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【取材レポート】発達障害のある子を育てる中での困りごとにみんなで頷こう!交流会『だんでの会』2016.06/横須賀

投稿日:2016-07-04 更新日:

だんでの会2016.06

2016.06.23(木)、総合福祉会館4階ボランティアセンター第3活動室で行われた『だんでの会』は横須賀地区自閉症児者・親の会「たんぽぽの会」が主催する交流会『だんでの会』に取材でお邪魔してきました!

たんぽぽの会では、3年前から年に4~5回、こうした交流会を開催してきました。誰でも気軽にふらりと立ち寄れるようにと、事前の申し込みは不要、もちろん参加費も無料、お子様連れでも大歓迎!

今年度初回となる今回、お話しされたのは会員6名の他、初めて会に参加されるという若いお母さん4名、そして法政大学現代福祉学部コミュニティ学科の学生さん4名が見学にいらしていました。

交流会の主旨やたんぽぽの会についての説明て簡単な説明があった後、交流会がスタート。

2016年度第1回トークテーマ『こんなときカワイイとおもっちゃう』

話しやすいようにとの工夫で、設定されたトークテーマはふたつ。

  1. まず、我が子のたいへんなことをぶっちゃけて、ガス抜き!!
  2. そのあと、親バカをつけよう、うちの子、こんなとこがカワイイ!

小さいころは2階の窓から脱走したことも!!働きかけが通じた瞬間がカワイイ

まず先頭を切ったのは、だんでの会の司会をされていた市川さん。

自閉症のお子さんは26歳男性、言葉はなく、療育手帳はA1、支援区分は6。平日はグループホームで生活されているとのこと。

生まれて以来、昼夜が完全に逆転していて、夕方のニュースで起きて朝の5時に寝る生活。多動で何度も逃げ出し、玄関にカギをつけるも2階の窓から脱出したことも…。そうまでして脱走する理由がわかったのは息子さんが5年生のころで、人の目が離れ、お腹がすいた時であることが判明したのだとか。逃げる先はたいていお店で、叱られては場所を変え、また叱られては場所を変え…。それはそれは大変だったそうです。

「息子さんが自閉症と診断されたのは、7歳のころ。トレーニングセミナー協力児になるために受けた事前アセスメントでまず特性をチェックを受けるのですが、当時の息子は笑うこともなく、顔を見合わせるとかいうこともない。でも、その先生が、息子を「かわいい」と言ってくれたことに驚きました。言葉かけだけでは動けなかった息子が、ゴミ箱を指さしながら「ゴミを捨ててね」と言ったら捨てられた。その視覚優位の「自閉症らしさ」をカワイイと思っていいんだと、教えてもらったんです。」

大変なことばかりでかわいいと思うことはあまりないけれど…

次にお話しされたのは、たんぽぽの会の先輩ママ。

「当時は2歳違いの妹がいて育児に明け暮れ、次から次へと問題が起こる日々。パトカーで交番に帰ってきたこともあるし、人のお宅に勝手に上り込むこともしばしば。昔は自閉症という言葉自体がまだあまり知られていなくて、お巡りさんに説明するのも一苦労でした。

小さいころも大変なことばかりであまりかわいいと思わなかったけど、児童相談所に相談した時に、「くすぐるとかでもいいので、なんでもいいから接してください。」と言われてくすぐってみたら、息子が笑ったんです。それで少し希望が見えました。
大きくなってからも、かわいくはないんだけれど、主人のことが大好きでいろいろ似ているんですよね。そして、私にはやらないけど、主人には自分から腕を組んだりするのを見て、あぁ、そういう気持ちがあるんだなと。」

息子はハンサム!親が変われば子どもも変わるという発見

42歳の息子がいる先輩ママのお話。

A2で少し発語がある程度。知的が重くて区分は6。作業所とグループホームを利用して、週末に家に帰る生活をしているとのこと。ハンサムなので、息子を携帯の待ち受けにするくらい、とにかく容姿が自慢というお話が印象的。

