横須賀のバリアフリー子育て情報局『sukasuka-ippo(すかすかいっぽ)』がサイトを飛び出し、毎月開催しているのがリアルに交流できる場『sukasuka-act(すかすかあくと)』です。
3回目の今回は、これまで要望の多かった「きょうだい児」をテーマにしました。ここでいう『きょうだい児』というのは、普段、よく取り上げられ話題になる障害児本人ではなく、その兄弟姉妹のことです。
障害のある兄弟についてどう思っているのかな、やっぱり色々我慢してるよね、学校では?お家では?
今回のアクトでも、参加者からいろいろなお話を聞くことができました。
ということで、sukasuka-act.03『きょうだい児、今日はきみの話をしてくるよ』での発言内容をまとめてみましたのでどうぞご覧ください!
なお、今回はなんと最初の15分ぐらいで録音が途切れており…現場でとっていたメモとメンバーの記憶を頼りに発言内容をまとめ、それを参加者ご本人に加筆修正してもらうかたちで記事にまとめてあります。ご協力ありがとうございました!
たまさんの場合/肢体不自由の中学1年生、同じ中学に通うお兄ちゃん。小学校と中学校でお兄ちゃんの心境に変化
息子が2人いて、上の子は現在高1で健常。下の子は肢体不自由体幹(脳性まひ)で数メートルの独歩は可能ですが静止立位は不可。車いすや歩行器を使用してお兄ちゃんが通っていた公立の中学の支援級に通っています。現在2年生。
人とのコミュニケーションはとれるので、たくさんの人と関わることで社会性を身に付けてほしいと思い、幼・小・中と健常児の子とともに過ごす環境に入りました。
今の壁は卒業後の進学。更にその先を見据えて選択していかなければならず、学校選択のむずかしさを痛感しています。思春期特有の心の問題にも直面しています。(アンケートの自己紹介より)
同じ幼稚園で幼稚園も1年間
うちは二つ違いの男兄弟ですが、下の子が2歳のころからひまわり園の前身のマザーズに通っていましたが、年長の時にひまわり園ができてそちらに移りました。
マザーズに入った頃は、肢体は不自由でしたがしゃべることはできましたし、知的の方は特に障害がありませんでした。「健常の子と関わらせてあげたほうがいいですよ」というアドバイスを受けていましたので、お兄ちゃんと同じ幼稚園に入れました。下の子は短時間保育という形態で通っていたので幼稚園では兄弟同士が関わる時間あまり多くはなかったのですが、1年間はそのように同じ幼稚園に通いました。
小学校もきょうだい同じでもスムーズ
下の子が小学校に上がるという時にも、やっぱり養護学校ではなく健常の子と関われる地域の小学校に通わせようと思いました。その時、お兄ちゃんはまだ3年生だったので、下の子の障害や同じ小学校に通うことになることについて特に気にすることはなく、下の子がお兄ちゃんと同じ小学校に入るのはスムーズでした。
同じ校内で弟を見かけても自然に過ごせているようでしたが、やっぱり親として気にはなっていたので、下の子が入学する前に上の子のクラスの保護者に向けて「これから障害のある弟が入学するので、そのことで何かあるかもしれません」というようなことをお話したことがあります。結局、特に問題はなく大丈夫でした。
中学入学時、お兄ちゃんの心境に変化が…
でも、中学に入った時は、お兄ちゃんも弟の存在を気にし始めました。というのも小学校が一緒だったお友だちは弟のことを知っていましたが、他の小学校から来た新しい友だちは自分の弟のことを知らないので、「知られたくない」という気持ちがあったようです。
当時、私たちはそのまま小学校の特別支援級から中学校の特別支援級に上げるつもりで準備をしていたのですが、上の子が中学1年生、下の子が5年生の時に、お兄ちゃんが「お母さん、○○は養護学校に行けば?」っていきなり言い出したんです。「もっとあの子に合ったところのほうがいいよ」って。
これまでそんなこと言ったことのないお兄ちゃんが、いきなり言い出したことなので、「あっ、これは何かあるな」って思ったんです。だからといって特に追及はしなかったんですが、身近な人に相談する中でタイミング的にも「あっ、これだな」という出来事がお兄ちゃんにあったことがぼんやりわかりました。
