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【寄稿】きょうされん熊本大会「高齢期-ゆたかに老いる」に参加して/特定非営利活動法人あまね代表理事 海原泰江さん

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01.  ひかり福祉会(滋賀県)の実践

  • グループホームで生活している70代の方の実践を通して、それまでの生き方や地域の繋がりを大切にしながら暮らしを支えている。
  • その中では、接するなかで人としての尊厳を大切にすることが大事であり、そこをとても大切にしている。
  • ここのグループホームでも、週3回、介護保険のデイサービスを利用しつつ、2回は同じ法人の作業所に通所しています。

02. 草の実作業所の実践

  • 65歳の仲間の支援。作業所のなかのサロンに参加するなかで居場所を確保。
  • 昨年、自分史を作っていくことが自己肯定感につながるとこの分科会で発表したが、自分史を作ることはできなかったが、みんなの前で発表したいということで、自分のことを語る場を作った。体調不良になったため早めに語る場を作り、仲間・職員が聴かせてもらった。その後、体調は復調した。聴いてもらったという想いが、満足感を抱くと共に彼の生きる力を引き出した。
  • 実践記録をキチンと残していく。日中だけではなく、24時間365日の記録をできるだけ残していく。
  • 仲間の声なき声に耳を傾けていく感性を心がけていくこと。(なかなか日常の業務のなかでは流されがち。意識していくことが大切)
  • 暮らすとは何か…を改めて問い直す必要がある。機能低下は誰でも起こりうることであり、避けては通れないこと。
  • 仲間にとって魅力的な選択肢がたくさんあり、選べるようにすること。実践と制度が両輪になることで、仲間の高齢期が豊かになっていく。

03.ゆたか作業所の実践(入所施設の高齢化の現状と求められる職員の専門性と課題)

ことぶき班の実践から

  • ことぶき班の実践から、それぞれにあった高齢期の過ごし方「ゆたかにその人らしく」とは何か、「仲間も支援者も悔いがのこらないようにする」には職員は何ができるか。昔も今も変わることのないテーマを念頭に入れて行っている。
  • ことぶき班の実践は、人間らしく暮らしていくためには何が必要なのか。設備の整った建物であっても、その人に寄り添う専門家集団がいて、さらには常に自分たちの実践を見直していく謙虚な職員集団の姿勢がなければ、自分の想いを口にすることができない仲間たちの支援はすぐに職員にとって都合のいい支援に流れてしまう危険性があることをしっかりと認識すること。

高齢期の支援に必要な専門性とは

  1. 本人の気持ちに寄り添う心
  2. できなくなっていく気持ちに向き合う実践であることの自覚
  3. 目の前の仲間から生き方を学ぶ謙虚な姿勢
  4. 人格労働であることへの自覚と相手を敬う思想性
  5. しんどい思いは笑いで前向きに変えていける楽天性
  6. 新たなヨコの発達に繋がっていく可能性を信じる気持ち
  7. ちょっとしたことで喜べる喜び上手であること

*資格や基礎学習だけでなく、知識として学んで、自分で考えて再度理論化していく。

知識として必要なものは…高齢化の特徴に対する基礎知識、障害者福祉と介護福祉法などの制度の仕組み、医療の基礎地域(誤嚥や高齢化の対応)

  • 技術は常に磨く努力が必要…介護技術・救急法・記録をしていく文章力・感染症対策など
  • 集団性…職員みんなで支援していくことの大切さを自覚する。集団で議論するなかで高齢化の課題を考えていく職場の雰囲気作り。後輩への温かい心と技術と地域、思想性の伝承
  • 経験 → 理論と技術に経験が積み重なること。たとえばちょっとした体調や表情の変化を感じとる勘、立ち向かう勇気と覚悟そして判断
  • 暮らしの場を支えなかでは、多くの人たちと関わり、どこかで輝ける場をもっていることが大切 → 生涯発達いつまでもその人らしく生き続けることができる。
  • 暮らすとは、改めて暮らしに場の基本を問い直す必要がある。

04.佛教大学 教授 植田 章氏より

  • 改めて障害のある人が老いていく実態とその社会的支援の実践は少ない。まず私達関係者はそのことを十分に理解した上で、誇りをもって実践の積み重ねをする必要がある。
  • 障害のある人と、健常者の老いの違いをきちんと捉える事が大切。これがきちんとできないと今の制度・政策に物申すことはできない。
  • 健康で豊かな高齢期の生活を送るためには、きめ細やかな実践が必要。老いを生きるというより、障害のある人の高齢期を生ききる力から学んでいくことが大切と考える。

05. さらにゆたかの実践からの提案

  • 知的障害者の高齢化のスピードは健常者のスピードとは明らかに異なる。そのために介護技術を磨くためにも介護福祉士のテキストを活用すると良い。
  • 発達の勉強会が大切。
  • 転倒と誤嚥のリスクを少しでも少なくする。(声・表情・バイタル等の観察)
  • 高齢化を少しでも鈍化させるためには、集団の中にきちんとした居場所をつくることによって、自己肯定感をもつことができると共に良い刺激を得ることができる。自己肯定感は受け身では育たない。
  • 高齢化を少しでも遅らせるためには食事と筋力維持はとても大切。無理のない範囲での散歩等をおこなうこと。
  • 横のつながりを大切にする → 専門家集団との繋がり。看護師・OT ・PT等

06. 高齢期の問題と密接に関係してくる制度改革の方向性について

  • 「我が事、まるごと」厚生労働省がだした制度の方向性 → 地域の実情にあわせ「高齢者・障害者・児童等」の一体化運用の推進がなされた。 → 財政の効率化であって、質の低下を招くことが懸念されている。
  • 生命の尊厳をどう認めていくかということとは大きくかけ離れている政策
  • 介護保険は国家的詐欺 → 要支援1、2の制度をはずしは家族支援に再び変化している。 → 介護離職0との方向性を安倍首相は出したが、実際は家族支援へ再び舵が切られている。
  • また介護保険の家事援助も市町村事業に入れ込もうとしている。
  • 地域包括支援システムの構築とされているが、財務省の資料のなかには「保険外サービスの活用事例集」まで出してきている。→ お金のない人はより一層支援がうけられなくなってしまう危機感がある

07. 高齢期の日中活動の場の提供について

  • 老いは明らかに早まっている。→ できるだけその変化に気付き、対応を早めに立てることが必要。
  • 生活能力の維持向上させていくためにも日中活動(生産活動を含む)や余暇・趣味も大切である。
  • 高齢期は単調になりやすい。壮年期に本人にとってわかりやすく心地いい活動を多様に提供してことが大切。
  • 自らが老いを認める事は時間がかかる。← 職員はこのことをきちんとわかってあげる必要がある。
  • 作業から離れても、その近くに居場所を提供するこたは大事なこと。
  • 年を重ねていくことは、生まれたときから障害のある方が老いることは私達とは根本的に異なることを理解し、画一的ではなく特別な支援が必要であることを理解しることが大切。
  • 高齢の当事者の方が語ることが大事。
  • 高齢障害者問題の意味を確認していく。その中で障害特性とニーズに即した支援の在り方=制度を考えていくことが大事。

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▼元原稿はこちら▼


2016.11
寄稿/特定非営利活動法人あまね代表理事 海原泰江さん

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