2016.05.27開催
sukasuka-act.01
参加者/ しょーごママさん
きっかけは、お友だちのお母さんがフェイスブックでいいねしてくれたこと。それがきっかけで、『sukasuka-ippo(すかすかいっぽ)』を知りました。
正直、『sukasuka-act(すかすかあくと)』に1人で来るのはどうしようかなと思い、ものすごく悩んだんですが、きっとこの機会を無駄にしたらいけないんだと思い、頑張って参加しました。
息子・しょーごは現在10歳の小学5年生。今、武山養護学校に通っています。未就学の頃はひまわり園に通い、こどもひろば風との併用でした。今は放課後デイでピュアさんと風キッズに通わせています。
・精神運動発達遅滞
・しゃべることができない
・言っていることの理解ができない
・食事も手づかみ
・トイレは自分で表現できないので先生が時間を決めて連れて行ってくれればできるけれどももちろん失敗してしまうことも多々ある
という状況。
幼稚園の年長の妹(健常)がいます。
何がわからないかがわからないので、こうして皆さんとお話しすることで何かを発見できたらいいなと思っています。
第1回トークテーマ『我が子の障害、どう受け止めた?』
男の子の成長ってのんびり?徐々に気になる発達の遅れ
うちは首が据わる前からのお友だちがいて、当時は健常であることを疑ってもいなかったので、周りが寝返りをうって、ハイハイして、うつ伏せして、バイバイするようになって…という時期に「うちの子はバイバイしないな」って、すごく気になっていました。
でも私自身が2人姉妹だし、うちの親にしても「男の子ってのんびりだよね」(一同/「あるある!!」)なんて言ってたけど、周りの男の子を見ても、つかまり立ちして手を振って「ママ」なんて言っているのに、うちは座っているのが精一杯という状態。その後も、公園で滑り台を逆に上っていける子がいる中で、うちの子は砂をいじって口に入れてベーって吐き出すばかり。
そんな時に届いた1歳半健診のお知らせ
その内容を見たら「そんなことできるわけないじゃん!」っていうことばかり。正直、「そこが基準なのか…」ってびっくりして、会場に行ってもそこで答えたアンケート用紙のすべての項目が「いいえ」だったんです。歩き始めの時期を問う設問にも、「まだ歩いていません…」。
小部屋に呼ばれて、色々と相談先を教えてもらった中で、病院で検査をしてくださいということで紹介状をすぐに書いてもらいました。
病院で検査。何も出ないと障害じゃないの?
そして、それこそ血液も採ったし、MRIも撮ったし脳波もとったし、いっぱい検査をしたのに、病院では何も出なかったんです。
そこで、担当の先生に言われたのが
- 何も出なかったので何もできません。
- 何かしたかったら自分で調べなさい。
- (当時の)マザーズっていうのがあるから自分で調べて行ってみれば?
でも、何の障害なのかもわからない状態で、自分で調べてそこに行ってみる勇気が、私には正直ありませんでした。
「この子は普通とは違うけど、何も障害はない。もちろん自閉症でもないし、どこも悪くない。お母さん、この子はまだスイッチが入っていないだけだよ」とも言われました。でも、「どう見てもスイッチが入っていない子じゃない!」って思いながら、周りのお母さんに相談しても、もちろん「○○に行ったほうがいいよ」なんてアドバイスできるお母さんなんていないじゃないですか。それで、しばらくモヤモヤしていました。
カンガルー教室、そして別のところ…なかなか見つからない居場所
そして、そのお手紙に誘われてカンガルー教室に行ってみたら、そこにいる子どもたちのほうが、息子よりはるかに上で、「どうしよう」って思ったときに、そこでまた別のところを紹介してくれたんです。
そして行った先で、それこそまったく歩行ができない子がいたりするところにポンと入れられたわけですが、ついこの間、「あなたの子どもは障害児じゃありません」って言われた親が、そこを自分の場所として受け入れられるはずもなく、それが子どもにも伝わってしまって、息子はその場所で2時間ずっと泣き続け、「すみません、私はここにはいられません」って帰ってきちゃったんです。
療育相談センターができる!?真っ先に予約、子どもを見た瞬間におりた診断
ちょうどそんなことがあった時期に、市の広報で『療育相談センターができます』っていうのを見て、一般受付が開始されるというまさにその日の10時ピッタリに電話して「お願いですから、うちの子を診てください」って。
広瀬先生がその時すぐに予約を入れてくれて…。そして、広瀬先生は診察室で子どもを見た瞬間に
「精神運動の発達遅滞ですね」
ってポロポロって言うんです。
「なんですか?」って聞いたら、「今の医学では発見できないから治せませんよ」ってすぐに返事が返ってきて、続けて「きっと彼も話せるようにはなりませんよ」って。
「もしかしてママって言えたらそれが奇跡です。でも奇跡を信じていていると起きなかった時につらいから奇跡を信じるんじゃなくて、今、これを受け入れてください」って言われて…。
