sukasuka-ippoサイトオープンから1年、記念すべきサイトリニューアルの最初を飾るのはやっぱりこの記事しかない!
ということで今回は、sukasuka-ippoのメンバーもがっつりお世話になっている横須賀市療育相談センターの所長・広瀬宏之先生にお話を聞いてきました。
独特なユーモアを含んだ語り口が魅力の広瀬先生のお話はやっぱりとてもわかりやすく、聞くたびに新しい発見が得られます。今回は横須賀市療育相談センターについて、そして療育の現状について、またも新たな発見・ヒントがいっぱい!どうぞご覧ください!
横須賀市療育相談センターってどんなところ?
横須賀市療育相談センター通称/療相、以下/療育相談センター)は、横須賀市に住んでいる主に乳幼児期から18歳未満のお子さんに対して、療育相談・診療を行うセンターで、就学前のお子さんに対しては各種教室の実施や通園支援(ひまわり園)などを行っています。
主となる療育相談では、
- ことばが遅い
- 落ち着きがない
- 人との関わりが難しい
- 友だちと遊べない
- こだわりが強い
- 目が合わない
- 運動発達が遅い
- 手足が不自由
- 動作や手先が不器用
- 吃音
- 発音がはっきりしない
- 耳の聞こえが心配
- その他
などの相談をまずは電話で受けて、ソーシャルワーカーの面談・検査・診察につなげていきます。
- 診療・リハビリテーション等のご利用
- 親子教室のご利用
- 早期療育教室・療育教室のご利用
- 通園(ひまわり園)のご利用
- 保育園・幼稚園・学校生活に関するご相談
- 就学に関するご相談
- 各種助成制度などのご案内
などに対応しています。(横須賀市療育相談センターHPより)
実はあまり知られていない!?横須賀市療育相談センターのココがすごい!
さて、ここでいきなり問題です!
以下は横須賀市での療育相談の一般的な流れですが、実は、この1-5番までの中に横須賀市独自の『すごいポイント』があります。しかも、ふたつ!?さぁ、みなさん、おわかりになりますか?
01.保護者が療育相談センターに電話で相談
▽
02.ソーシャルワーカーと面談
▽
03.臨床心理士による発達・知能検査
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04.専門医による診察
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05.個別療育プログラムの提案
[ココがすごい.01]他センターの所長たちがのけぞって驚く『個別療育プログラム』
広瀬先生 横須賀市療育相談センターでは、まず最初の一連の流れのあとに、療育相談・発達検査・専門医による診療の結果を基に今後の療育支援についてをまとめた『個別療育プログラム』をみなさんにお渡ししています。
- 療育プログラム
- お子さんの状態
- 診断名
- 検査の結果
- それぞれ専門職によるアセスメント
以上の項目を1枚にギュッとまとめて記載した簡単なものですが、実はこうしたものをちゃんと作って渡している療育センターって少ないんです。他のセンターの所長たちに「うちでこんなことやってるんだ」って言うと、のけぞって驚かれますね。驚かれるこっちもびっくりしますけどね。
じゃぁ、他のところはどうしているかというと、学校・幼稚園・保育園から、教えてくれと言われたときにその都度、文書で書いて渡してることが多い。でも、うちは最初に『個別療育プログラム』を作っちゃうので、とりあえずそれがあれば、まず支援がスタートできるんです。受給者証もこの『個別療育プログラム』でとってます。
実はこれ、横須賀市がずっと以前から取り組んできたものなんです
広瀬先生 実はこの『個別療育プログラム』は、8年前に私たち「青い鳥」が療育相談センターの指定管理者となるもっと前、横須賀市直営の療育相談室時代からそうだったんです。「ちゃんと『個別療育プログラム』を作ろうよ」と言って、たぶん10年以上前からずっと。
今ですらちゃんと作っているところは珍しいのに、10年以上前なんて言ったらそれはもう!あと、我々は保護者にわかる平易な言葉で書こうとしてるので、実は大変なんです、あれ書くの。
これを既に業務の決まってる中で新たにやろうとしたら、たぶん職員にとってはものすごい負担になると思いますね。うちはもう「初めからこうだよ」って言ってるのでできますが…。あと、本当は毎年アップデートできればいいんですけど、そこまでは手が回らなくて、それは申し訳ないなぁと思ってます。
[ココがすごい.02]初診の前に心理検査!これって当たり前じゃなかった!