お兄ちゃんの気持ちも汲みつつ、それでも下の子をどこに行かせるのがいいのかなと考えた時に、やっぱり普通の中学校の特別支援級に通うのが一番なんじゃないかなという結論に達して、それをお兄ちゃんに話をしながら、納得してもらいました。やっぱりわかってもらうのには半年以上かかりましたね。上の子の感情的に嫌だっていう気持ちがどうしても強くて、なかなか納得してくれなくて、最終的にわかってもらえたというのがあります。
親としてできること、役員を引き受けて縮まる学校との距離
あと、今もそうなんですが、お兄ちゃんが中学1年生で入学した時からずっと役員を引き受けていて、それが今年で4年目になるんですが、役員を引き受けることで学校とのつながりは多少なりとも強くなっているかなという印象です。
学校に関わる機会が増えることで、先生と少しでも距離を縮めることができるし、下の子のこともあるのでそれがスムーズなのかなって。ずっと続けて役員をやっていることで、私が学校に行く機会も増え、学校の様子もわかりますし、先生から話を聞く機会も増えますし、下の子のというよりも上の子のことも考えて、いつでも学校に行けるから守れるよということを伝えました。
あとは、家では兄弟喧嘩がもうすごいんですが、それも喧嘩ができる関係というのも悪くないのかなって、それが兄弟だって思っています。
『sukasuka-act』に参加して…
初めて参加させていただきました。皆、同じように抱えている悩みを吐露し、聞いてもらえたり、話を聞けたりすることで少しでも心が軽くなれるのかなと感じました。
兄弟姉妹はきっと親よりも過ごす時間が長くなるので、節々で壁をいくつも乗り越えていかなければならないと思いますが、親としては最終的に兄弟姉妹の人生も守っていきたいと考えています。本当に難しいですね。
だあやさんの場合/自閉症の弟の就園・就学。いつも背中を押してくれたのは前向きなお姉ちゃんの一言
5歳の知的の遅れを伴う自閉症の息子がいます。上に8歳のお姉ちゃんがいます。
自閉症の弟。同じ幼稚園に通いたいと言ったのはお姉ちゃん
下の子は2歳のころに反応がなく、知的を伴う自閉症ということで診断を受けましたが、主人が仕事で長期にわたり家を空けることが多かったので、あまり相談することもできず、障害のある下の子を未就園児クラスに入れていませんでした。
でも幼稚園に通う娘の目から見ると、同じクラスのお友だちの弟や妹が未就園児のクラスに入ってくるのを見て何かを感じたんでしょうね。「わたしも弟と一緒に幼稚園に通いたい!」と言い出したんです。その時、4歳だった娘に自閉症について説明しました。そして「弟も同じ幼稚園に通ってもいいの?」って聞いたら娘は「いいよ」って。そして、幼稚園に相談したら幼稚園も快く息子の入園を歓迎してくれました。
幼い娘に弟の障害をどう伝えよう?私は冷蔵庫に例えました
娘に障害の話をどう伝えればわかるのかなって考えた時に、私は冷蔵庫に例えました。
お買いものでアイスクリームや冷たいものを買った時は早くお家に帰って冷蔵庫にしまわないと溶けちゃうから、みんな急いでお家に帰るよね。でも、弟の場合はその途中の道にお山やお池があって遠回りしなくちゃいけない。それが障害なんだよ。だから、ちゃんとゴールにたどり着けるようにみんなのお手伝いが必要なんだよって。
その話を聞いた娘が「じゃ、みんなにもっと知ってもらった方がいいよ!幼稚園に通った方がいいよ!」って。
親は心配、娘がいつも背中を押してくれた
そんな娘に背中を押されながら通い始めた幼稚園ですが、実際に通い始めると親はやっぱり心配。集団でいても私の顔を見ると駆け寄ってきてしまう息子、でもお姉ちゃんは全然大丈夫そうでした。
来年小学校にあがる息子ですが、お姉ちゃんと同じ小学校の支援級に通うことになるので、それもお姉ちゃんに相談しました。弟が障害のある弟が支援級に入ると、あなたもからかわれたり、嫌な思いをすることもあるかもしれないって。でも娘は「幼稚園でもからかわれたことあったから全然大丈夫だよ!」ってケロッとしてる。
私は何も知らなかったし、お姉ちゃんも何も言わなかったから、楽しく過ごしてるのだと思っていました。でも、実は知らないところでいっぱい我慢をしてくれていることを痛感しました。その反面、きっとお姉ちゃんなら色んなことを一緒に乗り越えてくれると少し安心しました。
おーちるさんの場合/2番目の子がダウン症、そしてまだ小さい3番目。お姉ちゃんも甘えたい!
