っていたお友だちがクラスの半数を占めているのでうちの子を知ってる子がほとんど。だから、交流級に行ったときはだいたい仲間に助けてもらえています。
本人も愛想がいいタイプなので、ぐいぐい自分から関わっているようです。
給食を交流級で!要望を伝えたことで実現/支援級在籍の1年生・ダウン症
Yさん 交流級に行くのは最初に先生が決めた図工・体育ぐらいだったのですが、私は授業よりも給食や昼休みの時間も健常の子と多く関われるようにしてもらいたいとも思っていました。
でも、2、3ヵ月経ってもなかなかその部分の交流がみられない。こちらから先生に要望を言っていいのかどうかもわからず、先生に失礼なんじゃないかなとかすごく感じながら、ちょっと思い切って「給食の時間だけでも交流級に行かせてほしい」と頼んだら、「実は同じ支援級の子にちょっと手がかかるので、2人で一緒に見てないと教員の数が足りない。なので1人だけ交流に連れてっちゃうとちょっと大変かな…でもやってみようかな…」というお返事でした。頑張ってこちらもちょっと強めにお願いしたら、今は楽しく交流級で食べさせてもらってます。
先生による部分が大きいんですよね。この一件が、私にとってはたったひとつの大きな要求だったのですが、先生に遠慮する部分がありながらも、直接アクションを起こしていかないと何も変わらない。もちろん先生の人数が足りないなど学校サイドの事情もあると思うんですが、本人のためになることなら、多少の要望はこちらから言っても差し障りはないんじゃないかなと感じました。
配慮の行き届いたひまわり園と支援級のギャップ/sukasuka-ippo代表
五本木 ひまわり園を卒園されたお母さんたちにとっての課題でもありますよね。
今まではひまわり園の先生方の細かい配慮のおかげで、こちらからアクションを起こさなくても必要な支援を受けられていたのが、小学校に入っったとたんにまずぶち当たるところっててそこだ、とおっしゃる方が多いんですよね。いきなりぽん、と荒野に落とされたような感覚。これは自分で言えばいいのかなとか、これは誰に相談すればいいのかな、っていうのが不透明で戸惑ってしまうというのはいろんなところで耳にします。
ただ、今の支援教育の流れでいうと、保護者からの声が一番動きやすいというのが現状だと思います。言いづらいと思うし、言いすぎるとクレーマーと思われちゃうかなとか、ここは我慢すべきかなとか、悩むじゃないですか。でもある程度ストレートに言っていかないと、変えることには繋がっていかないのかなと最近感じています。
普通級でも支援級でもない通級支援、学区外の小学校という選択/1年生の自閉症の娘
Kyoko Aoyagi 今、娘は学区外の小学校に通っています。ちょうど1年前の今頃は、普通級と支援級かですごく悩んでいたんですが、でも、できれば普通級にいさせたいなという思いがありました。
ただ学区の小学校は支援級だけでも3クラスあるようなマンモス校。もし娘がそこに入るとしたら、おそらく支援級になってしまうんだろうなと予想できたので、人数が少なくて形式的に支援級はあるけれど、教室をわけず、それこそ『みんなの学校』のような障害のある子もない子も同じ教室にいる1学年1クラスの学区外の小学校に見学に行きました。通っていた保育園が近くて同じ保育園からのお友だちが多いというのもあってここに決めました。
実際に通ってみると、普通級とも支援級とも違う、通級支援ということで、朝の会から帰りの会まで通常級で過ごすんですが、先生からの提案で、学習面の遅れが出やすい国語と算数については月曜日と金曜日の時間だけ取り出して一週間の勉強の予習と復習にあてるという、そのような支援を受けています。それ以外は給食も昼休みもお友だちと過ごせています。
ただ、学区外というところが辛くて、毎朝車で15分送る。帰りはそのまま学童に集団で連れて行ってもらっています。だから、学区外の学校を選ぶのも選択のひとつ。これから決められる方は、いろんな学校を見学して、お子さんに合うところを見つけていってもらえたらと思います。
支援級か養護か、眠れなくなるほど悩んだ結果/支援級在籍の自閉症・1年生
山田さん うちの子は、学区の小学校の支援級に通っている1年生の自閉症の男の子です。ほんとに去年の今頃は、養護に行かせるか支援級に行かせるか眠れなくなるくらい悩みました。
というのも、去年の今頃は、排泄がまだできず完全にオムツで、言葉もあまり伝わらず、悩みながら小学校に見学に行ったところ、男の子3人でこじんまりとしている支援級で、先生もうちの子を見て、大丈夫とおっしゃってくださったので、託しました。
入学前はこれでよかったのだろうか…と思ってましたが、行かせてみるとびっくりするぐらい成長しまして、まず、ひらがなで名前が書けるようになったこと。想像もしなかったことです。交流級のお友だちとも、なんとかうまくやっていると先生から聞いています。みんなと仲良く給食を食べたりしているみたいで、ホッとしているところです。
本人も学校へ行くのが楽しいみたいで、秋休みなんかも、「今日は?今日は?」と聞いてきて、休みだよというと残念そうにするぐらい。今の段階では、行かせて良かったなと思っています。
