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【分科会レポート】重症心身障害児者の緊急ショートステイ/ひまわり園で夏のイベント企画中…他(2016.04.27教育分科会)

教育分科会というのは、子育て世代の親が集まり、療育や教育の課題を検討する会。この教育分科会では、横須賀市で障害児を育てる保護者が共有すべき色々な問題が議論されています。

昨年はひまわり園保護者代表として参加してきた我々メンバーですが、今年度は広く障害児者とその家族に情報をお届けできるように『sukasuka-ippo(すかすかいっぽ)』として施策検討連絡会や各分科会に参加する許可をいただきましたので、それらの会で取り上げられた内容を一生懸命学びながら、それをみんなで共有できるように発信していきたいと思います。

今回はその第1弾!教育分科会レポートです。

2016.04.27 教育分科会の主なトピック

教育分科会2016.04.27

【topic.01】『ひまわり園』の休日の施設開放が実現!?保護者会主催のイベントを企画中

このイベントの企画、そもそもはひまわり園の保護者の要望から始まりました。

年に1度、保護者対象に行われるアンケートによって出されたこの要望は2014年度に施策検討連絡会の要望及び療育相談センター次期指定管理者選考委員会に文書で提出されました。これに対し、こども青少年支援課・指定管理者管理課長から得られた回答がこちら。

【要望】休日・放課後に施設を開放してほしい。
【回答】園内掲示物等のプライバシーの問題もあり、一般の人の施設内の出入りは難しい。保護者会(青い鳥)主催の活動であれば休日の施設利用は可能。

【補足】ひまわり園の施設利用については指定管理者である青い鳥の活動に限定されるとのこと。保護者会主催の休日活動を増やすことは許容範囲ではあるけれど、保護者の活動運営に係る負担も膨大になることを考えると、実現は難しいな…という印象。そもそもイメージしていた休日・放課後に気兼ねなく立ち寄れる遊び場としての施設開放については、責任者や職員の常駐が必要になるなど、保護者会全体の活動以上に実現は難しそうです。

【2015.12にひまわり園の保護者向けに配布した報告記事より抜粋】

ということで、せっかく施設利用の許可が得られたのだから何かできないか…ということでこの教育分科会でも度々話し合われてきました。そして、ひまわり園の保護者会主催で通園児童が夏休みに家族と楽しめるイベントを企画しようということになりました。療育相談センターやこども育成部の担当者、そして保護者会代表で話し合いを持ったり、参加者の規模はどのくらいになりそうかの事前アンケートを実施することで、「イベントの内容は子どもたちが楽しめるミニコンサートのようなものがいいかな」など、まだまだ企画段階ですが少しずつ具体的な形にしていこうと思っています。

このイベントの主たる目的は子どもたちが家族と楽しめるイベントであること!
また進捗についてお知らせしたいと思います。

[2016.04.21 療育相談センターとのイベント会議]

【topic.02】職場定着サポーターの募集をスタート!事業の継続性には不安も

就労援助センターの職場定着サポーター(ボランティア)の募集について大きな話題になりました。現時点では、所長が1~2年で交代してしまうことにより、方向性が変わってしまい、現状課題の引き継ぎがうまくいかず、事業の継続性がない現状が問題になっているようです。事業の継続性を求める声や新規就労先の開拓・データの集約への期待の声が上がっています。

新年度(2016年度)の新たな取り組みとして、この職場定着サポーターについてボランティア(交通費程度の支給)を募集していやっていこうということになりました。2015年度については、すでに作業所等から新しく就労させた方について送り出し側の職員が行くことで9,000円/日程度が支払われるという制度はすでにスタートしていて5人ほどの実績はあるのですが、新規就労に限られるためこの辺りは今後の課題と感じます。

また、特別支援学校高等部卒業生の進路についても話がありました。

[2016.02.15の就労分科会からの報告]

【topic.03】防災ワーキングではマニュアルの再検討を始めます!