広瀬先生 もうひとつ、この療育相談センターでは最初にケースワーカーとの面談があって、心理で検査をして、結果の見返しをして、そのあと診察となるんですが、このケースワーカーと診察のあいだに心理が入るのって、実は他のセンターではほとんどないんです。
なので、最初のご相談のお電話いただいてから初診まで、今は2~3カ月かかってるんですけど、その間にやるべき検査や情報の収集をいくつか進めておけます。例えば、ケースワーカーが幼稚園や保育園と連携して情報交換したり、場合によっては初診の前に支援に動くこともあります。
医師の診察が支援のスタートじゃない!初診までにできることはたくさんある
広瀬先生 他のセンターでは「初診待機、○か月」というのがよく問題になりますね。どこかで報道されていましたが、最初に相談してから初診まで9ヵ月とか1年かかったとかなると議会で取り上げられて、そうすると結果的にそこに予算がつくわけです。
予算がついて、医者を増やして、ワーカーを増やして…。だけど、(支援する側の)人が増えても、結局、利用者が増えてくるんです。ある療育センターの先生が、「支援が丁寧になればなるほど、ニーズは掘り起こされる」と言ったんですね。
つまり、支援が大雑把だと、来る人も少ない。丁寧に支援すればするほどニーズは増えるので、うちも今、そうなんですけど、結局同じなんです。そういう状況をずっと僕も見てきたので、『初診待機』というのを、考え方としてまずはなくしたいなと思ったんですよね。
だって、医者の診察が支援のスタートじゃないので…。電話がかかってきた時から、もう支援が始められるようにってことで、ワーカーのほうでいろいろやって、心理もやって、っていう。ここは、自慢っていうとあれですけど、自慢できる点かなと思います。
横須賀には療育センターがひとつだけ。だからこそ柔軟に動ける!
広瀬先生 他の自治体を見ると、例えば横浜は療育センターが9つあって…経営してる法人も3つある。川崎なんて4つあって全部法人が違います。そういう場合、他のセンターでやっていることを見て、ある程度、横並びにしていかないといけないけれど、横須賀の療育相談センターはうちがひとつだけなので、ある程度フリーハンドで動けます。
だけど逆に、ひとつしかないから、我々がなにかわがままを言って、こういう人は来なくていいみたいになっちゃうのは、絶対に避けないといけない。独占企業にならないように、そこは職員みんなで注意しています。
10人に1人という発達障害、その支援の在り方とは
『療育=生活支援』地域の中、生活の場で支援することが大事
広瀬先生 今後、『療育』という言葉はたぶん廃れていくと思いますし、呼び方としては『発達支援』のほうがいいと思うんですが、『支援』という言葉も「私は支援する人、あなたは支援される人」みたいで、僕はあんまり好きじゃないんです。
で、そもそも療育というのは、最初は
- 肢体不自由・脳性まひ・てんかん…などで病院に行く
- 原因見つけて、治したほうがいいからリハビリする
みたいな医療モデルだったんです。それが、横浜あたりで療育センターができて、そういう療育センターという箱をつくって支援を必要とする子どもを集めて、そこで訓練する。だけど、発達障害は今や人口の1割と言われていて、療育センターに集めて訓練するなんて、キャパ的にできないんですね。
横須賀市だって子どもが6万人いるので、療育相談センターに来てるのは3200人くらいですが、本来は発達障害の子どもは6000人いるはずなんですよね。
だから今は『地域モデル』『生活モデル』が主流になってきていて、「療育という発達障害の支援は、生活支援である」と、はっきりおっしゃっている先生もいらっしゃって、『生活支援』が中心なんだと思います。
生活の場、つまり、学校、幼稚園、保育園、おうち、地域で支えられるような、『地域への支援』、別の言い方をすれば『間接支援』というのがやっぱり大事!
今、横須賀は在宅医療の動きが盛んじゃないですか。要するに、老人が増えてくるとベッドが足りないので病院ではなく、家で看取ろうという…それとなんとなく似ていて、地域支援のイメージは、発達障害も一緒なんだと思います。
療育相談センターに通えないからって「支援がない」なんてありえない!