でも、やっぱり表現の仕方が独特な子なので、交流級で合わないお友だちもいるみたいで、息子ははその子のことが好きで近づいて「わっ」ていうんですけど、その子は逃げちゃう。先生も、その子とは席を離したりとか対処してくれてるんですけど、おそらくこういうこともは今後も起こってくるだろうなと、心配はしています。
今、ようやく学校で布パンツとパッドを使って過ごせるようになりました。先生もこまめにトイレに連れていってくれているようなので、ゆっくりできるようになっていけばいいなと思います。
今度、10月末に宿泊学習がありまして、親と離れて泊まるのは初めてで、とても心配なんですが、頑張って行かせてみようと思っています。
PTAに参加するのも学校との距離を縮めるのに有効/来年支援級に就学予定
五本木 私の場合は学校との関わりは日頃からすごくしていて、今、一番上が中3なんですが、その子が小学校1年生で入学した年から、1年だけお休みしただけであとはずっとPTAをしていました。
今年と去年は、小学校のほうで副会長をしてるんですが、娘が支援級に入るということで、学校の様子もだいぶわかりますし、校長先生はじめ先生とのコミュニケーションもとりやすくなっていたりなど、プラスは多いです。
自分には障害のある子がいるよというのも公表しやすいです。上の子の参観日に動きの多いうららを連れていくともう汗だくになりますけど、私のこと知っている保護者も多いので、「あ、五本木さんのお子さんね~」って目がたくさん集まるので、知ってもらうのには良かったなと。
面倒臭く思われる方もいると思うんですけど、でもやっぱり子どもが学校で生活していくことを考えると、親もある程度、関われる土台が作れたことは子どもの安心感につながるし、親も遠目からでも子どもの様子を見られる安心感があるので、PTAに参加するのはおススメです。
教師も情報が欲しい。不安や心配ごとはどんどん伝えてほしい。/元支援級教員の立場から
Nさん 学校の先生にこんなことを言ってもどうかしらと思われるいうお母様がさっきもいらっしゃいましたが、「こうしてください」「ああしてください」というのではなく、「こう感じるんですけど」とか「こんなふうにいままで思っていたり不安なんですけれども」というように相談という形で伝えていくと、これは私の個人的な感じ方なのかもしれませんが、支援する側としてはちゃんと言葉にして伝えてくれること、表情に出してくれると、保護者の方の思いや心配や希望を直接受け取ることができ、解決がしやすいし支援もしやすくなります。
実際、要望がたまりにたまると怒りになっていくので、小さいことからどんどん相談をしていけばお母様方もお腹にたまらないですよね。
また、困りごとだけではなく、解決したこともちょこちょこ伝えていくことも先生方には励みになります。クレームはよく耳に入るけれど褒め言葉はなかなか入ってこないので、両方を併せて伝えていくことで先生方も自信が持てると思います。
それから、先ほど、先生にもっと研修を受けてほしいというご意見もありましたが、「こういうのがありますよ」とプリントをくださるとか「こういうのに行ってきたんですけど」と情報を教えていただけるとありがたいのかなと思います。
というのも、私自身、退職してから昼間フリーの時間を持てるようになってから「こんなに情報があるんだ!」と気付きましたし、いろんな勉強ができるんだなと思いましたし、学校にいると本当に情報が入らないんですよね。勉強に行きたくても子どもたちを置いて研修にはいけないし、本を読みたくても疲れ切ってなかなか時間がとれないし、そういう状況なので実は保護者の方が情報を持っているのかもしれません。
だから保護者の方から声を掛けてくれることで先生の気持ちも動いてくると思います。是非是非、積極的に遠慮せずに進めていかれるといいのかなと思います。
[質問01]学区の小学校以外も見学した方がいいですか?
溝口さん 一番近い学区の小学校を就学先に考えているんですが、それ以外の近隣の学校にも見学には行った方がいいんですか?先生は変わっちゃうから先生を重視するのではなくて、という話はよく聞くんですけど…。そうなると雰囲気とかですかね…
Kyoko Aoyagi 学区の小学校に決めるとしても、見学すると良いと思います。そして、確かに先生では選ばないほうがいいです!
pototon うちも今、ちょうど就学相談を受けていて、学区に行くと決めてはいましたが近隣の2校も見学してきました。
実際の入学時にどのような人数バランスになるのかはわかりませんが、見学して初めてそういうことも影響するなと感じました。
3つの学校を見学することで、自分の中でも何を支援級に求めるのかというイメージが見えてきました。見ることで生じる迷いもあると思いますけど(笑)
Kyoko Aoyagi 学校の規模とか支援学級があるとかないとか、学校ごとに特色があるのでそういうところで選んだらどうかなあと思います。基本的には、学校は保護者の要望が伝わるところだと思うので…。
瀧川さん たぶん受け入れの段階で調整していきますよね。
一同 そうそう、そうですね~。だから色々と算段したところでというのもあるんですよね、結局。
五本木 今、支援級に在籍されている皆さんは去年、何校か見学行かれました?