子どもは3人。2番目がダウン症で現在6歳、一番下はまだ小さいので、今日はお姉ちゃんの話をします。
下の子の障害がわかったときに心配したのはお姉ちゃんのこと
下の子がダウン症だってわかったのは生後1ヵ月のこと。本当に寝耳に水という状態で慌てふためく中で、まず頭に浮かんだのは、当時3歳だったお姉ちゃんをどうしようってこと。福祉関係の仕事をしていたのですが、下の子に障害があるからお姉ちゃんも通っている保育園をやめなくちゃいけないとなぜか思ってしまって、慌てて保育園に相談しにいったら「そんなことは問題ないから、気にしなくても大丈夫」と言ってもらえて、さらに「下の子も多少早くても保育園に連れてきてもらえば預かれますよ」と言ってもらえて本当にありがたかったんです。
気持ちの余裕のない私の代わりに気を遣ってくれたお姉ちゃん
下の子は体が弱くてぜんそくやらなにやらで毎月1~2回は調子を崩していて大変だったんですが、生後2、3か月の頃、当時、不調だった主人の母を家で引き取って面倒をみることになって、私自身の余裕が全くなくなってしまい、家族内が多少ギクシャクした雰囲気になっていました。そんな状況で、3歳の娘はその時もとても気を遣って、私のところばかりでなく、調子の悪い義母のことも気遣い、声を掛けに行ったりしてくれていました。
小学3年生になった娘。やっぱり時々甘えたい
今はその娘も小学校3年生になりましたが、ダウン症の弟とまだ小さい3番目の子がいるので夜寝るときにはその2人が母である私の隣で当たり前のように寝るのを見て、「私はママの隣で寝られない!」って駄々をこねたりします。
最初は「お姉ちゃんなんだから!」って言っていたんですが、最近はお姉ちゃんの日も作って、下の子に「今日はお姉ちゃんの日だよ」と伝えて、お姉ちゃんを甘えさせてあげるようにしています。
一番下の子はそれをあっさり受け入れてくれましたが、それはそれで下の子にも無理をさせているのかなという気もします。でも、お姉ちゃんもさびしがるんですよね。
来年は小学校。お姉ちゃんは同じ学校に来てほしい!
そのダウン症の息子も来年、小学校就学を控えています。養護学校も考えたんですが、お姉ちゃんは弟が同じ小学校に行きたがって、学校見学に行った時に相談したら、先生がちゃんとフォローしますって言ってくれたので、小学校の支援級に通わせてもいいかなって。それを娘に伝えたら「やったー!」ってとても喜んでいました。
『sukasuka-act』に参加して…
みなさまの話を聞き、同じことで悩んでいることがわかり、心強かったです。とても楽しかったです!
しょうごママさんの場合/ありのままのお兄ちゃんを受け入れている娘に障害の説明は必要?
今日は2回目の参加になります。精神発達遅滞の小学校5年生の男児と年長の健常の娘がいます。今日はその2人を会場に連れてきています。
娘は来年小学1年生、同じ学校にいないお兄ちゃんについてどう考える!?