広瀬先生 療育相談センターでは「療育を絶対、受けなさい!」ではなくて。「療育ではこういうことができます」という選択肢があって、その中からオーダーメイドでやるようにしています。
たとえば両親共働きで、療育に通うのは厳しいといった場合、「じゃあ、どうすればいいか考えようか」というようなことをやっています。だって、そういうご家庭はいっぱいいますもん。本来なら、ひまわり園(療育相談センターの通園部門)に週5で通うくらいの重いお子さんだけど、両親が共働きで来られませんということもあるし、ひとり親の方もいっぱいいらっしゃってみなさんそれぞれにご事情があります。
だったら、2ヵ月に1回でも3ヵ月に1回でも、来られるんだったら療育相談センターに来てもらって、あとは「療育相談センターの職員が保育園に行きましょう」「幼稚園を巡回しましょう」というように対応しています。
ひまわり園に来たいけど来られない人はいっぱいいるんです。じゃあ、そういう人に支援がないのかって言ったら、そんなわけはなくて、僕だけじゃなくて職員みんなで療育のオーダーメイドを考えてくれているので、ありがたいなぁと思います。
「狭く深く」というよりは「広く浅く」というスタンス
広瀬先生 療育相談センターで診断がついたら、できる限りの訓練をここでして欲しいとおっしゃるお母さんがいました。
だけど、特定の人に重点的に支援をいっぱいしちゃうと、初診待機が2年とか3年とかになってしまうんですよね。だからって、親御さんの気持ち考えると「あなただけじゃないんだよ…」とはなかなか言えない、わかるのでそれは。
でもやっぱり、特定の人に重点的な支援というような、それこそ『狭く深く』というのは…僕は公的機関としては合わないんじゃないかなぁと思うんです。なので、『広く浅く』…。でも、『浅く』って言ったらえらい怒られましたけどね。
最終的なゴールは、子ども自身が自分の特性を知ること、つまり自己理解
広瀬先生 言葉のむずかしさという点で、ちょっと触れておくと、『当事者』って言葉も一度、すごく差別的だって言われたことがあって、でもそう思う人がいるんだと思うんですね。でもほかにないので使いますが、僕はいつも、発達支援には自分の特性を知る『当事者能力』がキーワードになるのかなと思うんです。
ちょっと前だと『障害受容』に当たると思うんですが、『障害受容』というと、受容したかしないか、白か黒か、みたいな…。でも、そういうことじゃないと思うんですね。「何年経ったって納得いかないし、揺れてるような状態なんだ」って先輩お母さんに教わったので、だから『障害受容』じゃなくて『自己理解』。
最終的には、子どもが、自分の特性を知って、「これとこれは苦手だよね、だから誰かに手伝ってもらおう」とか、「これはちょっといいや、パスしよう」とか、「無理しないようにしよう」とか。自分の特性を知って、それで「あ、ごめん、これ苦手だからやめる」とかそういうふうに、まわりに「ごめんね」とかが言えるようになればいいなぁと思ってるので、「こういうとこは苦手だけど、こういうとこは得意だよね」とか、そういう『自己理解』がゴールかなぁと思っています。
子どもの自己理解には親の理解が不可欠
広瀬先生 そのためには、「あんたはいつもダメだね」って親が言ってる限りは、決して自己理解は進まないかなと…。むしろ、「俺はだめなんだ」っていうダメな自己理解になっちゃいますよね。
だから、親がまず子どものことをちゃんと理解してて、その上で子どもが自分自身の理解をして、20歳くらいになった時に「じゃあ、こういう仕事ならできるかな」みたいな感じになってくのが目標かなぁ。きれいごとの理想論かもしれないけれど、でも、そうやって育てていってるお母さんはいっぱいいますので。
親だって医師だって同じ、自己理解って難しい
広瀬先生 横須賀市の療育相談センターができてもうすぐ10年なので、18歳超えた人がどんどん出てきています。もちろん支援が不可欠な人に関しては、施設とか作業所というかたちでつないでいく先がいっぱいありますけど、それこそグレーな人だったり、あと手帳すらもらえない人というのは、やっぱりお母さんがちゃんと理解することが就労に繋がっていくのかな、と思います。
そういう意味では、重たい人って、誰が見ても「ああ大変だよね」って見てわかるし、知的とか自閉でもちょっと見ていればわかるから、まあ偏見も伴いますけど、周りの人からの支援は得られるわけですよね。
そういう面ではなんでもない人って、やっぱり一緒に行動したり仕事したり生活しないと見えてこない部分もあるので、なかなか大変だと思うんですね。
この間、ある心理の先生が「俺は自分のこともろくに理解してないのに、親に子どものこと理解しろっていう資格はないんだよな」「そのお母さんが自己理解をできてるかどうかわからないのに、『子どもの障害のことを受容して理解してね』って支援者が言えないだろ」という話をしていました。
僕だって自分のこと理解したくないのにね(笑)人から言われると腹が立つけど、自分で「あー、しょうがねぇな」って思うのが一番いいんでしょうね。
「親が3倍頑張ればいい」という発想。親御さんに教えてもらうことばかり
広瀬先生 この間、誰かの親御さんに「じゃあ、この子に頑張らせないといけないですね」って言われて、「違う違う。頑張るのは親だよ」と言ったら、「えっ?」って言うから、「この子に頑張らせてもつぶれちゃうから、この子にどう頑張らせるかを親が工夫しないとだめなんだよ」って言ったら、「そうなんですね、親が3倍頑張ればいいんですね」って言って、本当に親御さんのお話を聞いて、教えてもらうことばっかりです。
この間のひまわり園の卒園式で園長も言っていましたが、皆さんからいろいろ教えてもらいながらって…。ほんとにそれが我々の本音なんですよね、ほんとに皆さんに教えてもらいながら、やってきています。
療育に通うタイミングはそれぞれ。『早期療育』の意味を考える
早期発見・早期療育の『早期』って年齢ではない!?
