昨年度から本運用が始まったサポートブック。横須賀市療育相談センターや市内養護学校に通う子どもたちを中心に活用が広がっていますが、地域の学校の支援級に通う子どもたちや支援する立場である学校や事業所への周知が課題となってきました。
サポートブックとは
平成29年度に本運用が始まった『サポートブック』は、障害をもつお子さんが成長する中で、本人とご家族が安心して次のステージに移れるよう、生まれてからその日までの成長や支援の記録などを様々な場面で活用できるアイテムです。
就学や就職などの進路の転換期にはもちろん、将来、障害年金の手続きにも役立てることができます。
横須賀市のHPでも詳しく知ることができます。>>https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/3030/supportbook.html
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そこで、sukasuka-ippoでは昨年度に続き、今年も障害福祉課と横須賀市療育相談センターのソーシャルワーカーを講師・アドバイザーに招いた勉強会を開催しました。
一般参加15名と盛況だった今回の勉強会では、3つのグループに分かれてワークショップ形式で体験。各テーブルにsukasuka-ippoメンバーも参加して、にぎやかな雰囲気でサポートブックの趣旨や書き方のポイントを学びました。
今後も開催していく予定のサポートブック説明会&体験会の模様を参加された方の感想を交えながらお届けします。
サポートブック説明会
幼少期から学齢期に支援のバトンをつなぐポイント
司会進行を務めたのはsukasuka-ippoメンバーのハタ坊
代表・五本木愛からごあいさつ
サポートブックの作成を進めてきた横須賀市 障害とくらしの支援協議会 こども支援連絡会 会長の山﨑さん(社会福祉法人海風会)
横須賀市福祉部障害福祉課の八橋さんから、サポートブックの概要について説明してもらいました。
横須賀市療育相談センターのソーシャルワーカーの和田さんと渡邉さんからは、
サポートブック体験会
わからないことはその場で質問!みんなでワイワイ、まずは書いてみる!
point.01
サポートブックだけで全てを伝えるのは大変。5‐6割を伝える気持ちで書いてみて!
サポートブックには、多くの記入項目があります。でも、利用する人ひとりひとりのニーズによって記入が必要な項目は異なります。また、生活や思いをすべて記入しようと思うと大変な作業です。
ソーシャルワーカーのおふたりからは、「まずはサポートブックだけで伝えようとするのではなく、5‐6割を伝える気持ちで書いてみてください」というアドバイスがありました。その他、書き方のポイントとしては…
- 書き方に正解はない!
- 綴り方の決まりもありません!
- 空欄・白紙のページがあっても気にしない!
- 学校や各事業所で作成された支援計画やサービス利用計画書などの書類も全部一緒に綴っておけば振り返りができます!
母子手帳や手元にある支援計画などを見ながら書くとはかどるそうです!
参加者の感想memo
- 色々振りかえることができて、忘れていたことなどを記録することで、過去のできごとを思い出すことができて良かった。
- 将来につなげるために書いておくとよいことが印象に残った。全て記入するのは大変なので、5~6割の気持ちでというアドバイスも参考になりました。
- 年金情報で書かなければならないことがかなりあるので、おどろきました。年金をもらう時に使用すれば、だいぶ楽になるのだと思いました。
- 支援計画をはさんでおくとよいと教えていただき、参考になりました。
point.02
鉛筆書きで書き損じを畏れずに!でもコピーしたときに見える濃さで
「筆記には、書きながらどんどん修正できる鉛筆がおススメ。でも、記入した内容を支援機関でコピーさせてもらうこともあるので、コピーに写る濃さで書いてもらうと支援者は助かります。」とソーシャルワーカーのおふたりからアドバイスがありました。
書き損じでどうしても書きなおしたいという場合は、障害福祉課の窓口で用紙をもらうことができますが、ネットからのダウンロードも便利でおススメです。
参加者の感想memo
- 記入する箇所がたくさんあり、どこから記入していいか迷った。今までを見直す良い機会になった
- 用紙は障害福祉課でもらえるということを知りました。
point.03
できることを書く?できないことを伝える?目的をイメージすると書きやすい!
例えば年金を申請するときなどに必要とされる項目が並ぶ青色のページについては、支援を必要とすることを理解してもらうため、できないこと、苦手なことを中心に書き留めることになります。
記入目的に応じた気持ちの切り替えが必要となりますが、一度に全てを記入しようとするとネガティブな気持ちになってしまうという場合などは、少しずつ記入を進めるなどの工夫をすることが有効とサポートブックの使い方にも記されています。
参加者の感想memo
- 年金情報で書かなければならないことがかなりあるので、おどろきました。年金をもらう時に使用すれば、だいぶ楽になるのだと思いました。
point.04
書いて終わりじゃない!?できれば1年毎に更新、最低でも3年毎に
サポートブックは、大切な記録ですが、相談支援事業所や放課後等デイサービス、生活介護事業所など、ご本人が関わる機関との間で活用するためのツールでもあります。
- 子どもの成長に併せて、少なくとも3年に1度は更新しましょう。
- 更新用の用紙は、ダウンロードや窓口でもらえます!
参加者の感想memo
- 市にサポートブックを作成していることが登録できる点。少なくとも3年ごと、できれば1年ごとの更新が必要という点を知りました。
- 1年ごとに更新が必要、最低3年に1度。活用していくには自分でしっかり記入、管理して学校やサービスを利用するときに出していかないといけない。
point.05
より活用するために、サポートブック作成者カードが便利!