上の子は養護学校に通う5年生。娘が生まれた時には既に「にいに(お兄ちゃん)」は障害がある状態だったので、娘はそれが当たり前だと思っているようです。
その娘が来年は小学校に上がります。でも、お兄ちゃんは6年生のはずなのに養護学校に通っているので同じ小学校にはいませんよね。娘自身はそれを理解していてるし、幼稚園が一緒だった娘の友だちは小さい頃から仲良くしていて、兄が喋らないのを当たり前に受け入れてくれていますが、幼稚園とは違う新しい友達ができることで、子ども同士の会話の中で娘がそれをどう説明していくのかなって…
以前、私が実際に聞いた娘とお友だちの会話は…
友人「なんでまだにいにはしゃべれないの?」
娘「わたしのにぃにだからだよ」
友人「そっかぁ!」
というようなものでしたが、 小学校にいったらおそらく質問してくる子のほうも「そっかぁ!」って感じにはならないだろうなって。そういう場面で、娘がお友だちに対して障害のある自分の兄についてどう説明し、それを聞いたお友だちの反応をみてどう感じるのかなと思っています。ちょっと新しい風がふくんだろうなって予感しています。
娘にお兄ちゃんのしっかり障害を説明すべき?
そして、兄の障害について娘にしっかり説明すべきなのか、一方で、改めて説明することで今、自然にお兄ちゃんの存在をありのままに受け入れている気持ちを惑わせることになるんじゃないかという心配もあります。
実は、今日のこのsukasuka-actには子ども2人を連れてきました。というのも、今日の予定をカレンダーに「お兄ちゃんのおはなし会」とカレンダーに書いておいたのを見た娘に、「お兄ちゃんの何の話をするの?」と聞かれたので、良いタイミングだと思って「お兄ちゃんと同じようにできないことがあるお友だちがいるおうちのお母さんたちが集まってきょうだいの話をするんだよ」と説明したら、「じゃ、わたしのことを話すの?」と。
今もあちらのフリースペースで遊びながらも気になって聞き耳立てていると思うし、午後もお兄ちゃんの言語指導に一緒に連れて行きますが、でも連れて行った先で耳に入ることからお兄ちゃんの障害について少しずつ理解するのもいいのかなって思います。
いつもお兄ちゃんの予定に同行した結果、全てが当たり前に…
アクトでは話をしませんでしたが……
娘は兄がまだひまわり園に通っていた時代(妹は当時、まだ赤ちゃんでしたが)はもちろん、武養の参観日、夏祭り、運動会、フェスとほぼ皆勤賞(笑)役員会議まで参加していました。言語教室(先生と1対1)はもちろん、縁があって体操教室(20才以上の障害者ばかりですが)に息子も週1で参加させてもらっていて、それにももちろん娘も連れて行きます。この体操教室のメンバーは年に2回、観光バスを貸し切りにして日帰り旅行に行くのですが、それにもちゃっかり家族で参加していて「しょうがい者」だからとかいう感覚がなくて、「○○お姉さんはにぃにみたいにお話しないね」「○○お兄さんはいつもイタズラしちゃってるね」というように感じているみたいです。
そう考えると、障害児者の存在が娘にとっては当たり前になりすぎていて、改めて説明するのはやっぱりまだまだ先でよいのかなと感じています。
そして、そういうきょうだい児同士が関わる機会が今後、もっと増えたらいいなと思っています。
(開催後に発言者ご本人が追記してくれました)