サオリさん 私は、他の近隣の小学校のことはお友だちのママに伝い聞きしていてその段階で「んっ?」って気になるところがあったので1校だけで決めました。
年中の時から2年続けて見学に行って、先生で決めてしまったんですが、本当にタイミングよくその先生がお辞めになってしまいました。既に在籍されている保護者の方に伺ったところ、主体となって統一する立場の先生がいなくなってしまったことで方針は変わらないけれど支援級の雰囲気は少し変わったというお話でした。
Yさん うちは3人子どもがいるので、養護にしようか支援級にしようか悩んだ時期もありましたが、いろいろと家庭の状況を考えると兄弟ごとに行事が分散した場合に私ひとりで対応するのは不可能だと判断し、支援級に決めました。
先輩ママからは実際に入学してから、先生や友達と合わないとか、お姉ちゃんが嫌がるとか、そういうパターンもあるので、2、3校見ておいた方がいいんじゃないかとアドバイスは受けていましたが、私は、兄弟の宿命として頑張ってくれ!ときょうだいに期待して見学にはいきませんでした。結果的にはたぶん今の学校で当たりだったと私は信じています。
支援級は1~6年までで全部で8人。資格を持っている先生は2人だけど介助員さんが結構入ってくれています。
うちの学校は他学年が支援級の手伝いにきてくれるので、学校全体で支援級の在籍児童のことを知ってくれているんだっていうのも安心感につながっています。実際、お世話してもらうことで上級生に顔を覚えてもらっているので、通学の時も声をかけてもらっています。
山田さん うちも、1校しか見ていません。それは、去年、教育委員会との面談で、他だとちょっと難しいけれどもその学校だったら大丈夫なんじゃないかと進められたこともありましたし、見学に行っての印象、あと学校が家の隣りなので通学のことも考えて決めてしまいました。
五本木 私も、娘は来年支援級に入学予定なんですけど、やっぱり養護学校か支援級かって悩んで。
結果的に、親として我が子を見た時に、どっちの方が環境として彼女に合っているのかなって。うちは個別に対応されるのが苦手で、集団でいる方が習得することが多い。それこそPT、OTも切られちゃったくらい(笑)
もちろんひまわり園で学んでくることもたくさんあるんですが、併行通園で通っている幼稚園での吸収がはるかに大きいというのが親としてわかったので、支援級の方がこの子にとって居心地がいい場所だろうと決断しました。
Nさん 先生で選ばないほうがいいというのは確かにありますが、実際のところは先生も大事で、どういう学級をつくってこられたかなという部分と、どう引き継いでいかれるのかなという部分も支援級の在り方に関わるので大事ではあります。
でも、もっと大事なのは、在籍しているお子さんの状態。良い悪いではなく、どんなお子さんがいらっしゃるのか、どんなお子さんが何人在籍しているのか。このあたりにも注目されると良いと思います。
[質問02]通学には付き添っていますか?
山田さん 学校が隣りにあるのでとても近いんです。送り迎えは、まだしてます。車も通るし、手を引いていないとパッとどこかに行ってしまうこともたまにあるので、1年生のうちは下駄箱まで行こうかなと。
サオリさん うちも下駄箱まで。教室までは、本人が来てっていう時は連れていきます。
Yさん うちも下駄箱までですが、最近、なんで自分だけいつも親がついくるんだ、って人と違うことに気付き始めたみたいで、「お母さん帰って!」というようになりました。お友だちや顔見知りが多いので、「おはよう!おはよう!」って声を掛けてもらいながら、その流れに添って、1人で歩くようになりました。
気分によってお母さんべったりのこともあるし、ベビーカー乗せて、と言うこともありますが、まぁ、絶対乗せないし、ランドセルも絶対持たないですけど(笑)
[質問03]支援級に入ってからの保護者同士の繋がりはありますか?学校主催のカレー大会って何!?
Yさん 回数でいうと多くはありませんが、夏休み中にカレー交流会というのがあります。
一同 へぇ~!
Yさん 支援級の親が集まって、カレーを作りながら、「初めまして」とお喋りする会ですね。
pototon それは学校主催ですか?