「2歳くらいのときは、すぐにどこかへ行ってしまい、探したら家の前の国道をはだしで歩いたり…。でも私自身は全然自覚がなくて、横須賀に引っ越してきた時に近所のお母さん方4人くらいに囲まれて、相談を勧められて気づいたのがきっかけでした。
実際に相談に言ったら、まずアドバイスされたのが「息子さんのいうことをなんでもいうことを聞いてあげて」って…。そうしたら、息子の態度が1週間くらいで変わった。それを話したら、「息子さんが変わったんじゃなくて、親御さんが変わったんですよ」と言われて、なるほどなと。確かに甘えるようにもなっていたんです。

大きくなってからも問題行動はそれなりにあります。全然知らなかったんですが、ある時、全然知らないお宅から「実は1年くらい前から息子さんがうちにたびたび入ってきていたんですよ」と電話をいただいて大変驚いたことがありました。聞けば、最初は土足で入ってきていたので、それを脱がせて上がらせていたとか。迎えに行ったときに警察がいたら、お母さんがきっとびっくりしてしまうだろうと、警察を先に帰らせて対応してくれた先方のご主人の気遣いがありがたかったです。

にこにこもしないし、あいさつもしない、普通のいい子じゃないですが、作業所の人は息子は人が好きだと言ってくれる。子どもをかわいいと思えなくても、自分を責めることはない。親子関係ができてくれば、うまくいくこともあるし。まずは子どもを信じるのが大事かなと思います。自分が産んじゃったんだもの。時々加害もあるけれど、必ず何か理由があるので、まずは親がわかってあげないと!」

40歳の息子、いい人生だったと思ってもらうために親がまず幸せに!

息子さんは40歳男性。

「健康保険に介護保険の請求が来たことで息子が40歳になったんだなぁと思っています。

息子が生まれたときは、まだ自閉症もあまり知られていなかったので、色々な医療機関を渡り歩きました。上と下に兄弟がいたのですが、自閉症の次男にかかりきりだったので、長男の育児の記憶はありません。長男のこと何も知らなかったなと。

息子が18歳の時に主人が病気で他界し、それから息子と自分の関係が崩れ、主人の存在が大きかったんだなと実感しました。
息子は小さいころからあちこちいなくなる子で、自転車で横横を逆走したことも…。

みなさん口ではかわいくないって言うけど、本当はかわいい。息子はおいしい料理には「うまい」っていうけど、おだてに乗らないからきっと正直な気持ちなんだと思います。

人を叩いてしまうこともあるけれど、それを息子が自分で気にしているのもわかる。こんな大変な息子を育てたのは自分、だから自分をほめるようにしています。なかなかいいやつでカワイイなって思いますし…。

息子にいい人生だったなと思ってもらうには、まず親も幸せにならないといけないな…なんて考えています。」

手がかからない→他害→自傷…。理由があるのがわかるから今は動じない!

25歳の息子さん。日中は作業所でクッキーを焼いているそうです。

「成長は全体的に遅かったけど、小さいころはそれほど手がかかりませんでした。

でも、小学校に入るころから、拒否を伝える時に指をねじる他害が出て、高等学校で自分の顔を叩くという自傷を覚えました。言葉がないのでやっぱり爆発しちゃうんでしょうかね。

小さいころの反動なのか、こだわりと自我が出てきて、すごく大変でした。毎日30枚着替えたり…。薬も服用しているけど、全部は抑えられない。でも慣れてくると、自傷も2時間ぐらいが限度、本人なりの理由があることをこちらも理解できるので、もう本人の気持ちの切り替えを待つしかないなと思えるようになりました。」

アスペルガー症候群の就職。言葉があるからこその難しさも…

「21歳の息子はアスペルガー症候群ですが、実態は高機能の自閉症じゃないかと思っています。

息子が小さいころは、自閉症やアスペルガーというのは、まだまだ親の育て方や家庭環境が悪いといわれていた時代、外でのトラブルが増えて、色々なところに相談に行きましたが、最後は特別総合支援教育研究所で診断を受けました。

こだわりは多いのですが、家では問題がなくとっても穏やか。外では、学校などのうるさい環境に慣れることが難しかったです。

就職前の2年間が大変でした。使いようによってはよくできる子なんですが、注意されることに慣れていなくて、周りの人が関わり方を工夫してくれないとなかなか適応が難しいところがあります。そういう意味では、言葉があるからこその問題があるように思います。」