もりりんさんの場合/妹はドラベ症候群。繰り返した入退院でお兄ちゃんも不安定に
年長の娘はドラベ症候群という疾患があり、てんかんが頻回します。お兄ちゃんは2人、長男は小学6年生、次男は小学4年生です。
学校にいても救急車の音で不安になるお兄ちゃん
上のお兄ちゃんは妹のてんかん発作を見ていますし、そのたびに入退院を繰り返してきたので、学校の隣にある消防署からサイレンが聞こえると心配して、帰ってくるなり「あぁ、妹が救急車で運ばれたんじゃなくてよかった」というようなことを言うのを聞いて、学校にいるときにもそんなふうに不安な気持ちにさせてしまってかわいそうだなって。
3年生の時に感じたさびしい気持ちが6年生になった今も引っかかっている長男
ちょうど上のお兄ちゃんが3年生だったやんちゃな時期に妹が入院し、私がそれに付き添うかたちで家を不在にすることが多くなりました。お兄ちゃんにあまりかまってあげられなくて、学校でもちょっといじめられキャラみたいになってしまったお兄ちゃんが学校に行くのが嫌だと言った時期もありました。
6年生になった今でも、ちょっとしたことで3年生の時のさびしい気持ちやその時の嫌なことを思い出すようです。来年、中学生になるんですが、別の学区の中学校に行きたいと言っています。どうするべきか今迷っています。
支援級か支援学校…。歓迎していた次男の反応も変化
今、小学校4年生の次男はつい最近まで、娘も自分と同じ学校に通ってほしいと言ってました。
でも、親としては去年まで娘にはハードルが高すぎると支援級での就学は全く考えてなかったので、次男には「○○は、発達もゆっくりだし、発作もあるから特別支援学校っていう別の学校に行くことになると思うんだ」と説明。それを聞いてとても残念そうにしていた次男ですが…
・・・
今年、娘は年中になり、週5でひまわりに通うようになりました。言葉も増え、発作も落ち着いてきつつある中で、特別支援学校の見学をしてきたのですが、娘には物足りないのかなという印象を受けました。また、特別支援学校に通うとなると、今度は病院が遠くなってしまうので、てんかん発作が起こったときの搬送などに不安が残ります。そこで、病院が近い支援級も視野に入れて、改めて就学先を考えることになったことを、次男になんとな~く「○○を一緒の学校の支援級に行かせようかなって考えてるんだ」と伝えてみたところ…
喜ぶと思った次男の顔がちょっと曇ったんです。「えっ?○○は支援学校に行くんじゃないの?」と。
私「前はそう思ってたんだけど、支援級に行けるかなって思って…」
次男「いや、○○は支援学校のが良いよ~」
私「えっ~。一緒に通ったら6年生と1年生でお世話とかしたり、守ってあげてよ~」(←負担にならないように、あくまで軽い感じで)
次男「いや、無理。守りきれないから」
・・・
娘の病気や障害の程度を考えると、同じ学校の支援級に行かせる予定は実際はかなり低いのでこれ以上、深くは話していません。
でも、ほんの数ヶ月前までは、妹が同じ学校に来るのを楽しみにしていた次男が急にそんなことを言い出したので私は正直ビックリしました。
成長と共に、いろいろなことが分かってきて、最初はただ単純に一緒に通えるのが楽しみだったのが、今は不安や心配などに変わってきたんだなぁと。
でも、正直な気持ちを話してくれたのは良かったと思いました。
・・
そこを、もっと突っ込んで話を聞いてあげた方が良いのか?