Yさん はい、学校がやってくださるんですよ!
一同 へぇ~!!?
Yさん 学校の家庭科室で、支援級の家族、パパや兄弟も来ていいっという会です。
カレーを作ってる間は、先生たちが子どもたちを公園に連れて行ったり、ジュースを買う練習をしてくれたり必死に頑張ってくれて、カレーできたころにしっかりお腹すいた状態で帰ってくる。
夏休み中なんですけど、他の先生たちも来ていらっしゃるじゃないですか。支援級じゃない先生たちも、みんな呼んで、教室で30人くらいでカレー食べる。それで先生方も顔を覚えてくださるので、すごくありがたいです。
サオリさん うちは、そういう学校がやってくれる行事はないですね。
授業参観の時とか、委員会の中で、話せる人と話すくらい。幸い私の子の学年は、仲良くなりやすくて、話したりはできるんですけど、でも他の学年のお母さんたちとは授業参観とか懇談会の時に自己紹介して、あと先生が少し時間をつくってくれるので、その時に話すくらいですね。
山田さん うちは、支援級全体で8名。まず入学して初めに懇談会をやって、あとは授業参観の一環で、子どもと一緒にポップコーンを作るという活動がありました。そういう時にお話をする機会はあります。
あとはお迎えの時に、自然と話をするようにはなってます。人数が少ないし、顔も合わせる機会も多いので、仲良くはなれてるかな。
Kyoko Aoyagi 支援級というくくりがないので、親もそういうくくりはなく、普通のクラスの懇談会に出ることが多いです。
障害児の親同士で話がしたいと思ったときは、だいたい同じ学童やデイに行くことが多いので、そちらで会話はできているかな。
[質問04]学校見学は年長さんになってから?年中では早い?
五本木 年中さんだったら、市のホームページで学校へ行こう週間というのがあって、オープンキャンパスじゃないですけど、誰でも自由に見学ができる期間があります。そこで、学区の学校やもちろん学区外の学校でも自由に見学できます。
年長さんになれば、教育委員会との就学相談を受けてからきちんと事前に学校と連絡を取りながら見学することになるんですが、年中の時は自由に見られる『学校へ行こう週間』をフルに使うといいと思います。
Kyoko Aoyagi 学校によっては、支援級を見たい場合は、予約しないと見せてくれないところもあるみたいです。連絡を入れておけば交流級や普通級などの時間割も事前に把握できるので確実だと思います。
Nさん ちょうど学校へ行こう週間も始まるところが多いと思いますが是非活用してもらいたいと思います。
私が経験した中では、本当に3、4歳のころから毎年毎年、見学にいらしたかたもいました。もちろん、幼稚園などをお休みさせてしまうことになるのでそれぞれお考えがあるかと思いますが、できればその子も一緒に連れて行かれるのがよいと思います。そうすると自分のお子さんが学校の中で何に関心を持ってどういうふうに動くのかを見ることができると思います。
そして、学校へ行こう週間がいいのは、他のお母さんと会えるチャンスでもありますよね。そうすると既に在籍されている方からお話を聞くことができるかもしれませんし、保護者の方なので学校側からは聞けない話も聞けるかもしれません。
[質問05]今、幼稚園に行くのを嫌がる息子。小学校にはスムーズに通えるか心配です
中山さん 息子が今、ひまわり園の年中なんですけれども、幼稚園に行くのがすごく嫌みたいで、まず制服を着ない。朝、行くよって声を掛けるとテンションが下がって何もしないでぎゃあぎゃあ騒ぐ。
で、連れて行くまでも徒歩10分ぐらいの距離なのに車で行かないとダメなくらい。いつか行けるようになるといいなと思って今、年中さんなんですけれども、小学校になったらどうなるんだろうって、不安です。
映画を見た時に、ひとりそういう男の子がいて、どうしてもその子とうちの子を重ねて観て涙が出てしまいましたが、どうしたら小学校にスムーズに通えるのかなという不安が今からあります。
同じような経験をされた方がいらっしゃればお話伺いたいと思うんですが。ちなみにひまわり園はその日にもよりますが、「僕頑張る」って言ってスムーズに通えることが多いです。
Kyoko Aoyagi 何か嫌なことがあるのかもしれませんね。
うちも、ひまわり園と保育園を併行で通わせていましたが、保育園をすっごく嫌がって「私保育園やめます!」って宣言されたこともあるんですが、でも、よくよく聞いてみたら給食が嫌だったみたいです。
保育園は全部残さずという指導もあったようで、とにかく給食が嫌だと…。だから、先生に話をして給食が嫌で保育園に行きたくないというので、無理はさせないでいいですと伝えることで解決しました。
お友だち、先生、給食…なにかひとつでも嫌なことがあるとそういうふうになることもあるのかなと。