生活支援分科会からは、防災ワーキングとして今後、一次避難所の開設訓練に参加して、一時避難所内の福祉避難所を円順に開設してもらえるように、障害者サイドからの要望を紹介したりしながら働きかけをしていくという話がありました。

[2016.02.16生活支援分科会からの報告]

【topic.04】サテライト型グループホーム、横須賀市は独自の基準

アパートを数か所借りて運営するようなグループホームがあってもいいのではと、横須賀市が国に先駆けて始めたのがサテライト型グループホームです。そして、それは現在、国が行っているサテライト型グループホームとは違うものであることを勉強会で再確認しました。

[2016.02.16/2016.03.17 生活支援分科会からの報告]

【topic.05】65歳以上の障害者への支援は介護保険サービス?障害福祉サービス?

65歳以上の障害者への支援について、障害福祉サービスと同じサービスがある場合は介護保険サービスの利用が優先されるという大原則があります。しかし、介護の認定を受けて介護保険サービスに移ることで、それまで受けられていたサービスの質を維持できないという問題が出てきてしまします。

こうした問題について生活支援分科会のメンバーがそれぞれの特徴を挙げて、介護保険サービスと障害福祉サービスの違いについて再確認してみました。

その特性をまとめると…

介護保険サービス
  • 支援の組み立てについては、ケアマネージャーがきっちり作成しています。
  • よほどのことがない限り1割の利用料が発生します。
  • 全国的に統一された基準があるため、介護度により受けられるサービスの種類や量が制約を受ける。
障害福祉サービス
  • 支援の組み立てについて明確な規定がないため、障害福祉サービス等の利用計画(サービス等利用計画)を当事者個人もしくは相談支援事業所が作成し、それをもとにデイサービス等の日中活動やショートステイでお泊りを練習したりといったようなプランを組み立てていくことになりますが、介護保険サービスに比べて幅があるのが現状。
  • よほど収入があるということがなければ、利用料が発生しないことが多く、負担が少ない。
  • きっちり主張することで話し合いにより、障害に応じたサービスをフレキシブルに組み合わせることができる。

長年、障害福祉サービスを受けていた方は、そのサービスを利用して生活をしていた実績が考慮され、介護保険サービスに移ったとしてもそこで受けられないサービスについては従前の障害福祉サービスも使えるという厚生労働省の通達がありますので、そこをしっかり主張していくことでサービスの質を維持できると思います。

また厚生労働省が現在検討している障害者総合福祉法の改正案では65歳に至るまでの障害福祉サービス利用状況を考慮して介護保険利用サービスの1割負担について軽減する仕組みが盛り込まれています。これらの問題点に対し声をあげ続けてきたことで、このように国の施策に反映されることもあるので、やはり継続は力なりというお話も出ました。

更にこれを補足すると、介護保険サービスと障害福祉サービスはそれぞれのサービスの特性上、やはりなかなか一本化できないということで一時は立ち消えかけたこの問題。しかし、このところ、国の財政面の問題を背景とした負担軽減を目的に、再び、一本化しようとする動きがあることが見て取れます。これに対して、一緒にはできないことがあるということ、当初『生きていることにお金をとるのか!』といった議論がなされた原点を今一度思い出して、しっかり声を上げて訴えていかなければいけないという意見も聞かれました。

[2016.02.16/2016.03.17 生活支援分科会からの報告]

【topic.06】どうなってるの?重症心身障害児者(重心)の緊急ショートステイ(緊急一時)

現在、横須賀市では、重症心身障害児者の介護者が病気で倒れたりして介護が立ち行かない状態になった時の緊急の対応窓口とその体制について十分に機能していないのではないかということで、各分科会でも問題を整理して議論されています。

現時点で上がっている問題は以下の通り。
  • 緊急一時預かりの体制整備が必要
  • 大人になると対応窓口が障害福祉課になるが、重症心身障害児(重心)については児童相談所のまま
  • こども医療では、土日の受け入れ特例はあるが、できれば児童相談所から連絡が欲しいとのこと。
  • しかし、児童相談所の緊急一時の連絡窓口では現在、土日の対応が困難。電話がつながらないこともある。
  • ライフゆうでのショートステイについては、児童相談所を通じて契約まで進むものの、そこでストップしてしまい、実際の利用に至っていない。
  • ピースカラーでのショートステイについては、医療ケア児は受け入れていない。

次回の教育分科会では、児童相談所の方に参加してもらい、緊急一時預かりについての児童相談所の見解を聞きながら議論する予定です。

[医療ワーキング・教育分科会からの報告]

【topic.07】ろう文化をひとつの文化として大切にしてほしい!