根掘り葉掘り聞かずに、そっと見守ってあげた方が良いのか?親としての悩みどころです。(後半部分は発言者ご本人による追記)
ゆっぴーの場合/寝たきり・気管切開の弟がいるお兄ちゃんの気持ち
当時3歳だったお兄ちゃんと3人で自宅にいるときに、私の腕の中で8ヵ月の次男の心臓と呼吸が止まり、パニック状態で救急車を呼んでそのまま半年入院。呼吸を確保するために気管切開をしました。
弟の歩く姿を見たことがないお兄ちゃん
次男が寝たきりになったのは、寝返りをするかしないかという時期だったので、お兄ちゃんは弟が歩く姿を見たことがなくて、いつもお父さんかお母さんに抱っこされているのが当たり前だと思っていた感じ。
お友だちの弟や妹がだんだん歩き始めるようになるのを見て「あれ?」と思ったようです。その頃から少しずつ、弟は周りとは違うんだと認識したように思います。
チャイルド・ライフ・スペシャリストの支えもあって、早い段階で弟の障害について説明
お兄ちゃんには、早い段階で弟の障害の話をしました。
弟の入院していた病院には「チャイルド・ライフ・スペシャリスト(Child Life Specialist ; 通称CLS)」の方がいて、その方にお兄ちゃんにはどう説明したらいいか、また兄の心のケアについても相談していました。
そのCLSの方が兄のために作ってくれた本があるんですが、登場人物はわたしたち家族で実際にわたしたちの写真を使って作られた手作りのもので「弟に障害があるのはお兄ちゃんのせいでも誰のせいでもないんだよ、みんなお兄ちゃんのことが大好きだよ」というような内容。3年生になった今でも、時々お兄ちゃんが読んでほしいとこの本を持ってきます。
3年生だけど時々甘えさせて
そして、3年生になった今でも時々「僕も抱っこして」といってくることがあります。大きくなったお兄ちゃんを抱っこしてあげようと腕を広げると、弟と同じように横抱きにしてほしいと言います。きっといつも見ている弟と同じスタイルで甘えたいのでしょうね。
最近は、弟はどうして全然怒られないのに、僕はいろいろ怒られるの!という不満があるようです。
その他の参加者!
お子さん連れで参加してくれた方、常連さんで今回は聞き役になってくれたみなさんがこちら!
ナカタさん
ダウン症の4歳、下の子が生まれたばかりですが、今後どんな壁があるのかきょうだい児についての話に興味があって参加しました。
まいこさん
2歳の息子は筋ジストロフィーと診断されています。お姉ちゃんは年中さんです。
息子は5~6歳までは筋肉の衰える力より成長のスピードが上回るので少しずつ成長しますが、その先は逆転していずれは寝たきりになり、呼吸器もつけることになると思います。
お姉ちゃんも今はまだ小さいから、弟が他の子と違うことはあまりわかっていないと思いますが、「まーくん、しゃべらないね」と私に言ってくることもあります。
今は弟の成長過程を見ているお姉ちゃんが、今後、動けなくなっていく弟を見てどう感じるのか不安があります。
今回、『sukasuka-act』に初めて参加して、普段お話できない方々とお話できて、とても参考になりました。いつもひとりで悩んだり、主人に相談するだけなので、スッキリしました!
ななさん
今のところ、皆勤賞でアクトに参加しています。
子ども3人(中3・年長・2歳)なんですが、年長の子が最近発達検査の結果が出て、やっぱり健常に近いグレーというかボーダーというか、そんなことを言われました。
小学校ではからかいなどはあるけれど、中学校に入るとイジメが起きやすいという話も耳にして、普通級にするか迷ってしまいます。ボーダーならではのむずかしさをやっぱり感じます。
3番目はまだ2歳なんですが、親の私から見ると明らかに成長が遅いし、何かあると思うんですが、まだ診察すらしてもらえない。これも気がかりです。
今日は、支援級と普通級、そのあたりのアドバイス(非掲載ですが…)も聞けてよかったです!
ゆかりさん
3回目の参加になりますが、今回のトークテーマはとても楽しみにしていました!
上の子は自閉症の4歳ですが、最近受けた発達検査で2歳過ぎぐらいという結果、下の子は追い越してとうとうこの日が来たと…。
双子を育てているような気持ちこれから先、就学という時に壁にぶつかるのかなという不安を今からしています。
今は2年保育の幼稚園に通わせているので重なることはありませんが、今後、小学校に上がる時など、どんなふうになるのか今からちょっと不安で、今日も話を聞きにきました。
Rさん
それぞれ抱える問題はちがっても、みんな同じようにきょうだい児のことを心配していて、どうしたらいいのかわからないということを考えていたので、今後もきょうだいの回が続いていくといいなと思いました。
そして、ちょっとご紹介したいのが、きょうだい児について保護者から学校の先生に見守ってほしいポイントを伝えるためのシート。
こちらは、病気の子どもの「きょうだい」が安心して自分の気持ちを話せる居場所を増やすため、きょうだい支援の種を蒔いているボランティアグループ「しぶたね」の公式ブログにて公開されています。
しぶたねのたね(外部リンク)>>学校の先生にきょうだいさんの見守ってほしいところを伝えるシート(改訂版)
【おまけ】フリートークからちょっとだけ…
きょうだい児同士だからって簡単に話題になんかしない、当たり前じゃん!