中山さん まだ会話があまりできなくて、最近やっと単語を少しずつしゃべるようになったくらいなので、何が嫌なのかを聞いても反応がないのでちょっとわからないんです。
サオリさん わたしは選択肢を単語でいくつか用意して選んでもらうという聞き方をしていました。
選択肢として考えられるものをいくつもいくつも出して、あてはまるものがあったときに「それ~!」って相当嬉しかったようで、それからは人に伝わるのって気持ちがいいんだって本人もわかったみたいで、その後、なにかわからないことがあると「これ?これ?これ?これ?」って聞くようにしてあてはまるまで全部、細かく聞いていくと答えに出会えるので、だんだん2年も3年もたって言葉で伝えられるようになったかなって。
学童も1ヵ所、行きたがらないところがありまして、もう一ヵ所は喜んでいく。何か嫌なことがあるんだろうなと思いながら半年ぐらい行かせていたんですが、最近聞いたら一方は頑張っちゃうと言うんです。もう一方はわがままが言えるようなんですね。だから、今、お話伺っていてやっぱり何かいやなことがあるのかなっていう印象を受けました。
Yさん うちもひまわり園に喜んでいく一方で、幼稚園にはいきたがらない時期がありました。
というのも、幼稚園では頑張らなくてはいけない。うちは補助の先生が全くつかない幼稚園だったので、先生1人で30人ぐらいの園児をみるんですよね。
うちの子は協調性はあるのでニコニコしながらいたとは思うんですけれども、やっぱりプリントの課題でもみんなはうまくかけているのに自分はマルもうまく描けないとか。頑張っても自分はできない、それで行くのを嫌がっている時期はありました。
ひまわり園は本人に合わせた課題が用意され、本人と似たような子でクラスが編成され、できなくても無理はさせない。なので、ひまわり園は週1回しか通わなかったけど、そちらに行きたがっていました。
Kyoko Aoyagi やっぱり健常の子の中でやっていくというのは本人は大変ですよね。
瀧川さん 原因があるのがあるので見つかるといいなと思うのと、学童をやっている立場で言うと、何でも言ってほしいなというのがあります。
こちらかも投げかけることはあるんですが、両方で同じ目標をもたないと噛み合わないので、小さいことでも言ってもらうのが一番で、目標を統一するという意味でもお互いにやりがいがあると思います。
また、お子さんをお預かりしていて時々対応に困るケースについては学区の学校に時々お聞きするんですが、ご本人は学校の先生は一クラスだいたい40人とかいる中で把握できていないことが多いんですね。
初期対応って大切だと思うんですけれども、今の学校はひとりひとりをみることが本当に難しい状況の中で、子どもたちは頑張らされているというのがあって、できる子はいいんですができない子はすごく辛くなっている。
お友だち同士でも、最初は一緒に来てほしいと思っていても、私はこんなにがんぱっているのに、どうしてあの子はがんばらないっていうふうに、仲が良くても休んでいる子はそれをさぼっているというふうにだんだん見方が変わってきてしまうことがあって、それはとても不幸だなと私は思うんです。
なので問題が小さいうちに対応してもらえるといいなと思うんです。そのためには、お互いに意思相通ができるといいなと。
五本木 学校にしても学童にしても、お互いにコミュニケーションが取れているに越したことはないんですが、やっぱりコミュニケーションが取れないからこそ価値観の違いだとかひずみが生まれてしまうのかなって思うんですが、親としてもなかなか発信しづらい部分もありますよね。
でもそこは親として頑張らなくちゃいけない部分かなって自分でも思うんですが、
Nさん 現場を持っていると、やっぱり頑張らなくちゃいけないところと頑張らなくていいところとあって、現場としてもそれが悩みなんですよね。
やっぱりできた方がいいのは当たり前なんですが、人間なのでホッとする場とか気を抜ける場っていうのは絶対にないと困るんですが、特に小さい子は遊びとか想像する力を持たないといけないし、言われてやるんじゃ意味がない。今の学校はそれが自分でできるようにっていうのもひとつ大きな課題で、そうするためにどうするかっていうのを考えるのも学校の役割かなって思います。
まだまだ学校の可能性って大きくて、この『みんなの学校』だったりをもっと広めて、支援するだけじゃなくてそのこ自身の力をつけるというところを共通理解にしていければ変われるんじゃないかなって。
[ちょっと脱線]『みんなの学校』は横須賀では無理なの?横須賀市の支援教育に足りないもの
五本木 『みんなの学校』の内容もそうなんですけれども、今、横須賀って支援級も先生の体制も教育方法もある程度決まっていて、保護者もそういうものだって思っている支援級や支援級の先生を見ている。
