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【パパ&ママ手記】どんな子育ても悩むのは同じ!たくさんのものに出会えたことに感謝 /娘はダウン症候群21トリソミー・小学3年生の今 bySUMI

小学3年生になる私の娘は、ダウン症候群21トリソミー。

生まれてからダウン症と診断されるまで、幼稚園~小学校と成長していったことなどを振り返りながら、今の娘についてお話したいと思います。

また、私たちが所属している「つくしの会」の会報で載せていただいた主人の手記も、一緒に読んでいただければと思います。

・・・

結婚して7年目。
私たち夫婦の間に家族が一人加わりました。

生まれたのは、3260gの女の子。

「一葉(いちよう)落ちて 天下の秋を知る」
=わずかな前兆を見て、後に起きることを予知することのたとえ

ということわざから、主人が願いを込めて『一葉(かずは)』という名前をつけました。

生まれてからはとにかく授乳の毎日!だけどうちの娘…

出産から間もなく、3時間おきの授乳がスタート。
夜中でも時間になると看護師さんが起こしに来てくれて、眠気と戦いながらもおっぱいを吸わせていました。

ただ、娘はとにかくよく寝る子だったので、授乳の時間になっても起きず1時間もおっぱいを出したまま「飲んで~~」と格闘することも…。

母乳だけで頑張ることが娘のためだと信じてやまなかった私。でもそれが落とし穴に…

「母乳は赤ちゃんにとって一番いいもの」

という意識が強かった私は、退院後もとにかくおっぱいを吸わせることに夢中になっていました。

ところが…

病院では看護師さんが授乳量を管理してくれていましたが、自宅に帰ってからは娘がどれくらい飲んだのか把握しておらず、娘自身の哺乳の力も弱かったせいか1週間健診では体重が落ちてしまっていました。

「入院させますか?」と言われて焦り、「もう1週間待ってください!」とお願いしてその日は帰宅。思い切って母乳とミルクを混合にしてみたところ、その後体重が増えてきたのでホッとしました。

すすめられた染色体検査。結果を待つあいだ、夫婦で意思をひとつに

娘は手の力が弱く、生後数日で染色体の検査をすすめられました。

”染色体異常=ダウン症の疑い”
なのだろうと、主人はすぐに思ったようですが、

「どんな子であっても、自分たちの子供なのだから責任を持って大切に育てよう」

と共に意思を固め、検査を受け結果を待ちました。

そうしてダウン症が確定したのは1ヵ月健診の時。
幸い、ダウン症児に起こりやすい出産時の合併症はありませんでした。


▲一葉、1歳のお祝いで一升餅を背負いました


▲近所の公園にて。歩きたい気持ちを抑えられない~!

この頃、血液検査では甲状腺の数値が低いとわかり、3歳のときに「潜在性甲状腺機能低下症」と診断され、甲状腺ホルモンの摂取を始めました。

幼稚園に入り周囲との違いを実感。でも、それが娘なんだから!

幼稚園は、筋力が弱い娘の刺激になるよう遊具がたくさんあるところを選び、お試し保育で半年通ったのち、年少で入園。


思うようにいかない時は椅子に座らなかったり、保育参観で私の姿が見えると「おかーさーん!!」と泣いて抱きついてきたりする娘を最初は恥ずかしいと思っていましたが、「それが娘なんだから」と私の中で少しずつ気構えができるようになりました。

そんな娘は今、地域の小学校へ歩いて通っています

心も体も成長した娘。たとえば…

  • 歩いて学校へ通うことで体力がついた
  • 同じ支援級のお姉さんお兄さんたちを見て、精神的にもグンと成長!
  • 交流級のお友達が見守り応援してくれることで苦手なものにも挑戦できるように!

好き嫌いが多い娘ですが、給食で苦手な野菜を食べられた時にはクラス中が「頑張ったね~!」と拍手してくれるそう。同級生のお友達に聞くと「かずはちゃんは、クラスのアイドルみたいな存在!」なんだとか。

学習は本人の意欲をうまく引き出すのがコツ

授業は基本的に交流級で学ぶことが多いですが、なかなか理解に時間がかかる国語・算数は支援級で勉強しています。

【国語】ひらがなの読みと1年生の漢字の読みはクリア。
だけど書くのはまだ苦手…
▽▽▽
好きなものと繋げることで意欲アップをねらいます!
たとえば漢字の「うかんむり」だったら、プリンセスのティアラに例えて「カタカナのウが頭にちょこんと乗ってるね」と教えるとテンションがガラリと変わって楽しく書ける!など。
【算数】数の概念を理解することが難しく、10までの足し算がやっと。
▽▽▽
同じ計算のプリントを繰り返しやることで自信をつける!