五本木愛 先日、うちの子と同じアンジェルマン症候群のお子さんがいるご家族と家族ぐるみで会う機会があったのですが、上の子たちも中学生同士だったんですが、すぐに打ち解けていました。
同じ疾患を持つきょうだい児同士どんな話をするのか、親として気になっていたので後日、うちの中学生の長男に聞いてみたんですが、「そんなのいちいち話すわけないじゃん」って言われちゃいました。
考えたら当然ですよね!いちいち障害のことを改まって話題にするわけはない。それが普通だよなって。
どこにでも一緒に連れて行く!見てきょだいの障害について理解することもある
reiko うちはどこにでも一緒に連れて行きます。妹はその支援を受ける様子、家以外での兄の姿を見て、兄のダウン症という障害について理解しているようです。
そして最近は、ダウン症のお兄ちゃんよりもできることが多くなった年長の妹が、一生懸命、小学校1年生の兄の面倒を見ようとしています。
ダウン症という言葉も家族の会話で普通に使っているので、私がお兄ちゃんのナツを「どうしてそんないたずらするの!?ダメでしょ」って怒っている横で、妹が「ナツはダウン症だからでーす」なんて言うこともありますw
しょうごママ 妹の方が障害児のお兄ちゃんのできること、できないことをよく知っていて、休みの日に家族でどこに出かけるかを決めるときも「~はお兄ちゃんがダメじゃん」「ピューロランドに行きたいけど、お兄ちゃん暗いところダメじゃん」なんて言うのを聞いてると、小さいなりに我慢してるんだなって思います。
reiko うちなんかは、そのあたりを知ったうえで妹が「お兄ちゃんがデイに行っているときに行こうよ」なんて提案してきます。
一同 笑
sukasuka-ippo代表・五本木愛の視点
3回目のsukasuka-act。テーマは「きょうだい児、今日はきみの話をしてくるよ」ということで、障害児の兄弟姉妹についてみんなで話しました。
というのも、前回、前々回とトークテーマとは別に、必ず話題に上がるキーワードが きょうだい児。これは是非、トークテーマにするべき!!ということでテーマを決めました。
親としての想いももちろんですが、きょうだい児たちの想いも普段の言動から汲み取れるなど、たくさんの経験談を伺うことができました。
親からしてみれば、確かに障害を持って産まれたわが子にはたくさんの配慮が必要になってきます。でも、障害のあるなしに関わらず子は等しく大切。
それをしっかりときょうだい児にも伝えていくことの大切さが今回のトークテーマから再確認できたように思いました。
今回のsukasuka-actの概要
第3回トークテーマ『きょうだい児、今日はきみの話をしてくるよ』
▼開催要項はこちら(開催済)
参加者/ 10名(たまさん、だあやさん、おーちるさん、しょうごママさん、もりりんさん、ナカタさん、まいこさん、ななさん、ゆかりさん、Rさん)
託児利用/12人
ナースボランティア/ 田中さん、高橋さん、塚本さん
託児ボランティア/竹下さん、小野寺さん
参加メンバー/ 五本木愛・reiko・ゆっぴー・pototon・Kyoko Aoyagi(託児担当)・がらっぱち(託児担当)・misa(託児担当)
一部の幼稚園・養護学校はまだ夏休み中ということもあり託児利用が多く、賑やかな中での開催になりました。
参加してくださった皆さんの中には、みんなの話を聞きに来られたという方、発言したけどその内容をサイト記事では非掲載にしてほしいという方もいらっしゃいました。みなさんそれぞれの思いやスタイルで参加していただければと思います!
2016.08
編集/ takeshima satoko
sukasuka-ippo
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