でも実際、どんと飛んで、大阪にそんな小学校があると知ってこういう見かたってありなの?っていうところの気づきというものを保護者も知るべきだなっていうのが主旨で今回上映会に至ったんですけれども、先生もそうだし、関わって下さる方も地域の方も、もちろん保護者も健常児の親御さんもそうなんですけれども、みんないろんな視点があるということを知ってもらうことが大事なのかなって思います。
小幡さん あれを見てね、自分じゃ無理だなって思ってほしくないというのがありますね。
他の市でも教員向けに上映会をやっているんですね。それを見た後にやりたいなって思った先生もいると思うんですが、「うちじゃできないな」って思った先生も多いんじゃないかなって思うんですよね。
それじゃ何の意味もなくて、もちろん地域としてやることもいろいろあるんですけれども、学校なので先生たちも頑張らなくちゃいけないところは頑張らなくちゃいけないなって思うんです。
さっきすごく忙しいっていうお話もあったんですが、それも問題で、今、特別総合支援教育研究所に全国から教員の方が研修に来ています。養護学校の先生であったり支援教育を学びに来ているんですが、3か月とかいう期間で来ていて横須賀にきていながらその間、障害者施設の会合とかにも顔を出したりとか積極的に学んでいます。
横須賀でもしっかり休んでしっかり研修を受けられるような体制というのは市とか県が用意しなければいけないのかなと思います。
Nさん 現場を持っている人はやっぱり研修の吸収も早いですよね。私も研修を受けてみて、実際の状況と重なるんですよね。
小幡さん だから今は巡回はやっているんですが、ちょっとレベル的には物足りなくて、研修も巡回もちゃんとやっていますと教育委員会は言うんですけれども何が必要とされているのかはちゃんと保護者の意見も聞いてやらないとやっているだけでは意味がないですよね。
そして若い先生方の中にも言えない人がいると思うんですよね。一生懸命な先生ほど言えなくて1人で頑張ってそれで精神的に参ってしまうという先生は若い先生には特に多い。
もうちょっと市のほうで人材とか研修の体制を整えないといけないなと思います。
五本木 sukasuka-ippoのサイトでも取り上げていますけど、特総研(特別支援教育研究所)とか久里浜の筑波特別支援学校とか専門的な機関とか研究所が横須賀にあるということを先生自体が知らないという、まだそういうレベルなんです。
それこそ全国からそうやって研修に来て、一生懸命勉強して、それをみんな自分のところに持って帰って現場で生かそうと頑張っているのに残念ながら横須賀の先生は来られていないと。
で、その特総研は発達障害のことを研究している国立の機関なので、教え方にしても教材にしても本当にプロフェッショナルの研究をしている。そこをどんどん使ってくれと門戸を開いているのに横須賀市ではなかなか来ないというのが残念で、本来なら「横須賀に研究所がある。だから横須賀市の支援教育の水準が高いのね」って言われなくちゃおかしいのになって思う。
そのためには当事者として、保護者として意見を出していかないと変わっていかないと思うんですよね。
[質問06]生活面の相談も支援級の先生にするんですか?/相談のコツと連絡帳活用のススメ
ゆかりさん ひまわりと幼稚園と併行通園をしているんですが、それぞれ求めるものが違って、ひまわり園は細かいところに先生も気づいてフォローしてもらえますし、就学した時に学校面のことは先生が見てくれるだろうけど生活面について相談したいなと思った時に誰に相談できるのかがわからなくて不安です。
養護学校なら専門性の高い先生が揃ってるだろうからそちらに行くべきなのか、生活面のことを相談する場所があるのかなというのがちょっと心配なんですけれどもどうですか?
五本木 本当はそれは学校の先生でいいんですよね。
ただ、先生がそれを把握していてちゃんと対応ができるという水準にある支援級という条件付きにはなりますけれども、そうすればまかなえる。
また、保護者から相談を受けた支援級の先生がさらに意見を聞ける場所として武山養護や市立養護が基幹センターみたいな位置づけになっているので専門の先生に意見を聞くことができる仕組みにはなっています。
Kyoko Aoyagi 私は生活面も全部学校の先生相談しています。やっぱり排泄だったり食事だったりは学校の中でもあることなので、学習面についても宿題がたくさん出されて、家ではこういうふうに教えてくださいというようなことを先生の方から指示もあります。先生にもよるのかな…
五本木 そうですね!それはいい先生にあたったケースデスのよね。
ただ現状としては、生活面のことを聞かれても困るという先生もいると思うので、ただ本当はそうじゃいけなくて、もし先生がそうおっしゃるのであれば、親の方から「専門の先生に聞けるみたいですね…」とか。本来はそういうふうに生活面についても聞けなければいけないですよね。実際に支援級に通われていかがですか?