広瀬先生 早期発見が大事だってよく言われますけど、僕だけじゃなくって職員みんなで思ってるのは、「早期」っていうのは、3歳とか4歳とかいう絶対的な早さではないということです。小さければいいってもんではなくて、親御さんの気付いた時点が早期。子どもの発達に気付いて、ちょっと相談しようかなと思った時が早期なので、それは10歳でも11歳でもいいんです。
親御さんがその気もないのに、無理やりここに紹介されても、まず絶対、支援にはつながりません。一度来ても、その後は来なくなっちゃう。
「小さければ小さいうちがいいんだ」という考え方もありますけど、それも一面、事実なんですけれども、でもやっぱり家族が気づいた時点が『早期』だと僕は思っていますし、10歳で相談に来たお母さんも、3歳で来たお母さんも実際にあまり変わらないです。
学校生活の中で初めて相談が必要となるケースもあると聞くけれど・・・
広瀬先生 これには、ふたつパターンがあります。
ひとつは幼稚園保育園時代はほとんど問題がない場合…
その場合はたぶん幼稚園・保育園で上手に関わって、子育てとしてもまあまあでっていう、その延長線上なので、学校のなかでの問題点を整理していくと意外とうまくいくことが多いです。
もうひとつは、幼稚園・保育園でさんざん相談の必要があると言われてきて、親御さんも「いやいやうちは大丈夫です」って言い続けてきたけど、どうしようもなくなってやっと来た場合…
でも、それも「そういえば言われてたんですよね」「言われてたんだけど、なんか嫌だったんですよね」ということもあって、そうなれば、「そうだよね、嫌だよね」って僕も言います。
メンタルで発症した不登校、そこに発達障害があるかどうかの見極めが大事
広瀬先生 いつも言うように、メンタルで具合が悪くなって、よくよく聞くと発達障害だったというようにメンタルで発症することが多いんですが、そのメンタルで発症した不登校の裏に、発達障害があるかどうかの見極めは、誤らないようにしなくちゃいけない。「ずっと空気が読めないやつだったよね」という話なら簡単なんですけど。
でも療育は早期じゃないと先ほど言いましたが、そうは言うものの、やっぱり3歳・4歳・5歳でちゃんと療育を受けている人は、たぶん二次障害の頻度は低いと思います。統計ではなく、あくまでも感覚的なものですけど、そういう意味では早期も大事は大事ですけどね。
療育を受けていることの利点は「回り道をしないで済むこと」
広瀬先生 この間、ひまわり園に外部の撮影が入ったんですが、撮影スタッフさんは療育については素人なので、素朴な質問として『療育受けると何かいいことあるんですか?』って、そうきたか!と。その時、僕はちょっと考えてから、『まわり道をしないで済むかな』と言ったんですね。
障害があってもなくてもですけど、特に障害がある場合、親御さんは子育ての場面でいろいろ試行錯誤して、時に蹴ったり、叩いたり、怒鳴ったりって、叱るんだけど、療育で「それは症状なんだから蹴っ飛ばしたってしょうがないよ」って言えば、まわり道はしないで済むかな、って。
親御さんとか園の先生もなんとなくやり方みたいなのがわかってもらえると、本人も、まわりも、無駄な努力…「無駄な」っていったらおかしいですけど、そういう回り道をしないで済むと思うんです。
・・・
ひまわり園を卒園したら診察も終わり!?気になる就学後の話
今後の療育相談センターとの関わり方について五本木愛が直撃!