初参加の4名は、年長さん~小学校3年生までのお母さん

初めて参加された4名はそれぞれ、支援学級に通う自閉症の小学校1年生、支援学級に通うアスペルガー症候群の小学校2年生、広汎性発達障害をお持ちの小学校3年生、軽度の知的の遅れを伴う自閉症の年少さんを育てるお母さん。

  • 幼稚園まではスムーズだったけど、就学を機に場所見知りをするようになり、パニックを起こすこともしばしば。それでも母の失敗を大丈夫と励ましてくれる優しい一面も見せてくれます。
  • こだわりやパニックで日々のやりとりにストレスを感じます。学校では勉強はまずまずだけれども、コミュニケーションやお友達との関係には不安も…。毎日怒ってばかりいる私に「ママ好き」って言ってくれるのは嬉しい。
  • 言葉はないけれど、幼稚園ではうまくやっています。でも、パニックもあるし、時期によっては1日3回は何をやってもダメということが続き、疲れてしまうことがあります。
  • 3歳ごろ、育てにくさが強くて、一番かわいいさかりにかわいがってあげられませんでした。幼稚園との連携がうまくいかなくて、家ではしゃべっていたけど幼稚園では一切しゃべっていなかったとか、年長の途中で他害が出てきたとか…そういう園での様子をずっと知らせてもらっていなかったので、トラブルに発展してしまったこともあります。就学を機に、支援級で理解ある先生にあたり、問題行動ごと息子を受け入れてもらえたので、今はとてもいい状態。かわいいと思えるようになりました。本当に周りの対応次第だなって思います。
  • 市内の健診では引っかからなかったのですが、保育園では泣いてばかりで大変でした。療育でよくなりました。かわいいところは勝ち負けにこだわるところ。あまりにも勝つことにこだわるので、負けてもいいというルールにしたら、今度は勝ったら怒るように(笑)

・・・

そしてあっという間に終わりのお時間が来てしまいました。

ひとくちに自閉症といってもお子さんの症状も年齢も様々。それでも、やはり同じように自閉傾向のあるお子さんを育てているお母さん同士、共感できること、勇気づけられることもいっぱいありました。

この『だんでの会』は会員・非会員に限らずだれでもふらりと参加できる交流会。
是非、次回以降の開催スケジュールを確認してみてください。

【イベント告知】交流会『だんでの会』のほか、トレーニングや講演会、11月開催のバーベキューにも注目!

2016年度の予定は以下の通り。

【交流会】

2016.06.23
第1回『こんなときカワイイとおもっちゃう』

2016.09.15
第2回『ふりかえってみると、アラいつの間に?』

2016.10.20
第3回『こんなことやってみたらうまくいった!』

2016.11.20(要事前予約)
第4回『たまには外でBBQでも』

2017.01.19
第5回『自分の感情がおさえきれなくて…つい』

詳細はHPで!(外部リンク)>>だんでの会(交流会)

・・・

その他、自閉症のためのトレーニングセミナーや公開講座なども随時開催!

是非、HPでチェックしてみてください!(外部リンク)>>今年度の活動

sukasuka-ippo代表・五本木愛の視点

今回、『だんでの会』へ初めて参加させていただき、驚きがたくさんありました。

まず、年齢層が幅広い!1番大きなお子さんが私と同じ歳と聞いてびっくり!
ですが、そんな驚きばかりではなく、勉強になるお話や考えさせられるお話など、内容は盛りだくさんでした。

20歳〜40歳のお子さんをもつお母様のお話を聞いていると、当時の情景や環境までが目に浮かびました。
今のような周囲の理解がない中で、どんな想いで子育てをされてきたのだろう…
子育てが大変すぎて、我が子を可愛いと思う余裕がなかった…など、今では考えられない状況だったというのが、とても伝わりました。そんな大変な思いをされている中で、みなさんそうした状況を変えようと周囲に、そして行政に働きかけてこられたんだなぁ…と。

そして、まだ小さなお子さんを育てていらっしゃるお母さまたちのご意見も、大変参考になりました。どんな場面で不安を感じ、どんな情報が欲しいのかを汲み取ることができたように思います。

このようなに同じ障害を持つお子さん同士が気軽に繋がれる交流の場の必要性をとても感じました。

取材日/2016.06.23
取材/五本木愛・pototon
編集/takeshima satoko
情報監修/たんぽぽの会

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