サオリさん 相談すると、「できることとできないことがある」ということもあって、そういう時は私の方からも「こんなことが最近こうなんですよね」というふうに持っている情報を共有できるように働きかける努力をして、先生と保護者で一緒に成功を喜んでいける形にもっていきたいなと思っています。
Yさん 例えば生活面の相談ってどんなことですか?お風呂は家のことですけど、ごはん、着替え、順番を守るとか、友だちとうまくやるとか、もう朝8時から午後3時まで学校にいて、もう全部学校の中のことですよね
家もあると思うけど、学校がほとんどだと思うので私はそんなに問題を感じたことはなかったですけど。ポンポン全部相談しちゃっていました。気にしていませんでした。朝の会話で、なんでも軽く日常的に話題にしていました。
山田さん うちは相談というより報告と言うかたちで、たとえば昨日は家でトイレに何回行けましたとか、先生と一緒に考えながら、ちょっと給食で三点持ちにチャレンジさせてくださいってお願いしちゃったり、一緒に考えながら見守ってもらう形にしています。
それで、長い休みがあった時もどうやって過ごしていたかとかを報告しながらして言っている形。今のところは生活面の困りごとが相談できなくて困るということはありませんが、これからはわからないかなとは思っています。
Nさん 口で伝えるってなかなかチャンスがないですよね。だから、私は連絡帳が頼りになるなと思っています。書いた内容と言うのは残ってしまうので、慎重に読み直しながら書くんですが、保護者の方からは昨日こういうことがあったということをダーッと書かれるといいと思います。
出来事だけではなく、その時の様子やこういう風に受け止めたとかこういう表情をしていたとか、そういうのも箇条書きでもいいので書いておくと、読み返せます。
口で伝えるだけだと「それはちょっとわからないですね、勉強しないと」なんて言ってもそのあとが続かないんですよね。
意欲がないわけではなくて、書いてあると見直せるし、教師のほうでも学校であったことも記録しておくことで振り返ることができるので便利だなと思います。
入学されるにあたって、療育を受けられている方は個別療育プログラムを渡されていると思いますが、そういうのをマーカーでメモしてもらったり、うちの子はこういう風にしてもらえるとうまくいくんだというようなこともあると思うんですよね。そういうのをわかりやすくマーカーしてファイルに付け加えてもらえるといいのかな。
[質問07]介助員制度・学校の支援制度は機能している?横須賀市の抱える問題
瀧川さん 今、介助員の制度があって、そのあたりをちょっとお聞きしたいんですけれども、私が何年か前に調べた範囲ですと、介助員の研修がないんですよ。
なり手も地域の方ぐらいで特別な資格もないのが現状なんです。
なので、やはり教育的配慮ができていないのが現状でそこは横須賀の抱える課題だと思っているんです。なので、介助員についても取り上げてもらって、まずそこに研修を入れてもらいたいです。今は手探りでやってしまっているんですよね。
小幡さん 支援級内に本当にコアな先生がいる支援級であればこの人が指示を出して動けるし、介助員さん自身も学べると思うんですけれども、例えばベテランの先生が転勤してしまった後なんかは結構大変なんです。
そして、学校の先生に相談しづらいという時に教育委員会の支援教育課のところに電話をすると相談支援チームというのがあって、その学校に巡回してくれて、支援級の先生と一緒に実際にそのお子さんとの関わりを見ながら支援の方法を指導してくれるようなシステムがあることはあるんです。
今までも学校から要請してきてもらったことはあるようなんですけれども、保護者から直接要請があって派遣をしたこともあるというふうに教育委員会から聞いています。介助員の研修については検討してみます。
Nさん わからないこと、困ったことがある時はあきらめるんじゃなくて、わからないことを一緒に考えてくれる仲間を増やすといいと思います。
それは、担任の先生もそうですし、学校の校長先生、こういう当事者同士、そして養護学校や教育委員会などの支援のシステムでもいいと思います。
わからないことを共有することで校長先生や学校も勉強できるし、その支援が他の人にも繋がると思うので、わからないからということで終わらないでほしいと思います。
ひまわり園の先生は就学後のフォローアップには関わらないんですか?
Kyoko Aoyagi 電話でフォローはいただいています。
Nさん 電話??いろいろと予算的なことはあると思いますが、できれば学校支援システムとかがあるといいですよね。横浜ではありますから…。
瀧川さん 青い鳥さんがやっているので、横須賀市でもおそらく委託項目に入れてもらえば可能なのかもしれません。
[質問08]小学校に上がると見学は自由にできますか?