せっかく記入したサポートブックを支援者との間で有効活用するためにおすすめなのが、『サポートブック作成者カード』です。
これはサポートブックを作成したことを示すカードで、横須賀市障害福祉課で申請・登録することでもらえます。
例えばこの『サポートブック作成者カード』を障害者手帳や療育手帳などに挟んでおけば、新しいサービスを利用する際に支援者にサポートブックを所有していることがスムーズに伝わります。
参加者の感想memo
- サポートブックの同意書などの存在を知らなかったので書けたら出そうと思います。
point.06
書こうと思うけど、なかなかペンが進まない!という場合は集まって書きましょう
とにかく記入項目が多いサポートブック。書かなくてはと思っていても、なかなかペンが進まない…という声も多く聞かれます。
今回の説明会&体験会のアンケートをまとめると、以下のようなお母さんたちのニーズが見えてきました。
[公開不可を希望した方を除く11名の参加者のアンケートを集計しました]
Q1.参加しようと思った理由を教えてください?
- 学びの機会が欲しかったので参加しました。
- 昨年の役員(ひまわり園)の方に、サポートブックがあると教えていただいたのですが、年中児だったため、あまり意識していませんでしたが、放課後デイを使わせていただこうと思ったり、口腔衛生センターで赤ちゃんの時からの説明が面倒だったので使いたいなと思いました。
- サポートブック、ひまわり園の勉強会で聞いた以来だったので、じっくり学ぼうと思いました。
- 詳しく知りたいと思い、参加しました。
- まだ記入していなかったので参加したかったです
- 現在年長のため、サポートブックのことを勉強したかったので。
- サポートブックの名前は知ってましたが、実際にどういうふうに記入するかわからなかったので参加しようと思いました。
Q2.印象に残ったこと、 新しい発見について教えてください
- 成長とともに変化する子どもを客観的に理解する機会になると思いました。
- みんなと一緒に書くことができて良かったです。大きくなると忘れてしまうので、小さいうちから書くことで忘れないかなと思います
- わかりやすく説明していただき良かったです。
Q3. サポートブックに実際に記入してみてどうでしたか?
- ひとりひとり、みんな違うので必要な部分とそうでない部分があると思いました。ボリュームが多い…。家に帰ってできる作業ではないので、この場で完結できると良いと思います。
- 少し量は多いかなと思いましたが、この先にあれば役にたつ物だと思うので良かったです。
- 書く事をまとめられれば、支援者に子どもの事を大分理解してもらえるなと思いました。書き方によっては使いやすかったり、書きにくい事もありました。
- みんなで一斉に書く雰囲気だったので、書きやすかったです。具体例があったので書きやすかったです。
- 今日は聞いたことにすぐ答えてくださる方がそばにいらしたので良かったです。時間が短いのはいたしかたありませんが、このくらいがちょうどいいのかもしれませんね。
- なかなか書くのが難しいと思いました。
- 自分の子どものことをふり返り、成長を感じられた。記入するのに記入例などがあると書き込みやすいと思いました。
- なかなか自分ひとりでは書けなかったので、良い機会でした。今は年長ですが、就学後は放課後デイ・移動支援を利用するので活用したいです。
- サポートブックの話を実際にききながらだったのでわかりやすかった
Q4.今後の更新作業の際など、どのようなイメージがありますか?[複数回答可]
1位(7票)
家族と話し合いながら記入したい
2位(6票)
このようなイベント形式で取り組みたい
・先生や支援者と一緒に記入したい(4票)
・ひとりでじっくり取り組みたい(3票)
・サークルなど定期的に集まる機会がほしい(2票)
集計memo一番多かった「家族と話し合いながら記入したい」という人は、複数回答で「先生や支援者と」「ひとりでじっくり」とを選ぶ傾向がありました。また2番目に多かった「イベント形式」を選んだ人が「サークルなど定期的な機会」も同時に選んでいました。
Q5.今回のイベントはどうでしたか?
- 同じ支援級のお母さんにお声掛けしたいと思いました。
- ずっとサポートブックの存在は知っていたけど機会がなかったのでとてもよかったです。
- 良かったです。ぜひまたやってほしいです。
- 書き方など参考にしたり、楽しくできました
- タイムリーで必要だったので、参加出来て良かったです
- 養護学校でも説明会はあったが、参加できなかったので今回参加できて良かった
- めんどくさがってましたが、今日機会を持って良かったです
- サポートブックについては知っていたのですが、なかなかこのような機会がないと取り組めないので参加して良かったです
- みなさんと一緒にわからない所などを確認しながら記入できてよかったです
- スタッフの方が良く回ってきて下さったので、わからない事がとても聞きやすくて助かりました。
- 聞きながら記入できたのでよかったです
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初めて書く人も更新する人も集まれ!
それぞれのサポートブック説明会を
継続して開催予定
どうぞご期待ください!
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開催日|2018.10.25(thu)
@横須賀市職員厚生会館5F和室
企画・司会進行|五本木愛・ハタ坊
参加メンバー|がらっぱち・さきっこ・takeshima satoko
写真加工|ゆっぴー
文・構成|takesima satoko
sukasuka-ippo
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