というように工夫しながら、娘のペースで進めています。
日常生活もそうですが、知恵比べの毎日です!

プライベートもかなりアクティブに楽しんでいます!

性格は引っ込み思案なところもあり大人しそうに見えますが、実はおしゃべりが大好きな仕切りやさん。


▲バレエ教室に通っていて、将来の夢はバレエダンサーなんだとか。家では好きな曲ばかりを集めたCDに合わせて創作ダンスをよく踊っています。


▲歌も大好き!ちょっと(かなり!?)ずれてますが、カラオケではマイクを離しません。
最近では、中学校2年生の従妹に影響され、「“嵐”が好きなの」と言い始めた!

他にも、
Youtubeでよく見ている動画のまねっこ遊びや人形を使ってのごっこ遊び、しりとり遊びなど、好きなことがたくさん!

ちなみに苦手なものは…
昆虫類、爬虫類、甲殻類…そして怖い話!(あとあとまで思い出して急に怖くなる)

娘を授かったことで出会えたものがたくさんあります

娘と外へ出掛けるきっかけとなった義母に感謝

娘がうまれた当時、家には義母がいたのですが、子育てについていちいち言われることが嫌で、よく外へ出掛けていました。

ダウン症を持つ子は、出来るだけ幼いうちから刺激が必要だと聞いていたので、今思えばキッカケが何であれ外に出る機会が増えたのは良かったと思っています。

そんな義母とも今では色々と話せる仲!娘が産まれる前よりずっとお互いのことが分かるようになったと思います。娘にとっても私にとっても、本当に大事な存在です。

『横須賀ダウン症児者の会 つくしの会』への入会

娘がダウン症と診断を受けても、同じダウン症の方やご家族が集まる団体に入ろうとは考えていませんでした。

ところが当時とてもお世話になっていた方からすすめられたのをきっかけに、『横須賀ダウン症児者の会 つくしの会』を見学。

正直なところ入会はためらっていましたが、何度か集まりに参加しているうちに、毎回来てくださっていた大先輩ママとお話できることがとても楽しく、教えていただいた「赤ちゃん体操」にも刺激を受け、娘が1歳の時に正式に入会させていただきました。

いろいろな先輩方との交流も増え、相談事を聞いていただいたり本当に支えられています。

【click here!】『横須賀ダウン症児者の会 つくしの会』とは
1986年に三浦半島地域に在住する会員を中心に発足した、ダウン症児者と家族の会です。障害者の住みやすい社会づくりを目指して、活動をしています。

以前、親睦会に参加させていただいた様子はコチラ>>
【取材File】いろんな世代の当事者や家族が繋がれる場所。横須賀ダウン症児者の会『つくしの会』の親睦会をレポート!


マッサージの資格を活かして、ベビーマッサージを勉強。今では仕事に!

私はマッサージの国家資格を持っています。
娘が生まれる前は大人しか施術をしたことがありませんでしたが、赤ちゃんの頃から刺激を与えることが発達にいいと知り、つくしの会の「赤ちゃん体操」をきっかけに「ベビーマッサージ」の勉強をはじめました。

娘は毎日「さすって~」と言ってくるくらい、本当にマッサージを受けるのが大好き。
また、娘だけではなく他の子どもたちとも触れ合う中で、

こんなに子どもって可愛かったんだ!
育児をするママはみんな大変!応援したい!

そんな思いが芽生え、今では少しずつ、ベビーマッサージを仕事として始めているところです。

これも、娘なしでは出会えなかったことだと思います。

絵本の読み聞かせで学校の子どもたちと繋がった!

娘の小学校には図書ボランティアというものがあり、絵本の整理をしたり、毎週金曜日には学校の子どもたちに向けて読み聞かせをします。私も主に朝の読み聞かせの活動に参加させてもらっています。

図書ボランティアになると学校の本を借りられるという特権があるので、練習も兼ねて娘に読み聞かせをたくさんしました。
そのおかげか、娘も自然と本に触れる機会が増えて、お気に入りの本もできました。これはとても嬉しい!

学校の子たちに顔を覚えてもらえることも多く、「かずはちゃんのお母さんでしょ~?」とか、「~の絵本楽しかった!」「感動した~!」と声をかけてくれることが増えました。高学年の子はあまり大きな反応はありませんが、きっと何かを感じてくれていると思います。

同じ本を読んでも、聞いている子どもたちが全員同じように感じるとは限りません。
これは娘のことにも言えますが、100パーセント同じように理解してくれる人なんていないでしょう。だけど何かの関わりのなかで少しでも知ってもらうことが、「わかる」に通じるのではと思います。

絵本と学校の子ども達との出会いも私の宝物です。

悩むことはたくさんある。でもそれってどんな子育てでも当たり前のこと!