Kyoko Aoyagi うちは結構見学しています。
五本木 それも役員とかをやると本当に学校に行きやすいです。自然に目に入りますし。学校としては、保護者が学校に来ることで「なんで来たんですか!!?」ということはほとんどないと思います。
Nさん おそらくどんどん見学されてもいいと思いますが、ただ在籍しているお子さんによっては突然人が来ることで驚いてしまったり集中できなくなってしまうお子さんもいると思うので、事前に先生に声を掛けておいたほうがいいかともいます。
行きたいと思う気持ちは積極的に伝えることが大切だと思います。
サオリさん 実際に学校の様子を心理の先生に見に来てもらったことがあるんですが、それは1回だけで、たまたまその日、調子が良かったし、学校側もその子が最大限に能力を発揮できる授業をチョイスしてくれたので「なんだ大丈夫じゃん」という話で終わってしまったのですが、やっぱり色々な場面もあるし、相談に対応はしてくれるけれどもなかなかそれではステップアップにはつながらないのかなと思いました。
・・・
ということで、残念ながらここでタイムアップ!!
やはり話題がもりもり!そこで…
次回のsukasuka-actでも、横須賀の支援教育について語りましょう!!
開催日時/ 2016.11.21(月)10:00~11:45
会場/ 総合福祉会館 6階、第2研究室(和室)
詳細・お申し込みフォームは間もなく設置!!
sukasuka-ippo代表・五本木愛の視点
今回は色々な立場・目線からのお話が聞けて、本当に有意義な意見交換の場となりました。
就学前(幼稚園)と就学後(小学校)ではかなりの環境の差があります。保護者間の繋がりも大分変わってきます。その中で支援教育の根本を理解し、学校側と連携を取れている方ははたしてどのくらいいるのでしょうか?そして、今の現状を「仕方ない」「これが当たり前」と思っている保護者の方がどのくらいいるのでしょうか?
自分ひとりで何かをするのはとても勇気がいることですし、誰もができることではないと思います。でも、まずは他の学校や保護者のことを知るというのも当たり前を覆す大きな変化に繋がります。
また、担任の先生とのコミュニケーションのコツや伝え方が変わるだけでも大きな変化に繋がります。
そのように自分ができることを知るきっかけになればいいなという想いで今回、『みんなの学校』の上映会を開催し、上映会後の感想会を企画しました。
少しずつでもいい、横須賀市の支援教育がより良いものに変わっていくことを切に願っています。
misaの感想メモ
映画の感想は、やはりあのような学校があると良いなぁという感想や当事者だけでなく、より多くの方に観ていただきたいという意見が多くありました。
ぜひ先生方や学校での上映が可能になれば良いなぁと思いました。
支援級のお話しでは、これから就学を間近に控えた我が家にはとても興味深いものでした。
まず率直に感じたことは、支援級に進まれてとても成長したというお話しです。
ひまわり園や併行先の幼稚園とは大きく環境が変わり、学校生活に慣れるのにいっぱいいっぱいなのかと思っていたけれど、
もちろん環境に慣れるのもそうですが、興味がなかったひらがなが書けるようになったり、オムツだったのが布パンツにパットをつけて過ごせるようになったりと、学校生活だけでなくそれぞれの成長もしっかり出来ている様子をお聞きしてとても励みになりました。
それから、学年が上がるにつれて段々と周りのお友だちも自分じゃなくてもどこかで誰かが見ているでしょ?という空気になってきているという、現実はそうか…と思うお話しもありました。
また、お友だちが好きだからかかわろうとしても、嫌がられたり無視されてしまったりというのもあるようで…。
うちの子もお友だちが好きだから話したいしあそびたいという思いから、お友だちとの距離間が適切でない所があります。
これはまだまだ課題な所だなと感じました。
そして「周りのかかわり方より、本人がいかにどう対処できるか」
これはとても印象的で勉強になりました。
reikoの感想メモ
我が家も1年前は息子を支援級に入れるか養護学校に入れるか、本当にとても悩みました。
息子に関わる色んな方に相談したり、色んな方からアドバイスを頂いたりして、就学先は養護学校に決めました。
今回のアクトに参加し、実際に支援級に通っている子のお母さん方からその様子を聞くことができ、本当に学校によって支援級の在り方は様々なんだと実感しました。
学校によって違いが大きいと親は就学先を決めるのにとても悩みますし、入学させてみなければ分からない、というようなことになります。
ある程度どこの支援級に行ってもそんなに差がなく、安心して子供を通わせられる環境なら悩みも減るのでは、と感じました。
開催日時/会場
2016.10.13@ヴェルクよこすか
参加者
―Guest
山田さん/ゆかりさん/ななさん/Yさん/溝口さん/サオリさん/中山さん/
学童運営・瀧川君枝/すまいるカフェ・Nさん/横須賀市議会議員・小幡沙央里さん
―Member
五本木愛/reiko/misa/Kyoko Aoyagi/ゆかねこ/pototon
―託児ボランティア
竹下さん/塚本さん
―ナースボランティア
田中さん/高橋さん
テープ起こし
ゆかねこ/takeshima satoko
編集
takeshima satoko
sukasuka-ippo
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