広瀬先生 支援の在り方としては、6歳までは定期的にがっちり見るけれども、そこから先は、「何か困ったときはいつでもどうぞ」という、ポイントポイントの支援に移っていきます。
18歳までの間だったら、何かややこしいことがあって、うちでお手伝いできることあるなら是非どうぞ!というように、必要な時に必要なことをする感じです。
それがなかなか理解されなくて、「学校入ったらもうここには来られない」って思われちゃうんですけど、そうじゃなくて、特別支援教育という素晴らしいシステムにバトンタッチしていきますから、定期的に療育に来る必要はもうないわけで、何か困ったときはとりあえずワーカーに電話して、「こういうことで困ってるけど」って言ってくだされば良いわけです。
五本木 主治医がこども医療センターだったりする場合もありますよね。そういう人は、今後ここで診察を受けることはないんですか?
広瀬先生 年に1回くらいは来ていただいてもいいですけど、主治医がある人でここに来るのは、もうほんとにおしゃべりというか雑談というか…。特にここで何かをやらなきゃいけないことがあるわけではないので…。それがある人は別ですけどね。何か困ったことあったらいつでもどうぞ、っていう感じで。こないだも7年ぶりっていう人が来ましたよ。
五本木 なるほど。来ちゃダメといわれてるわけじゃないけど、行っていいものかどうかがちょっとわからないっていうところだったので。
目指しているのは『支援の消滅』ってどういうこと??
広瀬先生 最終的には自分たちで何とかできるようになることが目標なので、我々支援者は、できるだけ消えていく、フェードアウトしていく。つまり、皆さんの生活の中で、療育というのがだんだん消えてなくなるのがゴールだと思ってるんです。
いつまでたっても月に1回、療育センターに来ないと生活ができないというのでは、お互いに困っちゃうわけです。
だから我々の手伝いがなくても、ちゃんと毎日暮らせるようになることが目標だろうと思っているので『支援の消滅』って僕はいつも言っています。病気もそうですよね、病院に行って、治療して治る、そこでは病院にいかなくなることがゴールですから。
横須賀市療育相談センターの基本情報
〒238-8530 横須賀市小川町16番地 はぐくみかん4階
TEL/ 046-822-6741
FAX/ 046-823-1798
お問い合わせ時間/ 平日8:30-17:00
設置/ 横須賀市
運営/ 社会福祉法人 青い鳥
開設/ 平成20年4月
設置施設/診療所
福祉型児童発達支援センター(定員50名)
医療型児童発達支援センター(定員40名)
詳しくはHPで!(外部リンク)>>横須賀市療育相談センター
・・・
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sukasuka-ippo代表・五本木愛の視点
sukasuka-ippoはこの2017.04に1周年を迎え、それを機に一般社団法人となります。それに伴いサイトもリニューアル。
そんな心機一転、最初の記事として横須賀市療育相談センターの所長である広瀬先生のお話を出せることをとても嬉しく思います。
というのも、そもそも私たち、sukasuka-ippoのメンバーはこの横須賀市療育相談センターの通園部門であるひまわり園の保護者会で出会い、そこでの活動とそれを伝える通信が発展し、このサイトが誕生しました。そんな経緯を振り返ると、さらに感慨を覚えるのです。
・・・
私自身、療育相談センターに通って早5年。ひまわり園保護者としてもこれまでに広瀬先生のお話を聞く機会は何度かありました。
それでも今回のお話は「え!?そうだったんだ!!」と気づかされることばかりでした。
そして、改めて思うのはひまわり園に通園できたこと、療育相談センターで手厚い支援が受けられたことはとてもありがたいことであり、その陰には所長はもちろん、本当に多くの職員の方の熱意があったのだということ。
また、療育に通いたくても通えない状況の方や、受診まで辿り着けていない方もまだたくさんいらっしゃることを改めて意識させられましたし、それでも療育相談センターの職員のみなさんがどうしたらより多くの方に支援を届けられるのかと常に葛藤してくださっているということも知ることができました。
・・・
広瀬先生は、いつも障害児を育てる保護者である私たちに対して、しっかりと腑に落ちるお話をしてくださいます。安易に安心を与えるのではなく、しっかりと根本をみることの大切さを気付かせてくれます。
私は色々なタイミングで広瀬先生のお話聞いてきましたが、もっともっとたくさんの方に聞いて欲しいと思っています。そのために私たちができることは?そんなことを想いとして持ちつつ、横須賀市療育相談センターや広瀬先生との繋がりを今後も大切にしていきたいと思います。
・・・
2017.03
取材/ 五本木愛・ゆかねこ・takeshima satoko
文・構成/ ゆかねこ・takeshima satoko
sukasuka-ippo
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