ろうの方は、『ろう文化』というような私たちが日常使うようなものとは別のコミュニケーションの仕方があって、そうしたろう文化をご家族の中で大切にされているケースもあるとのこと。今年度できた情報コミュニケーション条例にも、この『ろう文化』をひとつの文化として大切にしてほしいという思いが込められています。

[医療ワーキングからの報告]

【イベント情報】誰でも参加できる『意見交換会』を6月に開催。当事者の声が聞ける!発言できる!

施策検討連絡会では、決定した障害福祉関連の予算や市からの要望回答の報告をもとに、当事者が活発に発言できる場として『意見交換会』を毎年6月に開催しています。

誰でも自由に参加できるということで、2015年6月18日に総合福祉会館で行われた『意見交換会』に、sukasuka-ippo(すかすかいっぽ)のメンバーもひまわり園の保護者役員として参加してきました。市役所の各部署の担当者はもちろん、多くの当事者が集まり、要望に対する回答について意見を述べたり、日々の困りごとを発信したり…。

私たち幼少の子どもを抱える親はなかなか普段考える機会のないグループホームや作業所の問題など、障害児者の現状について幅広く議論がなされ、非常に勉強になりました。

その模様を踏まえて、今年も開催予定の『意見交換会』の案内記事はこちら!>>

【イベント情報】今年も開催!子どもから大人の問題まで、横須賀の障害者の声が直接聞ける!発言できる!『意見交換会#18』障害者施策検討連絡会

取材メモ

  • 今年度の障害福祉課長は脇さん(前こども青少年支援課長)、そして新たにこども青少年支援課長になったのが奥津さん(前障害福祉課長)という入れ替え人事となりました。
  • 全国的には『特別支援教育』と呼ばれることが多いのですが、神奈川県では特別をつけず『支援教育』としています。
  • その他、障害児支援ニーズの多様化に伴い、居宅訪問に対する児童支援、乳児園や養護施設への支援、重症心身障害児に対する支援(NICUから家庭での介護への移行に伴う支援等)について、市町村で障害児の福祉計画(通所支援などを何ヶ所作るといった決定やデイサービスについて)の作成が30年4月の法案に盛り込まれるか否かというところなので、注目したいと思います。

補足説明

横須賀市の予算編成に障害者の意見・要望を届けるのが横須賀市障害者施策検討連絡会。
この施策検討連絡会の下にある3つの分科会のうちのひとつが教育分科会です。

施策検討連絡会の組織図

横須賀市施策検討連絡会組織図

2016年度1回目の教育分科会についての概要のまとめ

開催日/ 2016.04.27
時 間/ 10:00~12:00
場 所/ 職員厚生会館2階会議室

参加者(順不同)

  • 教育分科会代表の森田さん(福祉のまちづくりを進める市民集会)
  • 横須賀地区自閉症児・者親の会『たんぽぽの会』(1名)
  • 作業所連絡会・いずみ作業所の七條さん
  • 横須賀の福祉を推める会(3名)
  • 横須賀ダウン症児者の会~つくしの会(2名)
  • 肢体不自由児者父母の会(4名)
  • ひまわり園(横須賀市療育相談センター通園施設)保護者会(3名)
  • 『sukasuka-ippo(すかすかいっぽ)』(3名/うち2名ひまわり園保護者会兼任)
  • 欠席3名

議案一覧

【報告事項】

  1. 施策検討連絡会 全体会(3.18)の報告
  2. 施策検討連絡会 代表者会(4.19)の報告

【議題】

  1. 療育相談センター8月開放デーの取り組みについて
  2. 重症心身障害児ショートステイ利用等、児童相談所との懇談に向けて
  3. 基幹相談支援センターの在り方について/現在の状況

取材日/ 2016.04.27
参加/ 五本木愛・ゆっぴー・pototon
文/ pototon・ゆっぴー
編集/ pototon
情報監修/ 教育分科会

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『自分たちが足りないと思うこと、欲しいと思うものを自分たちで作り上げていく』を現実に!夢を1つずつ叶えるために!
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