私はそれが衝撃だったけど、その場ですぐに診断を受け入れられたんです。
受け入れられない旦那。受け入れのきっかけは療育手帳
でも、旦那は受け入れられなくて…。(一同「あるある!!」)
それを広瀬先生に相談したら「男の人は受け入れられないからほっておきなさい」って。
「でもいつか一緒に来られる時がきたら、僕から説明してあげるから焦らないほうがいい。男の人はへそが曲がっちゃうと治せないから」って。
旦那はそれまでずっと「大丈夫だよ、いつかみんなと一緒になるよ」って言い続けてましたが、彼の中でも受け入れたいけど受け入れちゃったら苦しくなるっていう葛藤があるのが目に見えていたから、何かきっかけを与えなくちゃと思いました。
そこで私が考えたのは療育手帳でした。
年少さんにあがる時に、教室で療育手帳の話を聞いてすぐ、私は療育手帳を取りに行って、たぶんこれだったら『うちの子は障害児です』っていうハンコを押されたことになり、受け入れなくちゃいけない状況になる、そうなったら旦那は受け入れられるって思ったんですね。
そして、療育手帳が交付されたその日に主人は受け入れました。
旦那も受け入れたかったんだな。欲しかったのはきっかけ
「これをもらったからには、僕はもう、ちゃんとしょーごのことも理解しなくちゃいけないね」って。
たぶん彼の中でも「どこかで信じていたい」「他の先生には診てもらってないじゃん」っていう葛藤があったのかもしれません。でも、そこで顔写真入りの重度の療育手帳を持って、旦那に「どうする?」って言ったら「じゃぁ、先生と面談する予約を取ってください」と言ってくれて、すぐに先生に伝えたら、「この時間だったら15分とれるから、ご主人を連れておいで」ってすぐに予約をとってくれて、そこで全部話をしてもらいました。
そこから主人は本当にコロッと変わって、「やっぱり主人も受け入れたかったんだな、なにかきっかけが欲しかったんだな」ってって思いました。
周りの人への周知は自分から全部しゃべる
下の子が幼稚園に入った時に、お兄ちゃんを一緒に連れて行かなくちゃいけない場面も増えてきて、そうすると「○○ちゃんのお兄ちゃんっておかしくない?」って言われるのがすごく嫌だったので、懇談会の時に私は全部しゃべっちゃいました。「障害があって意思疎通ができないので手をあげちゃうこともあると思いますが、そういう時は何でも言ってください!」って発信したんです。
6年前に引っ越しをした時も、ご近所20軒ぐらいのあいさつ回りに息子も一緒に連れて行って、全部説明しました。その時も今も脱走するような子ではなかったんですが、「もし何かあったら…、例えばひとりで歩いているようなことがあったら…、この顔を見たらすみませんが連絡ください」って最初に言っちゃいました。
周りから中途半端な情報で耳に入るよりはいいかなと思ったんです。
もちろんそれで離れていってしまったお母さんたちもいっぱいいたし、それでもちゃんと一緒にいてくれた友だちもいたから、そういうお母さんを大切にしていけばいいのかなって。
周りの目も気にしない!全然気にしない!
外食とかも10歳過ぎて手づかみで食べていると、それこそすごい目で見られるんですけど、「だから何?」っていう気持ちが私にはあって、全然、気にせずにファミレスとかにも入るし、ウェットティッシュいっぱい持って行って「最後に床まで全部拭けばいいや」って、着替えも持って。ただ、それを見ている下の子がどう思っているかはわからないんですけど。
兄弟児の集まりを作りたい!
下の子のお友だちが最近「○○ちゃんのお兄ちゃんって、いつになったら喋るの?」というようなことを、下の子に聞くようになってきて、「ついにこの時が来たか!」って思っています。
これまでは私に聞いてくれたから私のほうで「いつか喋れるようになるかもしれないから楽しみに待っててね」と返事をすることができたんですが、子ども同士でやり取りをするようになって…。
でも、聞いていたら下の子は下の子で「お兄ちゃんはしゃべらなくてもいいの!これがわたしのお兄ちゃんだから!」なんて言ってるんですよね。「この子のほうが強いな」って。
そのまんまだから、これでいいのかなと思いながらもやっぱり兄弟間の話は他の方にも聞きたいなって。みんなどうしているのかなって。娘は来年小学校に上がるんですけど、6年生のおにいちゃんがいるけど同じ学校にいないということもどう感じるのかなって、成長するにつれて色々感じると思うんですけど、どこかで障害があるお兄ちゃんお姉ちゃんがいる兄弟だけで集まれる場所が欲しいなって。大人がいる場所でなくてもいいから兄弟児さんが悩みや思いを共有できる場所っていうのを作ってあげたいなって思います。
関連記事>>【開催報告】sukasuka-act.01トークテーマ『我が子の障害、どう受け止めた?』
2016.05.27
@sukasuka-act.01
発言/ 参加者 しょーごママさん
編集/ Takeshima Satoko
sukasuka-ippo
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