娘の育児に悩むことはもちろんたくさんあります。

教えても分からないことがあると「なぜわからないの?」と思うこともあります。

我が道をゆくマイペースな娘を見ていると呆れてしまうことも沢山あります。

でも、健常なお子さんでも悩まない親っていないと思うんです。
幼稚園や小学校で他の親御さんの話を聞くと皆さん何かしらの悩みを持っています。

だから子どもに対して悩むことは当たり前。
子どもが壁につまずいた時、導く方法を教えてあげるのが大切なんだと考えるようにしています。


▲家族で迎えた七五三祝い

・・・

【パパの手記】ダウン症を持って生まれてきたことはひとつの『出会い』

平成20年11月25日、私たち夫婦の間に家族が一人加わった。

3260グラムの女の子。

子供が授からないなら授からないなりに夫婦だけの生活を楽しめばよいと思っていたので、特別なことをしたわけではないが、ようやく縁があって産まれた新しい命だ。
私は、仕事の帰りに毎日病院へ寄った。

生後何日目だったか覚えていないが、妻が私にこんな事をいった。
「今日、先生が手の力が弱いから染色体の検査をしたいと言ってた…」
その言葉を聞いて、実際に声を発したか定かではないが、「あっ…」と私は言ったような気がする。
染色体異常=ダウン症の疑いなのだろうと、すぐに思った。
パーセンテージは覚えていなかったのだが、出産年齢が上がるほど、ダウン症の割合は高くなることは知っていた。

その日、帰宅した私はパソコンでダウン症について調べ始めた。

それまでの私の知識では、ダウン症は21番目の染色体が3つある非遺伝性先天性の染色体異常であり、小柄で扁平な頭、兎眼を特徴とする独特の顔貌を持ち、ときに心臓疾患などの内科的疾患や知能障害を伴う、…という大雑把なことぐらいしか知らなかった。
webサイトにはその他にも、手にますかけ線という一本線があるとか、足の第1趾と第2趾が離れているなど、色々書かれていたが、とにかくうちの娘は「そうではない」という根拠をさがしていたのである。しかし、退院して1ヶ月後の医師の説明によって、ダウン症であることは確定した。

ただ、その時に強いショックを受けたかというと、正直なところ、そうでもなかった。

もちろん、まったく不安がないわけでもない。
健常児と違い、子育てのゴールが思い描けない。成人しても親の保護が必要とされるかもしれない。といってもどう考えても私たちの方が、先に死ぬ可能性が高いのである。
ただ、私は元来楽観的な性分なので、きっとどうにかなるさと思う。考える時間は充分にあるのだ。明日のことで思いわずらうなである。

私は、長生医学という手技療法による治療を生業としている。その私の師匠がこんなことを話してくれた。
”友人の娘さんがダウン症で病弱であったため、体を丈夫にするという目的で治療を行ったところ1年程でとても元気になり、成長と共に知能もずいぶん発達した。ダウン症児としては飛び抜けて優秀で、学校も普通学級に通ったそうだ。現在は成人していて、友達と海外旅行に出かけたりもするらしい。”

これを聞いて私は思った。
「もしかしたら私の治療を受けるためにこの子は生まれてきた?」と。

・・・

全ての人間は、何らかの役割を果たすために生まれてくるのだと思っている。

娘に与えられた社会に対する役割は何だろうか?
ダウン症として生まれてきた意味は何なのだろうか?

それを一緒に探してやることが、親である私たちの責任であり、それもまた私たちに与えられた役割なのかもしれない。

ダライ・ラマ十四世の言葉に「悟りとは、出会いを大切にし活かすこと」というものがある。
悟りという状態が何であるかは私にはわからないが、人生は出会いの連続である。
この出会いは、人との出会いだけではない。物との出会い、この時代との出会い、自分を取り巻く環境との出会い、そして自分がこの自分という人間として生まれたことも出会いなのだと思う。

娘がダウン症を持って生まれてきたことは、親である私たちにとっても、娘自身にとっても、出会いなのである。全ての事が与えられた“出会い”として活かすことで、道は開けていくのだ。

ダウン症の子どもをもった親御さんたちの中には、ショックで混乱してしまう方もいるだろう。
私たちは、娘が社会の中で何らかの役割を果たすことで、そういった親御さんたちの不安を少しでも取り除くための一助になれるよう、我が子を育てていきたいと考えている。

『横須賀ダウン症児者の会 つくしの会』会報より 一部抜粋

2017.08
ゲスト投稿者/ SUMI

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『自分たちが足りないと思うこと、欲しいと思うものを自分たちで作り上げていく』を現実に!夢を1つずつ叶えるために!
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